アレックス・ロドリゲスが今シーズン達成するはずの通算2000打点は、史上4人目なのか3人目なのか
昨日、ここに掲載した「ヤンキースのアレックス・ロドリゲスは、チームの公式ツイッターからも無視されるほどの嫌われ者!?」で、2015年にアレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)が到達しそうなマイルストーンの一つとして「4人目の2000打点までは31点」と書いた。
実は、現時点の「2000打点クラブ(通算2000打点以上の選手)」が3人か2人なのかについては異論がある。どのサイトも、ハンク・アーロンとベーブ・ルースのトップ2は共通しているが、いくつのかのサイトがキャップ・アンソンも2000打点以上としているのに対し、アンソンは2000打点未満とするサイトも複数存在する。
打点は1920年に公式記録となった。アンソンはそれよりも前にプレーした。けれども、理由はそこではない。2000打点以上か未満かの違いはリーグにあり、1871~75年のナショナル・アソシエーション時代を含めるか、1876~97年のナショナル・リーグ(ナ・リーグ)時代だけとするかによって生じている。
また、ルースの打点にもわずかながら差異がある。ルースは1914~35年にプレーしており、通算22年間のうち、ボストン・レッドソックス時代の1914~19年は、打点が公式記録になる前だった。だが、こちらもそれが理由ではない。
ルースの打点については、SABR(アメリカ野球学会)のハーム・クラッベンホフトが、2013年に「ベーブ・ルースの正確な打点記録」と題した調査結果を発表している。それによると、MLB.com(公式サイト)は22シーズン中16シーズンの打点を間違っていて、実際のところ、ルースは通算2214打点を挙げたという。また、クラッベンホフトに従えば、1928年のア・リーグ打点王はルースとルー・ゲーリッグの2人ではなく、ゲーリッグのみとなる。
こういった違いは打点に限らない。例えば、4256安打のピート・ローズに次いで多いタイ・カッブの安打数は、サイトによって4189本や4191本だったりする。
ただ、違いがあっても、それらの数字が大きいものであることに変わりはない。薬物を使用したロドリゲスらの数字をどう評価するかには一考の余地があるが、薬物だけであれほどの数字は残せないはずだ。