富士山×花火師BIG4の競演=日本の絶景 世界から注目を集める春の極上エンタメ『絶景花火』
インバウンドで賑わった『The 絶景花火「Mt.fuji」2024』
雪まだ残る春の富士山で、日本が誇る花火師BIG4が競演する『The 絶景花火「Mt.fuji」2024』(以下絶景花火)が、4月20日(土) 静岡県・ふじてんリゾート特設会場で開催された。
今年で第3回目、春のエンタメとして恒例になりつつあるこの絶景花火は、世界中から注目され、年々海外からの観客が増え今年は3割を超える外国人が来場。入場ゲートには桜が飾られ、会場に一歩踏み込めば雄大な富士山が眼前に広がり、そして最高の花火と、まさに“日本の絶景”を、1万人以上収容可能な広大な敷地に敢えて入場者を約3000人に限定することで、混雑とは無縁の贅沢空間で楽しんでいた。
「日本最高峰の山と花火の共演に勝るものはなし」――体験した来場者のSNSの言葉だが、夕暮れから夜景に刻一刻と変化をする富士山と花火を共に鑑賞できる、まさに日本でここでしか見ることのできない絶景が広がっていた。標高約1200mの空気がグッと冷え込んできた18時30分、黄昏時の富士山をバックに、絶景花火の開幕を告げるプロローグ花火「富士の黄昏」が打ち揚げられると歓声が上がる。肚の底にまで響いてくる花火の轟音、火薬の匂い、花火師が技巧の限りを尽くした咲き誇る花火、そしてどこまでも美しい圧巻の富士山、全ての感覚を刺激してくれるのが絶景花火だ。完全に暗くなるのを待ってからオープニング花火「春の訪れ」が打ち揚げられ“本編”がスタート。美しいスターマインに歓声が上がる。
100年以上の歴史を持つ老舗、日本を代表する花火師BIG4が協演
大玉花火の競演もトピックスのひとつだ。「至高」と名付けられたプログラムでは、最大の花火・10号玉の競技会で優勝経験がある煙火店が、それぞれの個性を爆発させ、老舗の名を懸けて趣向を凝らした大玉を打ち揚げると大歓声が沸く。芸術性が高い10号玉の数々はまさに圧巻。心に響くその瞬間を見逃すまいとカメラマン席も客席でも写真や動画で撮影している人が多い。しかし瞬きをするのも惜しいとばかりに、食い入るように空を見上げる人も多い。その後も、花火は丸くなくてもよいという発想から生まれた花火を観ることができる「創造」、花火の真骨頂ともいえる各社の割物花火が存分に楽しめる「王道」と名付けられた大玉花火の競演は続き、5号~10号玉が次々と打ち揚げられ、一瞬夜空が昼間のように明るくなり、富士山が色づく。
紅屋青木煙火店、磯谷煙火店、齋木煙火本店、菊屋小幡花火店といういずれも100年以上の歴史を持つ老舗、日本を代表する花火師BIG4が、一瞬の美しさを求め、技巧の限りを尽くし、ひと玉ひと玉丁寧に作り上げた花火が“究極の美”を作り上げる。それをこれでもかと見せてくれるのが、この花火大会の最大の売りだ。そんな4社が協演するラストのスターマイン「富嶽夢景」は、まさにスペクタクルショウと呼びたくなるほどの忘れられないシーンになった。
「極上の特別」とは
この花火をロマンスリフト頂上、約1300メートルの日本最高峰の場所に設置された特別席で、まさに花火を上から見下ろし観覧した観客もいた(富士山天空チケット)。絶景ポイントを増やしたり、家族連れが過ごしやすいように、客席のブラッシュアップを重ね、今年は2万5千~15万円まで、多種多様な席が用意されているのも、この花火大会の特長だ。カメラマンにもVIPカメラ席を用意するなど、様々なニーズに応えている。VVIP、VIP席の観客には開演前、まぐろの解体ショウで楽しませ、その場で寿司を握り提供したり、今年は餅つきも行い、つきたてのお餅なども提供。他にも天ぷら、焼鳥、たこ焼き、様々なドリンク類が用意され、ゆったりと花火大会を楽しむことができる「特別感」の中で「絶景」を楽しむことができるのも魅力だ。
花火の美しさだけではなく、そのおもてなしの心は細部にまで貫かれている。身障者用のトイレも用意されバリアフリーも万全で、駐車場から客席までがフラットでスムーズに移動することができ、受け入れ態勢が整っている。入場時には段ボール製の椅子が配布されるが、これもSDGsを意識したもので、折りたたんで持ち帰ると普段使いもできゴミも出ない。また不測の事態に備えて最新鋭のドローン等による消火態勢も整えるなど、誰もが安心して「絶景」に酔うことができる。
来年は世界の有名花火師を迎え『The 絶景花火「Mt. Fuji」2025 ~世界花火博~』として開催
来年は4月19日(土)『The 絶景花火「Mt. Fuji」2025 ~世界花火博~』として開催を目指すことを主催者が発表した。世界の有名花火師を迎え、日本の花火師BIG4と共に世界遺産・富士山で初の「国際花火博」を行なう方向でプロジェクトが進行中だ。他にはないここだけの特別を求めて、国内外から多くの観客が訪れそうだ。