今月の住宅ローン金利情報(2021年3月) フラット35や全期間固定は先月に続き上昇!

「飼い主さん、金利の動向がどうこう言ってたワン」「僕はご飯の方が気になるワン」(写真:アフロ)

2021年3月の住宅ローン金利は、変動金利は変わらず、固定10年や全期間固定(35年)などは上げました。今後もしばらく、米国の長期金利上昇の影響や、日銀の金融政策の行方などが気になります。

*コラム内の住宅ローン金利は、一般団体信用生命保険(死亡・高度障害時)の保障コストを含む表示で統一しています。

■2021年3月の住宅ローン金利サマリー

今月の住宅ローン金利の全体的な傾向は、次の通りです。

・変動金利は動きなし

・固定10年は多くが上昇

・フラット35の最多金利上げ

・全期間固定(35年)もほとんどが上げ

■気になる3月の金融政策決定会合

現在、日銀の金融政策決定会合で、「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策」がとられています。これにより、住宅ローンへの影響として、「無担保コールレート(オーバーナイト物)」がマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年国債の金利が0%程度(±0.2%)に誘導されます。

2月は日銀の金融政策決定会合の開催がない月です。次は3月18・19日に予定されており、金融政策に変更があるのかどうか、注目されています。

2月後半以降、米国の長期金利の上昇につられる形で日本の金利も上昇しました。固定10年やフラット35、全期間固定が上昇したのはその影響です。長期金利の指標となる10年国債の金利の変動幅を±0.2%から広げるのではという憶測まで飛び交いました。

しかし、3月5日(金)、日銀の黒田東彦総裁は、衆議院の財務金融委員会で「長期金利の変動幅を拡大することが必要とは考えていない。米国の長期金利が上昇するとしても、日本の長期金利を低位で安定させることが重要な状況であることに変わりはない」などと述べ(日本経済新聞)、この発言に反応して長期金利は一時急落しました。

米欧が国債買入れを減速させる中、本当に日本だけがこれまでの金融緩和を続けるのかが気になります。「ステルス・テーパリング*」なる言葉も耳にするようになってきました。住宅ローンはそろそろ固定金利で考える時期かもしれません。

いずれにしても、長期金利に影響する金融政策に変更がないか、しばらく要注目です。

*中央銀行が正式表明をせず、ひそかに金融緩和の縮小を行うこと。

■長期金利の動きは?

参考まで、10年固定や全期間固定に影響する10年国債の月末時点の利回りの推移は下記の通り。

<10年国債の利回り(月末時点)>

R2.3.31  0.031

R2.4.30  -0.036

R2.5.29  0.009

R2.6.30  0.042

R2.7.31  0.018

R2.8.31  0.056

R2.9.30  0.027

R2.10.30 0.041

R2.11.30 0.034

R2.12.30 0.035

R3.1.29  0.056

R3.2.26  0.168

(財務省データより)

2月末は1月末に比べ0.112%も上がっており、この影響で、全期間固定(35年)の金利が上がりました。10年固定も多くが上昇しましたが、金融機関の戦略や、あるいはもともと高く設定していたところなどは上げなかったところもありました。

フラット35については、金利がほぼ決まるのは前月中旬頃ですが、2月中旬の長期金利は0.083%(2月15日)で、1月中旬の0.033%(1月15日)と比べて上がったことから、上昇したと考えられます。

■「新規で借りる」住宅ローン

ここからは、実際の商品の金利を見ていきます。以下は、2021年3月現在の金利タイプごとに金利が低い注目商品をピックアップしたものです。

実際には、金利だけでなく、総返済額や団体信用生命保険(団信)など付帯サービスで比較して、最終的に選択するようにしましょう。団信とは、契約者が万が一、死亡・高度障害になったときに、残債が保険で支払われる保障です。これに、就業不能時やがんなど特定疾病、自然災害時の特約などが付いている住宅ローンもあり、特約付きは無料と有料(金利上乗せまたは別途保険料)があります。

なお、コラム内では金利のほか、保証料と事務手数料、無料で特別な団信がついている場合について併記しています。

まずは変動金利。ジャパンネット銀行が2019年7月末に参入以来、最低金利を維持し続けています。

<変動金利>

・ジャパンネット銀行「住宅ローン」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)*商品はジャパンネット銀行のもの(キャッシュバックあり)

・auじぶん銀行「住宅ローン全期間引下げプラン変動」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障+入院保障団信無料

・SBIマネープラザ「ミスター住宅ローンREAL<通期引下げプラン>」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*全疾病保障団信無料

続いて10年固定。数カ月間、auじぶん銀行とジャパンネット銀行が最低金利競争を繰り広げていましたが、12月に決着。2月もジャパンネット銀行が最低金利を維持しています。auじぶん銀行はグループ内のサービス利用による割引など、別の戦略に出始めた感があります。

なお、10年固定は金利を上げたところも多い中、下記は上げませんでした。

<10年固定>

・ジャパンネット銀行「住宅ローン固定10年」0.499%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン」0.499%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)*商品はジャパンネット銀行のもの(キャッシュバックあり)

・auじぶん銀行「住宅ローン当初期間引下げプラン」0.525%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障団信無料

全期間固定(35年)は、全面的に上がりました。フラット35は、最多金利で先月に続き0.03%上げました。フラット35のうち、物件が所定の条件をクリアすれば、0.25%の金利優遇を10年間または5年間受けられるのが「フラット35S(Aプラン、Bプラン)」です。

比較しやすいよう、一般的な団信に加入した場合の金利表示で統一しています。

<全期間固定>(自己資金50%以上)

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット5S【自己資金50%以上】」0.870%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.120%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

<全期間固定>(自己資金40%以上)

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット6S【自己資金40%以上】」0.900%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.150%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

<全期間固定>(自己資金20%以上)

・住信SBIネット銀行「フラット35S(保証型)【自己資金20%以上】」0.960%(Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.210%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%、団信無料》*全疾病保障団信無料

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット8S【自己資金20%以上】」1.000%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.250%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

<全期間固定>(自己資金10%以上)

・住信SBIネット銀行「フラット35S(保証型)【自己資金10%以上】」1.020%(Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.270%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%、団信無料》*全疾病保障団信無料

・ARUHI「ARUHIスーパーフラット9S【自己資金10%以上】」1.050%(保証型、団信0.280%含む。Aプランは10年、Bプランは5年経過後は1.320%)《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

【参照】フラット35の金利表示に注意

■借り換えるときの住宅ローン

借り換えをする場合の住宅ローンの金利も見ておきましょう。

まず、変動金利ですが、新規借り入れ同様、ジャパンネット銀行が最低金利を維持しています。

<変動金利>

・ジャパンネット銀行「住宅ローン(借り換え)」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン」0.380%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)*商品はジャパンネット銀行のもの(キャッシュバックあり)

・auじぶん銀行「住宅ローン全期間引下げプラン(借り換え)」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障+入院保障団信無料

・住信SBIネット銀行「ネット専用全疾病保障付住宅ローン(借り換え)<通期引下げプラン> 変動」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*全疾病保障団信無料

・SBIマネープラザ「ミスター住宅ローンREAL(借り換え)<通期引下げプラン>」0.410%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*全疾病保障団信無料

続いて10年固定。新規借り入れ同様、auじぶん銀行とジャパンネット銀行の最低金利バトルは、12月に並んだのち、1月にジャパンネット銀行が大きく下げたことで決着。10年固定は金利を上げたところも多い中、下記は上げませんでした。

<10年固定>

・ジャパンネット銀行「住宅ローン(借り換え)固定10年」0.499%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)

・Yahoo! JAPAN「ヤフーの住宅ローン(借り換え)固定10年」0.499%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん先進医療給付金付き団信無料(51歳未満)*商品はジャパンネット銀行のもの(キャッシュバックあり)

・auじぶん銀行「住宅ローン当初期間引下げプラン(借り換え)固定10年」0.525%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん50%保障団信無料

変動金利で借りている人が10年固定にするには、現在借りている住宅ローンに特約を設定することでも切り替えが可能です。借り換えの場合は手数料もかかるので、どちらが有利になるか、比較をして決めるといいでしょう。

借り換えで全期間固定を利用する際には、住宅ローンの残存期間によって選ぶべき住宅ローンは異なります。ちなみに、借り換えで利用できるフラット35もありますが、新規のときのような一定期間の金利優遇(「フラット35S」)はありません。

<全期間固定>(例:残存31~35年)

・常陽銀行「めぶき de かりかえ(ネット申込専用住宅ローン)全期間完全固定(~35年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん団信無料

・みずほ銀行「みずほネット借り換え住宅ローン(全期間固定プラン)」(31~35年)1.140~1.240%《保証料あり、電子契約手数料5,500円、固定金利手数料11,000円、保証事務手数料33,000円》

<全期間固定>(例:残存26~30年)

・三井住友信託銀行「住宅ローン<リレープランフレックス>(借り換え)【当初期間金利引下げ】保証料型 固定30年」1.070%《保証料あり、保証事務手数料33,000円》

・常陽銀行「めぶき de かりかえ(ネット申込専用住宅ローン)全期間完全固定(~35年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん団信無料

<全期間固定>(例:残存21~25年)

・三井住友信託銀行「住宅ローン<リレープランフレックス>(借り換え)【当初期間金利引下げ】保証料型」1.070%《保証料あり、保証事務手数料33,000円》

・みずほ銀行「みずほネット借り換え住宅ローン(全期間固定プラン)」(21~25年)1.090~1.190%《保証料あり、電子契約手数料5,500円、固定金利手数料11,000円、保証事務手数料33,000円》

・常陽銀行「めぶき de かりかえ(ネット申込専用住宅ローン)全期間完全固定(~35年)」1.100%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》*がん団信無料

<全期間固定>(例:残存16~20年)

・りそな銀行「りそな借りかえローン WEB申込限定プラン(金利プラン当初型) 固定20年」0.995%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%、保証事務手数料33,000円》

・auじぶん銀行「住宅ローン 当初期間引下げプラン(借り換え) 固定20年」0.995%《保証料なし、事務手数料=借入額の2.2%》

借り換えの場合は、残っている期間と選ぶ金利タイプによって有利な商品が異なりますので、きちんと試算をして選択しましょう。

なお、現在変動金利で借りていてすべてを固定金利にしたい場合は、借り換えが有効ですが、例えば残存期間があと23年ある場合、現在借りている住宅ローンに特約で20年固定にする方法もあります。残り3年は変動金利になりますが、残債が小さければ金利が上がっていても影響を抑えられます。借り換え手数料も含めて試算し、有利な方を選びましょう。

また、やはり借り換えを希望する場合、本来、現在借りている金融機関でより有利な住宅ローンがあっても借り換えはできないのですが、条件によっては可能な場合もあります(要交渉)。他の金融機関への借り換えだけでなく、今の金融機関での借り換え(条件変更)も候補として検討するといいでしょう。

■複数の商品で試算・比較を!

注目の住宅ローンとその金利を見てきましたが、紹介したのは金利面に重点を置いた商品です。金利だけでは住宅ローンを選ぶことはできません。最近は団信の保障内容も注目されるようになってきました。

また、金利を含む総返済額のほか、保証料や事務手数料、団信のコストも含めたトータルコストで比較することも重要。新規で借りる場合も、借り換えの場合も、複数を比較してより有利な商品を選ぶようにしましょう。

コロナ禍による家計への影響が、今後、本格化する可能性があります。住宅ローンの見直しをはじめ、思い切った家計見直しなど、できることはやっておきたいものですね。

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【参照】

FPラウンジ 住宅ローン金利情報

カカクコム 住宅ローン金利比較