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1イニング2三振の打者が出た翌日に1イニング2安打の打者が。過去には1イニング満塁本塁打2本も

宇根夏樹ベースボール・ライター
A.J.ポロック(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Apr 2, 2017(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

4月21日の試合で、A.J.ポロック(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は1イニングに2三振を喫した。その翌日、マーク・レイノルズ(コロラド・ロッキーズ)は1イニングにヒット2本を放った。

ポロックの2三振は、少なくとも1イニングの最多タイ記録だと思われる。1イニングに3打席という打者はいるが(ポロックは2打席)、調べた限りではそのなかに3打席ともアウトの打者はおらず、振り逃げを含む3三振も見つからなかった。

一方、レイノルズの2安打は、1イニングの最多記録ではない。ジーン・スティーブンス(1953年)とジョニー・デーモン(2003年)が、どちらもボストン・レッドソックスの選手として、1イニング3安打を記録した。

とはいえ、ポロックの2三振だけでなくレイノルズの2安打も、そう頻繁に起きるものではない。そもそも、打者一巡(あるいはそれ以上)のイニングでなければあり得ない。

打者一巡のイニングでは、過去にこんなこともあった。1999年4月23日にはセントルイス・カーディナルスのフェルナンド・タティースが、3回表に2本の満塁本塁打を放った。2002年5月2日にはシアトル・マリナーズの2番打者と3番打者、ブレット・ブーンマイク・キャメロンが、1回表に2度の2者連続アーチを記録した。キャメロンはこの2本塁打に続き、3打席目と4打席目も本塁打を放った。

なお、ここに挙げた打者のうち、ポロックは打てなかった例だが、その試合でまったく冴えなかったわけではない。8回裏に巡ってきた5打席目と6打席目は三振に終わったものの、最初の3打席でそれぞれ、本塁打、二塁打、シングルヒットを放ち、サイクルヒットにリーチをかけていた。

また、デーモンは1回裏の3打席で、二塁打、三塁打、シングルヒットを打ったが、こちらもサイクルヒットは逃した。その後の4打席は、三振と外野フライ、シングルヒット2本だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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