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40代メジャーリーガーが激減!? 現時点で球団が決まっているのは1人だけ

宇根夏樹ベースボール・ライター
昨シーズン、フェルナンド・ロドニーは39セーブ(失敗6度)Oct 1, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2017年のメジャーリーグでは、9人の40代選手がプレーした。2016年にそうだった8人中4人はいなくなったが、代わって5人が40歳に達した。

 今シーズンは、その人数が一気に減るかもしれない。

 2017年の9人のうち、現時点で契約を手にしているのは、3月に41歳となるフェルナンド・ロドニーだけだ。アリゾナ・ダイヤモンドバックスからFAになったロドニーは、12月にミネソタ・ツインズと1年450万ドルで契約した。

 バートロ・コローン(44歳)、イチロー(44歳)、R.A.ディッキー(43歳)、上原浩治(42歳)、ジェイソン・グリリ(41歳)、ホアキン・ベノワ(40歳)の6人はFAだ。ナックルボーラーのディッキーは、引退に傾いているらしい。ワールドシリーズ優勝を味わったカルロス・ベルトラン(40歳)と、3年ぶりのメジャーリーグ復帰を果たしたブロンソン・アローヨ(40歳)は引退した。

 40代ともなれば、なかなか契約が決まらないのも無理はない。しかも、今オフのストーブリーグは動きが極めて遅い。FA市場に出た大物選手、ダルビッシュ有ジェイク・アリエタJ.D.マルティネスらも、球団はまだ未定だ。40代のなかからも、これから契約を交わす選手は出てくるだろう。

 40代の選手が減るのではないかと考える理由は、他にある。40歳を迎える選手が、見当たらないのだ。

 1978年に生まれ、昨シーズンにメジャーリーグでプレーした選手は5人いるものの、ピーター・モイランチェイス・アトリービクター・マルティネス(デトロイト・タイガース)の誕生月は12月なので、40代メジャーリーガーとなるのは2019年だ。10月が誕生月のジョン・ラッキーも、今年のポストシーズンで投げない限りはモイランたちと同じ。残る1人、チャド・クオルズは8月で40歳だが、昨年7月にコロラド・ロッキーズから解雇された後は、どの球団とも契約していない(モイラン、アトリー、ラッキーもFA)。

 他には、3000安打&500本塁打(w/薬物)のラファエル・パルメイロが復帰を考えており、ツイッターに「ケージに戻るのはいい気分。カムバックは本気」(1月4日)、「バットスピードが上がってきた。スウィングの感触は上々」(1月10日)と書き込むとともに、打撃練習の映像をアップしている。

 もっとも、パルメイロがメジャーリーグでプレーしたのは、13年前の2005年が最後。その後はMLB傘下のマイナーリーグでもプレーしておらず、2015年に独立リーグで1試合に出場しただけだ。その上、年齢は53歳(!)。今のところ、契約については噂すら浮上していない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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