トレンドワード入りした「リボ払いセクハラ」。やっぱりリボ払いはNO!な理由

リボるは一時の快。リボらざるは一生のトク。(写真:アフロ)

ちょうど学生にローンやクレジットカードの授業をした日に、耳に入ってきた「リボ払いセクハラ」。親切心があだになった話のようですが、それでもやっぱり、リボ払いはNO!です。

■リボ払いセクハラ!?

数日前、ツイッターで話題になった「リボ払いセクハラ」。

何のことやらと思ったら、リボ払いにはまりそうな女性社員にその恐ろしさを伝えようとした男性が、私生活に口を出されたと上司に報告され、セクハラとして注意されたというつぶやきでした。

これがセクハラ扱いになることが妥当なのかどうかは専門外なのでわかりませんし、他の要因があったのかどうかなどもわかりません。しかし、言葉通りに読めば、お気の毒…としかいいようがなく。

でも確実に言えるのは、リボ払いにはまるのは危険だということ。男性と同じ立場だったら、私もリボ払いのしくみやデメリットを伝えようとするはずです。

■リボ払いとは?

リボ払い(リボルビング払い)は、毎月の返済額が一定額に固定されるクレジットカードの支払い方です。残高に関係なく定額払いの「定額方式」のほか、残高が増えると支払額が増える「残高スライド方式」などがあります。

定額方式で「毎月2万円」と設定したら、残高がいくらあっても返済は毎月2万円+金利(手数料)。利用件数や利用残高に関係なく元金返済が定額のため、残高が多いほど、完済までの期間が長いほど、金利(手数料)はかさみます。

月々の返済額が小さくて済む反面、残高がなかなか減らないのは大きなデメリットです。次のショッピングなどをしても、返済額が変わらず毎月の返済がラクに感じてしまうため、しくみを理解して意識していないと、残高がどんどん膨れ上がってしまうことも。金利(手数料)が12~15%程度と高い分、完済までの期間が長くなるほど、総返済額は膨らんでいきます。

似た返済方法に「分割払い」があります。金利(手数料)が高いのは同じですが、こちらは返済回数を自分で選べます。最初に回数が決まっているためゴールが見えます。すでに分割払いを行っていて、さらに2件目のショッピングで分割払いをすれば、返済額は2件分になり、使った重みを実感することになります。1件目も2件目もそれ以降も元金の返済額が変わらないリボ払いと、大きく異なる点です。

■試算してみよう

クレジットカードのサイトの多くで、リボ払いの返済額のシミュレーションができるようになっています。1度試算して、返済総額を見てみると、リボ払いの負担額がわかります。

Q1・2020年8月1日にショッピングリボで30万円使い、月1万円の定額払いにしました。支払いはいつ終わり、総返済額はいくらでしょう?(金利15%。以下同)

支払い回数:30回

支払い完了:2023年2月

支払い総額:354,318円(金利54,318円)

完済まで2年半かかって、金利(手数料)も5万円超。元金の2割弱の金利(手数料)を支払うことになります。

Q2・ショッピングリボで30万円使い、月5,000円の定額払いにした場合は?

支払い回数:60回

支払い完了:2025年8月

支払い総額:410,540円(金利110,540円)

完済まで5年かかり、金利(手数料)が11万円。最初借りた額は30万円ですから、4割近いとんでもない金利(手数料)ですね。でも、月5000円+αの返済額だと、実感はないかもしれません。

画像

(画像は日本クレジットカード協会サイトより)

上記シミュレーションは日本クレジットカード協会のサイトで行いました。実際には、微妙に支払い方や金利(手数料)が異なるので、自分が利用しているクレジットカードのサイトで行いましょう。

■リボ払いがNO!な理由

リボ払いがNOな理由としては、いくつかあります。

・感覚をマヒさせやすいしくみ

借り入れをしたのに家計への負担が軽くて済むことから、超高金利の借金であることを忘れがちになり、多用してしまう(はまってしまう)人がいます。

・甘い誘惑で誘導される?

リボ払いをするとポイント〇倍など、キャンペーン情報が飛び交います。リボ払いのしくみをよく理解していない若者などが誘導されがちです。なので、あえてNO!と伝えています。

・超高金利すぎ!

最大の問題がこれ。世の中がマイナス金利で超低金利になっているなか、リボ払いやキャッシングなどの金利は相変わらず超高金利です。他の金利と並べてみるとその異常な高さがわかります。

普通預金:0.001% (みずほ銀行) 

定期預金:0.002% (みずほ銀行、1~10年定期)

日本学生支援機構第2種奨学金:0.005%(利率見直し)、0.163%(利率固定)

住宅ローン(変動金利):0.380%(ジャパンネット銀行)

住宅ローン(固定金利):1.30%(2020年7月のフラット35最多金利)

クレジットカード 分割・リボ払い:12~15%、キャッシング:15~18%

15%が仮に3%であったなら、前出のQ1は30回で金利は10,853円、Q2は60回で22,084円となり、まだ今の感覚に合う気がします(あくまでも個人的感想です)。マイナス金利のさなか、市中金利との格差が大きすぎるまま放置されているのは、大いに疑問です。利息制限法の見直しなども必要なのではないでしょうか。

学生には普通預金の15,000倍の超高い金利の借入をどう思いますか?と聞くことがあります。どんなに便利でも、「利用したい」とはならないはずです。

・リボ払いデフォルトのカードで目にしたトラブル

クレジットカードを作ると、支払い方法がデフォルトでリボ払いになっているカードもあります。発行後、設定を変える手続きをしない限り、意図せずリボ払いが続いてしまいます。店頭で、「知らなかった」ともめているらしい様子を目にしたことがあります。その時は60~70代くらいの女性の方でした。

■未来の自分へツケではなく仕送りを

金融教育セミナーなどで、クレジットカードで買い物をすることは「借金」だと説明すると、子どもたちは一様に驚きます。リボ払いについても、CMのイメージなどからデメリットが想像できていないようで、しくみを説明したり試算例を見せると驚く学生もいます。金融教育の必要性を常に感じます。

一方で、前述のように金利(手数料)が高すぎる問題も厳然とあります。「リボ払いのメリットは、毎月の返済が一定で家計の負担にならないことです」といった表記を見かけますが、今の超高金利のままではうなずけません。

学生や子供たちには、「貯めて使う」習慣づけを伝えています。未来の自分へ、ツケではなく仕送りができるように、と。

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