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内野は4人ともスーパースターの息子。2人の父は殿堂選手。あと1人も実績からすれば……

宇根夏樹ベースボール・ライター
ボー・ビシェット(トロント・ブルージェイズ)Mar 8, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月17日、カナダのジュニア・ナショナル・チームと対戦した試合で、トロント・ブルージェイズは内野に豪華な名前を並べた。一塁はケーシー・クレメンス、二塁はカバン・ビジオ、三塁はブラディミール・ゲレーロJr.、遊撃はボー・ビシェット。4人ともまだメジャーデビューしていないが、彼らの父はいずれも、ただのメジャーリーガーではなく、スーパースターだった。

 クレイグ・ビジオブラディミール・ゲレーロは、殿堂入りしている。ロジャー・クレメンスも、薬物問題がなければ、2人に先駆けて殿堂に入っていたはずだ。354勝は歴代9位、4672奪三振は3位。サイ・ヤング賞7度は誰よりも多い。ダンテ・ビシェットのキャリアは3人に及ばないものの、本塁打王と打点王を獲得した1995年を含め、オールスター・ゲームに4度選ばれた。4人のオールスター・ゲーム選出は、合計31度に及ぶ。

 父4人のうち、チームメイトとしてプレーしたのはビジオとクレメンス(ヒューストン・アストロズ/2004~06年)だけだが、数年後には息子4人がメジャーリーグに揃うかもしれない。彼らの年齢は19~23歳。ゲレーロとビシェットは、トップ・プロスペクトだ。

 他にも、この試合には懐かしいファミリーネームを持つ選手が出場した。レフトを守ったのはドワイト・スミスの同名の息子。DHのブランドン・グルジラネックは、マーク・グルジラネックの甥だ。

 また、ジュニア・ナショナルチームの出場選手のうち、捕手と三塁手を務めたノア・ネイラーは、サンディエゴ・パドレスのマイナーリーガー、ジョシュ・ネイラーを兄に持つ。4番手としてマウンドに上がったブレイデン・ハラデイは、昨年11月に飛行機事故で亡くなったロイ・ハラデイの息子だ。ハラデイはキャリアの大半をブルージェイズで過ごした。掲載した写真からもわかるように、ブルージェイズは今シーズン、左袖にハラデイを追悼するパッチ――黒い円にハラデイの背番号「32」――をつけてプレーする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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