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今シーズンは監督交代の当たり年か。ブルワーズに続いてマーリンズも監督を解任。3人目はあの監督!?

宇根夏樹ベースボール・ライター

マイアミ・マーリンズは5月17日、マイク・レドモンド監督とベンチコーチのロブ・リアリーの解任を発表した。

マーリンズにおいて、シーズン途中の監督交代はそれほど珍しくない。23年間の球団史で6度目のことだ。ただ、これはマーリンズという球団がそうなのではなく、原因はオーナーのジェフリー・ローリアにある。

6度の途中交代のうち4度は、2002年にローリアがオーナーとなってから起きている。1シーズン限りでローリアから解任された監督も2人いる。2006年はジョー・ジラルディ監督(現ニューヨーク・ヤンキース監督)、2012年はオジー・ギーエン監督が、シーズン終了直後に職を追われた。また、ローリアは2001年のシーズン途中にも、モントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)のオーナーとして、フェリペ・アルー監督を解任している。

ローリアがオーナーである限り、回転ドアがクルクルと回るように、今後もマーリンズの監督は入れ替わっていきそうだ。

また、マーリンズの監督交代は、早くも今シーズン2球団目だ。5月初旬にはミルウォーキー・ブルワーズの監督が、ロン・レネキーからクレイグ・カウンセルに代わった。2002年に開幕25試合未満で4球団の監督が交代したのと比べれば、今シーズンのペースはゆっくりしているが、もしかすると、監督交代の当たり年になるかもしれない。

現時点でレネキーとレドモンドに続く候補を挙げるとすれば、ジョン・ギボンズ監督(トロント・ブルージェイズ)、ボブ・メルビン監督(オークランド・アスレティックス)、ウォルト・ワイス監督(コロラド・ロッキーズ)、テリー・フランコーナ監督(クリーブランド・インディアンス)あたりだろうか。候補が多すぎると感じるかもしれないが、メジャーリーグの監督の座は安泰ではない。今後の結果次第では、テリー・コリンズ監督(ニューヨーク・メッツ)も危うそうだ。メッツは開幕20試合で15勝を挙げたが、そこから7勝11敗とスローダウンしている。

ちなみに、2002年はさらに3球団が増え、レギュラーシーズンが終わるまでに7球団の監督が代わった。その後12年間、これほど多くの球団で監督の途中交代が起きたことはなかったが、皆無だったのは2006年のみ。この間の平均は3.2球団で、2010年の途中交代は6球団に達した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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