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男性の大事なところを守るカップをつけない選手と完全防備の選手―2人はチームメイト

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホアン・ウリベイ(クリーブランド・インディアンス)Apr 15, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

痛っ!! 6月12日の試合で、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)が放った106マイルの打球は、ワンバウンドした後、三塁を守るホアン・ウリベイ(クリーブランド・インディアンス)の股間を直撃した。スポーツ・イラストレイテッドの記事は、当たったところを「ファミリー・ジュエルズ」と表現している。ジュエルは宝石。子宝を授かるのに必要であることを思えば、納得できる言い回しだ。うつ伏せに倒れたウリベイは、カートに乗って退場した。

ウリベイはカップをつけず、プレーしていた。アクシデントの翌日、ファミリー・ジュエルズではなく、インディアンスをカバーしているMLB.comのジョーダン・バスティアンは、こうツイートしている。「ホアン・ウリベイ(睾丸打撲傷)は今日の打撃練習はしないと言った。なぜカップを使わないのか訊ねると、彼は言った:“トレーナーは自分に合うサイズを持っていないと思うんだ” オゥ」WTAM1100のアンドレ・ノットのツイートはこうだ。「ホアン・ウリベイはトレーナーが自分のサイズのカップを持っていないから着用しないんだと今日言っていた…それから彼は真面目な話だと言っていた」

ウリベイがどこまで真面目に言っているのかは、よくわからない。彼はお茶目な選手だ。6月7日の試合で、ファウルフライを追っていったウリベイは、打球がスタンドに入るのを見送った後、最前列の観客が持っていたホットドッグに手を伸ばし、持ち去ろうとするふりをしてから守備位置に戻った。

一方、ウリベイとチームメイトのヤン・ゴームスは完全防備の態勢を整えた。ウリベイは内野手だが、ゴームスは捕手だ。ウリベイがホットドッグに手を出す2イニング前、ゴームスはイ・デホ(シアトル・マリナーズ)のファウルチップを股間に受けて退場し、2試合を欠場した。Yahooスポーツのジェフ・パッサンが、6月15日にこうツイートしている。「ダウンステアーズに当たった後、インディアンスの捕手ヤン・ゴームスはカップを“ザ・ナットシェルズ”というものにアップグレードした。そいつはケプラーで覆われている」ダウンステアーズは直訳すれば階下だが、性器という意味もある。ケプラーは防弾チョッキに使われている素材だ。

パッサンはゴームスのカップについて伝えたのに続いて「別のニュース、ホアン・ウリベイは合うカップがまだ見つからないと言っている。彼は無防備なままでいる」とツイートした。ウリベイはアクシデントから5試合続けて欠場したものの、6月18日の試合で三塁手として出場し、本塁打を含む3安打を放った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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