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プリンス追悼に代えて――彼にちなんだ名前を持つメジャーリーガーなど

宇根夏樹ベースボール・ライター
プリンス(2007年のスーパーボウル)February 4, 2007(写真:ロイター/アフロ)

プリンスのアルバム「パープル・レイン」は1984年にリリースされた。その当時、生まれてきた子供に「プリンス」と名付けた親が多くいたという。データ分析を専門とするサイト、ファイブサーティエイトのアンドルー・フラワーズが発表している。その一人に、プリンス・フィルダー(テキサス・レンジャーズ)がいる。背番号「84」からもわかるとおり、フィルダーは1984年に生まれた(父のセシルが阪神タイガースでプレーするのは5年後だ)。「パープル・レイン」は6月に発売され、フィルダーは5月に生まれているが、このアルバムが出る前からプリンスは人気があった。

一方、フィルダーのチームメイトであるエルビス・アンドゥルースの名前は、エルビス・プレスリーにちなんではいないらしい。アンドゥルースの父はエミリオ、母はエルビア。夫妻は娘と息子3人に、エミリー、エリクソン、エロルド、エルビスと名付けた。6人とも、イニシャルはE.A.だ。

有名人にちなんだ名前を持つメジャーリーガーと言えば、ロビンソン・カノー(シアトル・マリナーズ)がよく知られている。由来は、人種の壁を破ったジャッキー・ロビンソンだ。カノーは現在、背番号「22」を使用しているものの、ニューヨーク・ヤンキース時代にはロビンソンの背番号「42」の左右を入れ替え、背番号「24」のユニフォームを着ていた。背番号「42」は、1997年に全球団の永久欠番となった。マリナーズの「24」はケン・グリフィーJr.のものだ。マリナーズが永久欠番としたのは、殿堂入りが決まった今年1月だが、カノーはマリナーズに入団した際、「24」ではなく「22」を選んだ。

マリナーズが本拠を置くシアトルには、こんな選手もいる。ワシントン大学のソフトボール・チームで投げている背番号「24」は、ケーシー・スタンゲルという。彼女の名前は、ヤンキースをワールドチャンピオンに7度導いた監督、ケーシー・ステンゲルにちなんでいる。スタンゲルの綴りは「Stangel」、ステンゲルは「Stengel」。3番目の「a」と「e」しか違わない。

プリンスの出身地はミネソタ州ミネアポリスだ。ミネソタ・ツインズは、ターゲット・フィールドをパープルにライトアップし、彼の死を悼んだ。球場にはレイン(雨)が降り注いだ。また、ツインズは遠征先のミルウォーキーで勝利を収め、8回表に本塁打を放ったブライアン・ドージャーは「ツインズが勝った。これはプリンスに捧げる!! クラブハウスではリトル・レッド・コルベットが鳴り響いている」とツイートした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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