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スピッツのデビュー記念日に、20年振り復活Polydor Recordsが新聞に感謝広告を掲載し話題

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/ユニバーサルミュージック/Polydor Records

所属するレーベル・Polydor Recordsが、3月25日発売の毎日新聞朝刊にスピッツへの感謝を伝える広告を掲載

3月25日、デビュー32周年を迎えたスピッツ。今年は4月12日に新曲「美しい鰭」(劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』主題歌)、5月17日には約3年半ぶりの通算17枚目のオリジナルアルバム『ひみつスタジオ』をリリース予定で、そして6月3日からは7年ぶりの全国ホール+アリーナ全45公演のロングツアーを開催予定と、“動”の年になる。そんなスピッツのデビュー記念日に、所属するレーベル・Polydor Recordsが25日発売の毎日新聞朝刊にスピッツへの感謝を伝える広告を掲載し、話題を集めている。

赤い紙面に白抜き文字で「ありがとう、スピッツ」と書かれ全面広告には、33回目のデビュー記念日を一緒に迎えられたこと、メンバーチェンジも移籍もなく、活動をし続けてくれていること、33年目の今も新しい曲を作り続けてくれていること、Polydorロゴを使い続けてくれていることに対する、ポリドールからの感謝の言葉が綴られている。Polydor Recordsは2002年から「UNIVERSL J」となったが、今年組織が再編され再びPolydor Recordsの名前が復活した。スピッツは1991年3月25日のデビューシングル「ヒバリのこころ」から変わらずPolydor Recordsから作品をリリースし、統合後もそのレーベル愛は変わらず、Polydorのロゴを使用し続けてきた。今年から改めてPolydor Records所属となったスピッツに「そして。ただいま、スピッツ。」と、感謝の気持ちと復活を伝えている。

スピッツとレーベルの素敵な関係に、SNS上ではファンからの感激&感謝の言葉が飛び交う

このレーベルの粋な計らいに、ネット上ではファンからの「ポリドールのこの言葉が、ファンの気持ちを全て伝えてくれている。 ありがとう、スピッツ。 ス的な広告に向かいながら涙が止まらなかった ポリドールもありがとう。」「"ありがとうスピッツ"ってシンプルだけど凄く深い言葉だと思ってる。」「ポリドールの新聞一面広告 愛されてるのはファンにだけではないということに胸が熱くなります」「こんなにたくさんのありがとう、に溢れるスピッツが本当に好きすぎる。。。 なんか泣けてくる。」「中途半端な32周年でなんで?って思ったけど訳を知ってスピッツの律儀さと真摯さが伝わってたんやと思ったら朝から勝手に泣いてる」等、感激&感謝の言葉が飛び交っていた。レーベルを愛し、愛されるスピッツとレーベルの素敵な関係に、ほっこりした気持ちになった人も多いはずだ。

SNSでは「#ありがとうスピッツ」で賑わっていたが、その書き込みを見て毎日新聞を入手したいファンが近所コンビニを周り、中には何軒も周ってようやく手に入れたという報告が夜遅くまで続いていた。

シンプルな想い、大きな愛

こういう素敵な企画について、その意図を聞くのは野暮かもしれないが、ポリドールのスタッフにコメントを求めると「今年20年ぶりにPolydor Recordsが帰ってきました。その年にスピッツが3年半ぶりのアルバムをリリースしてくれる。本格的なアルバムプロモーションが始まる前に、Polydor Recordsから感謝の気持ちを伝えたかった。たくさんの『ありがとう』をみんなで伝えたかった。周年でもなんでもないデビュー記念日に、まじめに丁寧に伝えたかった。ただそれだけです」と語ってくれ、シンプルな想いの中に大きな愛を感じさせてくれた。

新聞広告の最後は「20年ぶりにPolydor Recordsが帰ってきた今年。シングルとアルバムの発売、そして全国ツアーを、楽しみにしていまス(※ス=スピッツのロゴマーク)」と、スピッツのロゴマークで締めくくっている。

またユニバーサルミュージックも社を挙げてスピッツのデビュー記念日を祝福し、公式サイトや公式ツイッター、YouTubeチャンネル、LINE、ユニバーサルミュージックストアのヘッダーを「ありがとう、スピッツ。」仕様に変更し、本社ビル2階のサイネージでも展開されていた。

左から三輪テツヤ(G)、田村明浩(B)、草野マサムネ(V)、崎山龍男(Dr)※崎山龍男の「崎」の正式表記は、立つ崎(たつさき)。
左から三輪テツヤ(G)、田村明浩(B)、草野マサムネ(V)、崎山龍男(Dr)※崎山龍男の「崎」の正式表記は、立つ崎(たつさき)。

「移籍もメンバーチェンジも活動休止もなく、スピッツでいつづけてくれてありがとう。そしてポリドールもありがとう。」というファンのメッセージが、この新聞広告に感じる全ての人の思いを表しているのではないだろうか。1987年の結成以来一度も活動休止する事も、メンバーチェンジをする事もなく音楽を奏で続けている、唯一無二のバンドだけが作り出せる音、世界観、空気感。誰もが想像力を掻き立てられる音楽。そんな魔法の響きを持つスピッツ流ロックへの飽くなき追求は、今も続いている。

スピッツ オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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