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木梨憲武、三浦大知、咲妃みゆが、人気アニソンを極上アレンジで、スーパーバンドとセッション

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BS-TBS

“時を超えた、ここでしか聴くことができないサウンド”がコンセプトの音楽番組『Sound In S』(BS-TBS)の10月16日(土)放送回は、アニメソング特集。日本のアニメ界が誇る名曲から、ディズニーアニメの名曲までを、木梨憲武、三浦大知、咲妃みゆが、4人のアレンジャーとスーパーバンドとセッション。

笹路正徳×「ルパン三世のテーマ’78」

1曲目は、アニメソングという枠を軽く飛び越え、“名曲”として長年聴き継がれている「ルパン三世のテーマ‘78」を、笹路正徳のアレンジで凄腕ミュージシャンが揃うスーパーバンドが披露。笹路のアレンジは、ストリングス、ぶ厚いホーンセクション、ビブラフォン、コーラス他、それぞれのセクションの聴きどころをしっかりクローズアップさせながら、素晴らしいバンドアンサブルを作り上げている。ジャズのフレーバーを強調しながら、まさに圧巻の演奏と“グッと”くる表現力で、オリジナルが持つスペクタクル感、サスペンス感と叙情的な部分をしっかりと届けてくれる、クールかつ情熱的な演奏。誰もが知る名曲をアレンジするというのは、それだけでかなりハードルが上がるはずだが、笹路のアレンジはそこにしっかりと“笹路印”を入れながら、より感動を増幅させてくれている。曲が持つ力を改めて感じさせてくれると共に、シンプルな曲という言葉が適切かどうかわからないが、だからこそ“変わらないけど進化する”ということを教えてくれる。

木梨憲武×斎藤ネコ

2曲目は木梨憲武が登場。木梨が帝京高校時代、サッカー部の部室で歌っていたという昭和のアニソンを代表する一曲「ガッチャマンの歌」(1978年)を披露。アレンジは斎藤ネコ。木梨は「部室でアカペラで歌っていたのが、今日はこんな豪華なバンドで歌えるなんて」と興奮気味で、リハーサルから気合十分。真っ赤なスーツで登場した木梨は、ダンサーを従え、“真剣に楽しむ”。まさに木梨流エンターテイメントショウだ。

三浦大知×大嵜慶子

3曲目は三浦大知がエルトン・ジョンの名曲「I‘m Still Standing」(1983年)を、大嵜慶子のアレンジで披露。この曲はミュージカル映画『SING』の中で、ゴリラのジョニーが最後のコンサートシーンで歌い上げた、アップテンポだが感動的な曲だ。大嵜のアレンジは、三浦のハイトーンでグルーヴを感じるボーカルを最大限に立てながら、映画の中でのこの曲が持つ意味、放つ光を表現し、力強く美しい、ゴージャスな仕上がりに。歌い終わった三浦は「最高です。ここにしかないすごく素敵なアレンジ」と絶賛。素晴らしいセッションだ。

咲妃みゆ×深澤恵梨香

ラストはディズニーアニメ『ライオン・キング』の主題歌「Can You Feel the Tonight」(1994年)を元宝塚歌劇団雪組のトップ娘役で、現在は舞台、映画、ドラマで活躍中の女優・咲妃みゆが、深澤恵梨香のアレンジで披露。この曲もエルトン・ジョン作曲のスケールの大きな楽曲だ。咲妃は「この作品を観てミュージカルの世界に憧れた、私の原点。全曲歌えます」というほどこの作品のファンで、『ライオン・キング』愛が溢れるトークを聞かせてくれる。そんな咲妃を興奮させたのは深澤のアレンジだ。深澤はこの曲のアレンジの中に『ライオン・キング』の別の楽曲の印象的なメロディを組み込み、作り上げた。咲妃の透明感のある声が紡ぐ繊細な歌が、演奏に乗ってどんどん熱を帯びて、クライマックスは大きな感動を与えてくれる。

『Sound Inn S』(BS-TBS)アニメソング特集は、10月16日(土)18時30分からオンエアされ、番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。また10月24日(日)16時~地上波TBS系列で、『Sound Inn S』スペシャルプログラムを放送予定。これまでに放送された、アーティスト+アレンジャー+スーパーバンドによる“名セッション”を楽しむことができる。

BS-TBS『Sound Inn S』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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