ゾブリストが史上8人目の「2年続けて異なるチームでワールドチャンピオン」に。前人未到の3年連続は?
シカゴ・カブスが108年ぶりのワールドシリーズ優勝を果たし、シリーズMVPにはベン・ゾブリストが選ばれた。ゾブリストは昨年もカンザスシティ・ロイヤルズで優勝しており、「2年続けて異なるチームでワールドシリーズ優勝」を経験した8人目の選手となった。
アリー・クラークからジェイク・ピービーまでの7人中、「3年続けて異なるチームでワールドシリーズ優勝」に伸ばす可能性があったのは、ビル・スカウロン(ムース・スカウロン)だけだ。5人は移籍せず、ライアン・テリオはどの球団にも所属しないまま、「3年連続」にリーチをかけたシーズンを過ごした。
スカウロンは、1964年の開幕をワシントン・セネタース(現テキサス・レンジャーズ)で迎え、7月にシカゴ・ホワイトソックスへ移った。ホワイトソックスは98勝を挙げたが、ニューヨーク・ヤンキースに1勝及ばず、ワールドシリーズ出場を逃した(当時まだ、地区制は始まっていなかった)。セネタースは100敗を喫した。
もっとも、「3年続けて異なるチームでワールドシリーズ優勝」は皆無ながら、「3年続けて異なるチームでワールドシリーズ出場」を果たした選手は2人いる。ドン・ベイラーは1986~88年に、ボストン・レッドソックス、ミネソタ・ツインズ、オークランド・アスレティックスの選手としてワールドシリーズに出場し、1987年は優勝した。エリック・ヒンスキーは2007~09年に、レッドソックス、タンパベイ・レイズ、ヤンキースの選手としてワールドシリーズの舞台に立ち、2007年と2009年に優勝した。
ゾブリストは、史上初の「3年続けて異なるチームでワールドシリーズ優勝」にも、ベイラーとヒンスキーに並ぶ「3年続けて異なるチームでワールドシリーズ出場」にも、リーチをかけている。
ただ、ゾブリストは来シーズンが4年契約の2年目だ。その契約には、全球団に対するトレード拒否権が含まれている(契約最終年は8球団)。しかも、2016年は35歳にして、キャリアで2番目に高い出塁率.386を記録した。若手のさらなる台頭――次はアルバート・アルモーラJr.か――があっても、ゾブリストは投手と捕手以外のポジションをこなすので、働き場所を失うこともない。来シーズン、カブスがゾブリストを放出することは、まずないだろう。
ちなみに、ヒンスキーは今年、アシスタント打撃コーチとして、ゾブリストとともにワールドシリーズ優勝を味わった。2人は2008年にレイズでプレーし、ワールドシリーズに出場している。第5戦の9回表に代打出場したゾブリストとヒンスキーが続けてアウトになり、このシリーズは終わった。その時も、今年のカブスと同じくジョー・マッドンが監督だった。