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ロンゴリアとジマーマン、同じ日に通算200本塁打に到達した2人の共通点

宇根夏樹ベースボール・ライター
ライアン・ジマーマン(ワシントン・ナショナルズ)200号 Sep 2, 2015(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

9月2日は、2人のスラッガーが通算200本塁打に到達した。どちらも、この日は1試合2本塁打。エバン・ロンゴリア(タンパベイ・レイズ)はボルティモア・オリオールズ戦で放った1本目、ライアン・ジマーマン(ワシントン・ナショナルズ)はセントルイス・カーディナルス戦で打った2本目により、それぞれマイルストーンを打ち立てた。

現在はともにサンディエゴ・パドレスでプレーするメルビン(元B.J.)とジャスティンアップトン兄弟は、2012年8月3日に揃って通算100本目の本塁打を記録した。当時、アップトン兄弟は別々のチームにいて、本塁打を打った試合も違ったが、2009年4月13日に揃って通算300本目の本塁打を打ったジャーメイン・ダイポール・コネルコは、チームメイトとして同じ試合で到達しただけでなく、2者連続の本塁打だった。

この2組と比べると、ロンゴリアとジマーマンのつながりは薄いが、それでも、2人にはいくつかの共通点がある。

ロンゴリアは2006年のドラフトでタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)から全体3位指名を受け、そこから球団一筋にキャリアを積み重ねてきた。2008年のメジャーデビューからホット・コーナーを守り続け、本塁打に加え、二塁打(253)や打点(696)などの球団記録も持つ。

ジマーマンはロンゴリアよりも1年早く、ナショナルズから全体4位で指名され、その年の9月にメジャーデビューすると、こちらも移籍することなく過ごしてきた。現在は一塁を守っているが、2013年までは三塁を定位置としていて、本塁打の他に、安打(1404)、二塁打(318)、打点(777)など、ワシントンD.C.移転後の球団記録を保持している(1969~2004年のモントリオール・エクスポズ時代を除く)。近年は、チームにブライス・ハーパースティーブン・ストラスバーグがいることもあって、やや影が薄くなっているものの、ジマーマンもロンゴリアと同じく、紛れもないフランチャイズ・ヒーローだ。

2012年2月に、ジマーマンはナショナルズと延長契約を交わした。その9ヵ月後、ロンゴリアはレイズとの契約を延長した。その年数と総額は、どちらも6年1億ドル(ジマーマンは2014~19年、ロンゴリアは2017~22年)。7年目は球団オプションという点まで揃っている。

メジャーリーガーとしてスタートを切った時期は異なるものの、2人の年齢は1歳しか違わない。今シーズンの本塁打は、ジマーマンが16本、ロンゴリアは17本だ。これからも抜きつ抜かれつつ、本塁打の本数を増やしていってもおかしくない。

ちなみに、イライアス・スポーツ・ビューローによれば、同じ日に通算200本目の本塁打を記録したのは、1990年7月30日のハロルド・ベインズジョージ・ベル、1998年5月3日のデビッド・ジャスティスポール・オニール、2000年4月15日のエドガー・マルティネスジム・トーミー、2006年6月21日のランス・バークマンカール・エベレットに続き、ロンゴリア&ジマーマンが5組目だ。このうち、デュオの年齢差はベインズ&ベルが最も小さいが、通算本塁打に関しては、今もプレーしているロンゴリア&ジマーマンを除くと、ジャスティス&オニールの24本差が最も少ない(305本と281本)。

また、9月3日の時点で、通算本塁打が195本以上200本未満の現役メジャーリーガーは4人いる。マット・ケンプ(パドレス)が199本、ビクター・マルティネス(デトロイト・タイガース)とジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャーズ)は198本、マイケル・カダイヤー(ニューヨーク・メッツ)は197本。さらに、190本以上195本未満は8人。ロンゴリア&ジマーマンに次いで、6組目の同日200本塁打デュオが生まれるのも、そう遠くないかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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