1954年大阪生まれ。京都大学総合人間学部教授、同大学院理学研究科教授、東京大学海洋研究所教授、海洋研究開発機構プログラムディレクター、神戸大学海洋底探査センター教授などを経て2021年4月から現職。水惑星地球の進化や超巨大噴火のメカニズムを「マグマ学」の視点で考えている。日本地質学会賞、日本火山学会賞、米国地球物理学連合ボーエン賞、井植文化賞などを受賞。主な一般向け著書に、『地球の中心で何が起きているのか』『富士山大噴火と阿蘇山大爆発』(幻冬舎新書)、『地震と噴火は必ず起こる』(新潮選書)、『なぜ地球だけに陸と海があるのか』『和食はなぜ美味しい –日本列島の贈り物』(岩波書店)がある。
記事一覧
- 首都圏でも10cmの降灰で日常生活が破綻:桜島(姶良)火山で2万8000年前に起きた超巨大噴火
日常的に爆発的噴火を繰り返し、大規模噴火が切迫した状況にあると言われる桜島火山は、2万8000年前に超巨大噴火を起こした。南九州のほぼ全域が火砕流で覆われ、関東地方にも10cm超の降灰をもたらした。
- 桜島、日常的な火山活動で噴火警戒レベル5に混乱も ーただ、いつ大規模噴火が起きてもおかしくない
7月24日に鹿児島県桜島で爆発的噴火が発生し気象庁は噴火警戒レベルを最高の「5」に引き上げた。現在は警戒レベルは「3」に下がったが、桜島の地下には大規模噴火を引き起こすに十分なマグマが蓄えられている。
- トンガ海底火山噴火:海域火山が多く存在する日本でも起こりうる「火山津波」、理解と備えを
南太平洋トンガの海底火山で15日に起きた大規模噴火で、8000km離れた日本でも1m超の津波を観測した。日本には海底火山も多く、これらが噴火すれば「火山津波」や火山灰・軽石による大被害も起こりうる。
- 「日本沈没」は始まっている:(2) マントルの流れで九州が分裂
テレビドラマ「日本沈没―希望のひとー」が12月12日に終了。科学的に日本列島全体が沈没することはありえないが、実は今、中部九州で断裂が起きて地盤が沈み、海峡ができようとしている。その実態に迫る。
- 「日本沈没」は始まっている:(1) 中部地方が沈没して本州が2つの島に?
テレビドラマ「日本沈没―希望のひとー」が12月12日で最終回。科学的に日本列島全体が沈没することはありえないが、実は今、沈没が進行している地域がある。その一つが「中部沈没帯」だ。その実態に迫る。
- 山梨県で震度5弱、富士五湖近くの地震は富士山噴火を誘発するか?
12月3日、山梨県富士五湖の地下を震源とするM4.8の地震が発生し最大震度5弱を観測した。この地震がなぜ起きたのか? また、心配される富士山の大規模噴火に繋がる可能性は?
- 「日本沈没」は決してフィクションじゃない!? 田所博士に教えたい日本列島のヒミツ
テレビドラマ「日本沈没―希望のひとー」が話題だ。小松左京原作のオリジナルとは異なり地球温暖化が引き金と言う設定だが、そもそも日本沈没は起こりうるのか?最新研究に基づいて日本沈没のメカニズムを科学する。
- 阿蘇山が噴火:相次ぐ火山活動と地震、日本列島は活動期に入ったのか?
熊本県の阿蘇山が20日噴火した。今年は九州〜南西諸島、小笠原諸島などで火山噴火が相次ぎ、関東・東北地方それに能登半島や和歌山でも震度5弱以上の地震が発生した。日本列島は活動期に入ったのか?
- トカラ列島近海、4日間で200回超の地震が発生:南海トラフ地震や火山噴火との関係は?
鹿児島県トカラ列島近海では4月9日から地震が相次ぎ、12日には200回を超えた。気象庁も警戒を呼びかける中、南海トラフ地震や巨大噴火の前兆かと心配する向きもある。この群発地震の謎に迫る。
- 拡大を続ける西之島(2):ウナギやアナゴとの素敵な関係
西之島が活発な噴火を続けることで、国土が拡大している。そしてこの一帯の火山活動は、他にも私たちに素敵な恩恵を与えてくれている。国民食とも言われるウナギにアナゴだ。西之島との密接な関係を紐解く。
- 拡大を続ける西之島(1):その3000万年の成長史
新型コロナウィルスの蔓延で国内が騒然としてる最中、首都東京から約930 kmの南方海上では、西之島がどんどん拡大を続けている。この活発な活動の背景には、3000万年に及ぶ大激動の歴史がある。
- 大阪府北部地震から2年: 忘れるべからず、近畿地方は「直下型地震の巣」
6名の尊い命を奪い、大都市の交通やライフラインの脆弱さを露見させた大阪府北部地震から2年。「大阪は地震が少ない」ことは断じてない。むしろ近畿地方は直下型地震の密集域。覚悟を持った備えが必要だ。
- 地震大国の日本 地震予知は本当にできるのか?
「想定外」の悲劇を引き起こした東北太平洋沖地震から9年。南海トラフ巨大地震、首都直下地震の切迫度は上がっている。一方で、地震予知、地震予測など紛らわしい表現が溢れる。果たして、地震予知は可能なのか?
- 瀬戸内海は日本有数の「直下型地震多発地帯」
中央構造線の活動のせいで「瀬戸」と「灘」が繰り返す瀬戸内海。穏やかな海の下には活断層が密集している。一方この活発な地殻変動のおかげで、「鳴門の渦潮」や美味しい魚を楽しむことができる。
- 大断層「中央構造線」の活動が豊かな瀬戸内海を造った
風光明媚で豊かな生態系を育む瀬戸内海。この内海の形成には、日本最大の活断層「中央構造線」が重要な役割を果たした。断層の動きよって、その北側にシワが寄るように沈降域と隆起域が造られたのだ。
- 300万年前にフィリピン海プレートが大方向転換:これが東日本大震災(太平洋東北沖地震)の元凶か?
3・11超巨大地震。太平洋プレートの運動よってひずみの蓄積した陸側プレートが跳ね上がったとされている。しかしこの状況を作り出した根本的な原因は、西日本へ沈み込むフィリピン海プレートにある。
- 富士山はなぜ日本一高いのか:巨大火山が並ぶ富士火山帯
日本の最高峰富士山。その体積は約550立方キロメートル、東京湾をほぼ埋め尽くす大きさだ。なぜ富士山はこれほど大きいのか?その秘密は南へ伸びる富士火山帯の地下にあった。
- 恐竜絶滅を引き起こした「隕石の冬」と「火山の冬」
今から約2億年前のジュラ紀初頭からこの地球に君臨し続けた恐竜は、6600万年前に忽然と姿を消した。恐竜絶滅の原因は、隕石衝突と巨大火山活動の連動が引き起こした寒冷化だった。
- フィリピン・タール火山の噴火:深刻な被害をもたらす「火山の冬」は到来するのか
タール火山の噴火は現時点では小康状態だが、大規模な地殻変動も観測されるなど、大規模噴火の発生も否定できない。その場合は火山噴火による全球的な寒冷化「火山の冬」が到来する可能性もある。
- 世界第一級の活断層「中央構造線」:300万年前に活動を再開し香川をうどん県にした
香川といえば讃岐うどん。もちもちした食感がたまらないこの食の誕生には、瀬戸内海産の塩といりこの存在に加えて、日本最大の断層帯「中央構造線」の活動が大きく関わっている。
- 浅間山が噴火 1783年に火砕流で約1500人死亡、天明の大飢饉も起こした強暴火山
8月7日、浅間山が小規模な噴火を起こした。日本列島で最も活動的なこの火山は、過去に我が国の災害史に名を残す大火山災害を引き起こしている。改めて世界一の火山大国に暮らしていることを忘れないでほしい。
- 近づく2020東京五輪、その高揚感の中で「首都直下地震」を忘れていませんか? ー山形沖地震の教訓
6月18日、M6.7の地震が山形・新潟を襲った。しかし震度6強を観測した新潟県村上市の今後30年間にこの揺れが起きる確率予想はわずか0.2%だった。一方で、首都圏ではその確率は80%を超えている。
- 「火山津波」の脅威とは? 日本列島でも度々起きてきたこと忘れるべからず
12月22日、インドネシア中部のスンダ海峡で発生した津波は、地震活動によるものではなく、クラカタウ島で起きた火山活動が原因だと考えられている。同様の災害は、日本列島でも度々起きてきた。
- 福井3原発、噴火の影響見直しへ:規制委の判断は科学的に妥当か?
原子力規制委員会は21日、福井県の美浜、大飯、高浜の3原発に対する関西電力の火山噴火による降灰量が過小評価の可能性があるとして、3原発への影響を再評価することを決めた。その科学的妥当性は?
- 伊方原発運転停止の仮処分取り消し:司法に訴えたい「巨大噴火は重大な『自然災害』だ」
伊方原子力発電所3号機について広島高裁が「運転停止の仮処分」を取り消した。司法判断、どう考えますか?