日本を代表する高級料理

日本を代表する高級料理として、懐石、天麩羅、鉄板焼、寿司を挙げて異論がある人はいないでしょう。

この懐石、天麩羅、鉄板焼、寿司を一度に楽しめる貴重な機会として、ザ・キャピトルホテル 東急の日本料理「水簾」で行われた「水彩の余韻」を昨年紹介しました。

「水彩の余韻」はザ・キャピトルホテル 東急の開業10周年を記念して生み出された特別コース。周遊形式で懐石、天麩羅、鉄板焼、寿司を回ります。三密を避けて「新しい生活様式」に十分配慮し、安心して美食を堪能できる内容となっていました。

この画期的なプランは前例のないもので、利用したゲストからの満足度が非常に高く、また開催してほしいという声が多数。そのため、昨年1ヶ月間だけの開催予定でしたが、今年も実施するに至りました。

今年の「水彩の余韻」

ザ・キャピトルホテル 東急の日本料理「水簾」 (C) 東龍
ザ・キャピトルホテル 東急の日本料理「水簾」 (C) 東龍

今年の「水彩の余韻」は2021年10月の日曜日5日間だけ開催され、3日前までの完全予約制。1部目は17時から、2部目は18時から、3部目は19時から、各部1組2人から4人と、少人数で行われます。

周遊する順路は、最初に特別個室「月」で懐石の前菜、その後は天麩羅、鉄板焼、寿司のカウンターを回り、最後にホール席でデザートを楽しむといった流れ。たった一晩で懐石、天麩羅、鉄板焼、寿司を堪能することなど、人生においてまずないでしょう。1組につき1名の専用スタッフがアテンドし案内してくれるのも、大きな特徴です。

具体的な内容は次の通り。

周遊形式のディナーコース「水彩の余韻」(82,225円、税・サ込)

・懐石

蟹身 キャビア/鯛燻製サラダ/自家製唐墨

・天麩羅

活け車海老/雲丹大葉巻/鱚/松茸/アボカド生ハム巻

・鉄板焼

国産黒鮑/神戸牛フィレ

・寿司

本鮪/尼鯛昆布〆/のど黒/穴子/毛蟹

・デザート

水菓子

自家製カラスミ、カニ、キャビア、クルマエビ、ウニ、マツタケ、クロアワビ、神戸ビーフ、ホンマグロ、ノドグロ、ケガニと、食材を眺めるだけでも豪華絢爛なコースであることがわかります。

しかも、それぞれが専門の職人によって一級の料理に紡ぎ出されるとあれば、至極のコースであることは間違いがありません。

では、それぞれのメニューを詳しく紹介していきましょう。

懐石

最初に案内されるのは専用エレベーターでアクセスする特別個室「月」。懐石の前菜を味わいながら、アテンドしてくれる専用スタッフが周遊の流れを説明してくれます。

懐石の前菜 (C) 東龍
懐石の前菜 (C) 東龍

日本料理「水簾」板長である柘植実氏による3品は次の通り。タイの燻製を生ハムに見立てたサラダは大葉ドレッシングでさっぱりと仕上げられています。長崎県のカラスミと卵黄の醤油漬けには、蟹身とフランス産キャビアが載せられ、見た目も味わいも豊かに。舟型の器にはカラスミを練り込んだアオリイカとスライスしたマツタケが盛られ、季節の訪れが感じられます。

天麩羅

天麩羅のネタ箱 (C) 東龍
天麩羅のネタ箱 (C) 東龍

次は天麩羅カウンターに移動。2017年にできたカウンターで、4席限定というエクスクルーシブ感溢れる一角。通常の営業でも1組だけの利用になっているので、他のゲストと一緒になることはありません。

天麩羅の職人は髙石進一氏。薬味のカレー塩は高石氏が自ら「水彩の余韻」のためだけに調合したというこだわりのコンディメント。カレー粉に四万十川の海苔と鹿児島県のゴマが合わせられており、食欲がかき立てられます。太白胡麻油で揚げられた天麩羅はどれも香り高いです。

アボカド生ハム巻 (C) 東龍
アボカド生ハム巻 (C) 東龍

「アボカド生ハム巻」はアボカドに生ハムが巻かれていて、アボカドの口溶け感と生ハムの塩味が抜群の相性。

雲丹大葉巻 (C) 東龍
雲丹大葉巻 (C) 東龍

「雲丹大葉巻」は、北海道産ウニを包み込んだ大葉を手に持って揚げるという職人技の逸品。海苔を用いた磯辺揚げとは異なり、大葉が邪魔をせず、ウニだけの香りが残るので、ウニの風味を存分に賞味できます。

鉄板焼

鉄板焼の食材 (C) 東龍
鉄板焼の食材 (C) 東龍

鉄板焼カウンターでは、通常であれば、コースの目玉である魚介料理と肉料理だけを味わえるという贅沢な内容。鉄板焼の職人は庄子俊也氏が務めます。

黒鮑 (C) 東龍
黒鮑 (C) 東龍

千葉県のクロアワビは250グラムもあってボリュームたっぷり。肝を用いたソースは旨味と苦味が凝縮されており、添えられたスダチの酸味によって軽やかになります。

コンディメントのワサビとホースラディッシュ (C) 東龍
コンディメントのワサビとホースラディッシュ (C) 東龍

コンディメントは、目の前ですり下ろしたホースラディッシュと静岡県の天城ワサビ、淡路の藻塩、ヒマラヤ岩塩。

神戸牛フィレ (C) 東龍
神戸牛フィレ (C) 東龍

神戸ビーフのフィレ肉はしっとりとやわらかく、旨味がたっぷりなので、フレッシュで繊細なホースラディッシュや天城ワサビがよく合います。テーブルウェアはフランスのリモージュの名門であるアビランド。

寿司

寿司のネタ箱 (C) 東龍
寿司のネタ箱 (C) 東龍

最後の〆となるのは、中島紀行氏が握る寿司。天麩羅カウンターと同じヒノキがカウンターに用いられており、こちらは一枚板です。赤酢の赤シャリと米酢の白シャリが使い分けられています。

毛蟹 (C) 東龍
毛蟹 (C) 東龍

山口県アマダイの昆布〆には赤シャリが合わせられ、上には梅干しと揚げたアマダイの皮が載せられ、酸味とテクスチャに変化を。ケガニは白シャリで提供され、上には土佐酢ジュレと能登半島の竹炭塩。蟹身の旨味を引き立てる組み合わせといってよいでしょう。

本鮪 (C) 東龍
本鮪 (C) 東龍

ホンマグロには包丁を入れて表面積を増やし、常温で脂が溶けてちょうどよい脂の状態に。口の中に入れると、まるで氷菓のように甘く口どけます。

食材がより豪華に

天麩羅の松茸 (C) 東龍
天麩羅の松茸 (C) 東龍

ここまで見てきたように、とても豪華な周遊コースですが、昨年からどのような点が新しくなったのでしょうか。

まず食材がより豪華になっているのが特筆するべきところです。前菜の懐石には蟹身、天麩羅にはマツタケ、鉄板焼には神戸ビーフ、寿司にはアマダイ、ノドグロ、ケガニが新しく用いられています。このどれもが高級食材であり、特に神戸ビーフが大きく原価を押し上げていることでしょう。神戸ビーフのフィレ肉であれば、最低でも100グラムあたり5,000円はします。

寿司ののど黒 (C) 東龍
寿司ののど黒 (C) 東龍

こういった高級食材が新たに惜しげもなく使用されており、昨年よりも豪華になっていることは疑いようがありません。

懐石、天麩羅、鉄板焼、寿司を日本料理「水簾」のような一流店の個室で食べるとなれば、それぞれ2万円を軽く超えます。そう考えれば、「水彩の余韻」の値段は非常に良心的であるといってよいでしょう。

デザートも臨場感たっぷりに

デザートはゲリドンサービス (C) 東龍
デザートはゲリドンサービス (C) 東龍

天麩羅、鉄板焼、寿司とどれもカウンターとなっており、すぐ目の前で調理してもらえます。その後にホール席へ移動して、最後のデザートが提供。昨年であれば、旬のフルーツ盛り合わせでしたが、今年は最後のデザートまで目の前で調理されるようになりました。

モモのフランベ (C) 東龍
モモのフランベ (C) 東龍

今ではかなり希少となっているゲリドンサービス(ワゴンサービス)を行い、ゲストの前で旬のフルーツをフランベするようになったのです。旬のフルーツがフランベして提供されるので、優美な甘い香りが漂います。

オリジナルハーブティーをブレンド

オリジナルハーブティーのブレンド (C) 東龍
オリジナルハーブティーのブレンド (C) 東龍

このデザートに合わせられているのがオリジナルハーブティー「水彩の余韻」です。カモミール、ペパーミント、ワイルドベリーをブレンドしたハーブティーで、目の前でブレンドされ、カラフェで供されます。

深川製磁で供されたハーブティー
深川製磁で供されたハーブティー

カップとソーサーは有田焼の名門、深川製磁。最後の最後までパフォーマンスが楽しめ、美しいテーブルウェアでお茶を味わえるのは嬉しいことです。

メニューに直筆サイン

特別個室「月」には、メニューが置かれています。全ての料理が記載されていますが、ここに板長と3人の職人による直筆サインも記されるようになったのです。

「字は体を表す」といわれるように、字を見れば、その人のことが何となくでも伝わってくるもの。4人の料理人の直筆サインとメニューを見ながら、目の前でどのような人がどのように料理をつくってくれるのかと、想像を巡らせるのも粋なことです。

直筆サインが記されていることによって、ただ単に豪華な食事を味わうだけではなく、奥行きのある食体験に昇華されているといっても過言ではありません。

実際に直筆サインを見て感じてもらいたいので、写真を掲載するのはやめておきましょう。

開催日の増加

「水彩の余韻」は日曜日にだけ開催されています。昨年は10月4日が1週目の日曜日だったのでのべ4日間でしたが、今年は10月3日が1週目の日曜日なので全部で5日間。それぞれ3部となっており、1部1組4人までというのは同じです。

女将の茂田奈菜氏いわく「昨年はスケジュールを組むのが大変だった」というほど人気のプランなので、予約できなかったゲストも少なくありませんでした。今年は開催日が1日増えたので、3組多く体験できることになります。

コロナ禍の中でも安心安全な食体験を

ザ・キャピトルホテル 東急 (C) 東龍
ザ・キャピトルホテル 東急 (C) 東龍

ここまで今年の「水彩の余韻」について紹介してきましたが、総支配人の末吉孝弘氏は、こういいます。

「当ホテルには個性が豊かで腕のよい料理人がたくさんいる。この料理人たちが腕をふるった料理を一度に楽しんでいただける貴重な機会なので、是非ともご利用いただきたい。今回の『水彩の余韻』はゲストの心に残るようにつくりあげたつもりだが、これに限らず今後も食を大切にしていきたいと考えている」

新型コロナウイルスの感染がいまだ収束しない状況にあって、レストランで素晴らしい時間を過ごすことが控えられています。しかし、「水彩の余韻」であれば、三密にならず、安心安全に懐石、天麩羅、鉄板焼、寿司、そしてデザートまでを心ゆくまで堪能できるので、食を通じた大切な会などに是非とも利用してください。

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