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今田耕司「プロの底力を見ていただきたい」。令和の二大スターの故郷をテーマに二組の漫才師が新ネタに挑戦

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供(全て)/メ~テレ(名古屋テレビ)

大谷翔平、藤井聡太の地元を深堀り+実力派漫才師が地元ネタしばりで新作漫才に挑戦=『スターの地元を笑いで深掘り!ふるさと漫才 2024』

大谷翔平、藤井聡太という令和の2大スターのふるさとを、スリムクラブとミルクボーイという実力派漫才師が訪れ、知られざる「地元(ふるさと)」の魅力を町の人々とふれ合いながら情報収集。スリムクラブは大谷翔平選手のふるさと・岩手県奥州市へ、ミルクボーイは藤井聡太八冠のふるさと・愛知県瀬戸市へ向かい、スターが生まれ育った町を徹底取材し、そのルーツにも迫る。そこで収集した情報を基にネタを作り、オリジナルの漫才を披露するバラエティ番組『スターの地元を笑いで深掘り!ふるさと漫才 2024』(2月18日(日)13:55〜15:20/テレビ朝日・メ~テレ(名古屋テレビ))。

司会を務めるのは今田耕司、ゲストにみちょぱを迎えての収録で、制作局のメ~テレ(名古屋テレビ)から取材依頼が入り、新趣向のバラエティということや東京の笑いの聖地・浅草で収録を行なうということで取材に出かけた。

二組が漫才を披露するのは東京・浅草の歴史ある演芸場・木馬亭。VTRを観ながら各々が自ら取材した町の魅力を生ナレーションも交えて伝える形で番組が始まった。

完全新ネタ披露のプレッシャー

生ナレーションを読むスリムクラブとミルクボーイ
生ナレーションを読むスリムクラブとミルクボーイ

すぐに気が付いたのだが収録がスタートしても、二組はなぜか落ち着きがない様子。この後に控えている漫才のことを考えて、緊張しているのだろう。木馬亭は舞台と客席の距離があまりに近く、余計に緊張度が増す。一方、観覧のお客は舞台の今田耕司とやりとりするなど演芸場ならではの距離の近さを楽しんでいる。

VTR中、ロケを担当した二組がそれぞれ生ナレーションを読む場面があった。ミルクボーイ内海は冷静に見えるが、心なしかいつもより汗を拭う回数が多い。スリムクラブ内間に至っては、ロケの時あれだけ一生懸命メモしたノートを楽屋に忘れてくる始末。初披露する漫才のプレッシャーはここまで凄いのかと、見ているこちらまで緊張してしまう。

ネタ入り直前の無邪気な“無茶振り“に焦る二組

この後新作漫才初披露を控え、緊張している中でみちょぱからの無邪気な“無茶振り”に焦る二組
この後新作漫才初披露を控え、緊張している中でみちょぱからの無邪気な“無茶振り”に焦る二組

大谷翔平選手がアメリカで恋しがったスイーツや、藤井聡太八冠も食べたであろう瀬戸市のソウルフードをみんなで味わったり、ロケのこぼれ話が飛び出すなど終始楽し気に進む収録。「こんな温かい反応あります!?」と今田が感心するほど会場は盛り上がっている。それでも初披露のネタは芸人にとって緊張するもの。そもそも基本的に漫才師が新ネタの初披露にテレビを選ぶことは少ない。まずは劇場で試し、客の反応を見ながら調整していくのが一般的だ。そうこうするうちにVTRが終わり、いよいよ漫才シーンの収録だ。

すると、このタイミングでみちょぱから、先ほど試食した郷土グルメのことをネタに入れてほしい、と無邪気な無茶ぶり。二組とも「今からですか?」と笑いながらもたじたじに…。

それぞれが取材で得た40近い情報を落とし込んだオリジナル漫才を作りあげた。二組とも「こんな経験は初めて」と語っているが、特にミルクボーイにいたっては、ロケから10日後での初披露というスピード感だ。

客席のかぶりつきで見守る今田とみちょぱ、そして観客にも二組の緊張が伝わり、ワクワクとドキドキが充満する中、二組は果たしてどんな漫才を聞かせ、観せてくれたのか――。

スリムクラブ
スリムクラブ

ミルクボーイ
ミルクボーイ

「実力漫才師が涙目…なかなか二組ともあんな表情は見せない。テレビを観ている皆さんにも伝わってほしい」(今田)

収録後、今田耕司とみちょぱに話を聞くことができた。

――まず収録を終えての感想を教えて下さい。

今田 二組が最後に舞台で満員のお客さんの前で漫才をするって、独特の緊張感がありました。VTRも楽しかったし、令和のスターの出身地を深掘りすることによって、ルーツも含めて、よりスターのことがわかってくる素晴らしい番組です。ラストは実力派の漫才師によるこの日限りの漫才と、他にない番組でしたね。

――いかがでしょう、今田さんもロケに行ってネタを作ってみたいとは……。

今田 絶対お断りします(笑)。あんな短かい時間で新しいネタを作って、お客さんの前で披露するなんて…客席の前の方で見させてもらいましたけど、非常に緊張感が伝わってきた。涙目というか、あの目の潤みかた、なかなか二組ともあんな表情は見せない。テレビを観ている皆さんにも伝わってほしい。

――みちょぱさんはいかがでしたか?

みちょぱ  お客さんも温かくて、客席とステージとのやりとりも、すごくいいなって思いました。二人のスターの地元は今までも取り上げられることがありましたけど、ここまで深くは知りませんでした。二組の芸人さんが実際にロケに行って、取材をたくさんした上での漫才を披露していただくという、情報あり、笑いありと魅力を詰めまくった番組です。テレビの収録という感じがしなかった。本当に見て損はないというか、地元の方も地元じゃない方もすごく楽しく見てもらえる内容だと思う。

「やっぱりスターがいる町はいい町(笑)」(みちょぱ)

――地元の方、いい方ばかりでした。

みちょぱ 瀬戸市も奥州市もキャラの濃い方が多くて、面白かったです。やっぱりスターがいる町はいい町です(笑)。

今田 大谷翔平選手や藤井聡太さんのことでロケに来たら、普通はできるだけお二人の情報を話そうって思うじゃないですか、でも皆さん肝が据わっているというか、自分の情報しかしゃべらない(笑)。

「天才も色々な人との出会いや環境、努力で才能を伸ばしてきたんだなって」(今田)

――大谷選手と藤井八冠は、才能だけではなく人間性も素晴らしいことは多くの人が知っていると思いますが、今回のロケを見て、その印象が変わったところはありますか?

今田 当たり前ですが、元々は何者でもない、どこにでもいる人たちが、色々な人との出会いや環境、努力で才能を伸ばしてきたんだなって思いました。そう考えるとみんな同じなんだなって。出身地を深掘りすることで、色々な興味の観点から、より深くお二人のことがわかった気がします。

みちょぱ 藤井さんのサインひとつ取っても、ひと言を添えていらっしゃって、本当にいい方なんだなということが伝わってきました。サインにあのひと言があるだけで、受け取る方も気持ちが変わってくると思います。ずっと応援したくなると思う。

――そしてミルクボーイとスリムクラブの漫才を間近で観て、いかがでしたか?

みちょぱ 楽屋が二組と隣だったのですが、必死に練習する声が聞こえてきて、やっぱり不安なんだろうなあって思ったので、それを本番であんなに近い距離で観させていただいて、感慨深かったです。終わった後の二組の解放感がすごく伝わってきて、一生懸命やったことが伝わってきました。

「芸人さんのここぞという時の気合の入れ方はすごい」(みちょぱ)

――なかなか芸人さんのああいう緊張した表情は、テレビでは観ることができないですよね。

今田 ネタになる情報がたくさんありすぎて、逆に困ったんじゃないですかね。たださえ緊張してるのに僕らも「ふるさとグルメのことネタに入れて」って直前に振ったり(笑)。

みちょぱ やっぱり芸人さんのここぞという時の気合の入れ方はすごいなって改めて感じました。

――さて、この番組の放送はバレンタインデーに近い2月18日。それにちなんで、バレンタインの思い出を聞かせてください。

みちょぱ 私は旦那とはもう8年ぐらいの付き合いで、記念日とかお互いにあんまり気にしてないのですが、バレンタインだけは一応手料理でもてなすというか、お菓子は毎回何か作っています。それは今も続けています。

今田 今までで一番好評だったのは?

みちょぱ 全部ですけど(笑)、一番って聞かれたら3年前ぐらいに作ったいちごのムースケーキだったかな。すごく喜んでくれました。

今田 いちごのムースを作る奥さんって…!いやいい話!ハートフルな気持ちになりました。

みちょぱ 買うのもいいかなと思うんですけど、そこはやっぱり手作りにこだわって、これからも続けたいと思います。

「初めての劇場でいきなりネタおろし、あり得ないくらい緊張している芸人とプロの底力を是非見ていただきたい」(今田)

――最後に改めてこの番組の魅力を聞かせて下さい。

今田 最初にも出ましたが、漫才師がスターの地元でロケをしてその情報を基にネタを作り、お客さんの前でこの日限りの漫才を披露するという、二段重ねになった新しい番組です。テレビでやるときは劇場で何度か披露した後とか、稽古を積んだ上でやるんですけれども、ここでいきなりネタおろしですから、あり得ないくらい緊張している芸人とプロの底力を是非見ていただきたい。

みちょぱ スターの素顔も見えてくるし、とにかく地元の人が面白すぎます。観た後は絶対に奥州市と瀬戸市に行きたくなるはず。次の旅先に是非選んで欲しいです。

今田耕司をして「絶対にやりたくない」と言わしめる過酷な条件のもと、実力派の二組がどんな漫才に仕上げて来たのか、大谷ファン、藤井ファンはもちろん、お笑い好きも必見だ。

メ~テレ(名古屋テレビ) 番組公式サイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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