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夏菜 “恋愛復讐代行者”役が話題 「ドラマとバラエティ、両方があって私」

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
(C)フジテレビ

3月22日からフジテレビの動画配信サービスFODでスタートした、夏菜主演のドラマ『スイートリベンジ』(毎週月曜24:00最新話配信)が話題だ。FODオリジナルコミックの実写化で、夏菜演じるマリコが、オトコに酷いフラれ方をしたオンナから依頼を受け、“同じ痛み”をオトコに与える恋愛復讐劇だ。ドラマにバラエティに大活躍の夏菜にこのドラマについて、そして仕事との向き合い方までをインタビューした。

ドラマ『スイートリベンジ』で恋愛復讐代行者・マリコを演じる。「歴代の彼氏の中には、マリコに復讐して欲しい人がいます(笑)」

「私が演じるマリコは、職業でいうと“恋愛復讐代行者”です。女性が男性から受けた痛みを代わりに復讐、ターゲットに同じ痛みを味わせるというのが仕事です。確かに私も歴代彼氏のことを考えるとやっぱりマリコに復讐して欲しい人はいるので(笑)、彼女のような人がいたら世の中の女性は助かるのではないでしょうか。その分ドラマの中で私がスッキリさせてあげたいですし、私も思い切り演じさせてもらい、楽しかったです。その時の彼に復讐したような気持ちに若干なれたりもして(笑)。マリコは恋愛を実験だと捉え、それを遂行しているだけ、という考えの持ち主ですが、私は感情で動いてしまうタイプなので、そこは冷静に動ける彼女は羨ましいなって思います」。

「このドラマを観て心当たりがあって、ドキッとする女性もいるかもしれませんが、マリコの言葉で気づいて欲しいです。」

このドラマは恋愛の“金言”や散りばめられ、モテ講座の教材にもなりそうな情報も詰め込まれている。最低男を成敗するだけではなく、騙される方にも理由があると正す。「女性の弱さ、男を甘やかし許すことが最低な男を生み出している」と。

「あなた(女性)にも責任はありますとハッキリいうところが、このドラマのいいところだと思います。ただ優しいだけではなく、復讐するだけはなく、ちゃんと教えを説いて次の恋愛へと向かわせてくれるところが、マリコの素晴らしさだと思います。今回の3つのエピソードに登場する女性の気持ちはよくわかります。相手のことが好きだと、周りが見えなくなるし、自分もそうだったし。誰か冷静な人がそばにいてくれて、色々助言をしてくれていたら、と思いますけど、でもやっぱりその時って冷静な人の言葉にも聞く耳を持たなかったと思うし。当時の自分に言ってあげたいけど、その時は自分が弱いなんて全く思っていないので、やっぱり燃え上がっている時は、気づかないよなって思いました。このドラマを観て心当たりがあって、ドキッとする女性もいるかもしれませんが、マリコの言葉で気づいてくれたらいいなって思います」。

「マリコの声がなかなか想像できなくて、撮影初日まで悩みました」

夏菜は以前にも「成敗系」のドラマ『ハケンのキャバ嬢 彩華』(AbemaTV/朝日放送)で主役を演じている。今回はターゲットの男の好みを徹底的にリサーチして、キャリアウーマン、社長令嬢、サブカル女子など服装からしゃべり方、性格まで毎回七変化する“恋愛の達人”を演じる。そして男をこっぴどくフる。

「あのドラマも夜はキャバ嬢、昼間は冴えないOLで、きのこカットでメガネというスタイルで、今回と同じなんです(笑)。被らないようにしなければと、少しプレッシャーを感じました。今回は原作のマンガをいつも持ち歩いて、マリコ以外のキャラクターは声色や動き方は想像できたのですが、どうしてもマリコの声が想像できなくて、撮影初日まで悩みました。声が決まらないからセリフもなかなか覚えられなくて、自分の中でストンって落ちるまでに時間がかかった役でした」。

「私の世代でドラマとバラエティ、両方出ている人はそんなにいないと思うので、その“場所”は守りたい」

今回約3年ぶりのドラマ主演で、最近はバラエティ番組で活躍し、特にダウンタウンとの共演(『ダウンタウンなう』)で、ぶっちゃけキャラが受け、素の彼女が“好感度”となって、様々な番組に引っ張りだこだ。女優もバラエティも思い切り楽しんでいる。これからもこのスタンスは変わらないのだろうか。

「こればかりは本当にバランスで、両方があって私という人間が成立していると思います。ドラマだけだと色々悩んだり、追い込まれたりしてきっと爆発してしまうし、やっていて楽しいのはバラエティなんです、正直(笑)。ただ、達成感とかやり切った感とか、自分に対するプレッシャーとか、いい意味であり悪い部分もあるんですけど、自分の中の熱いものを突き動かすのはドラマやお芝居です。でもバラエティばっかりやっていると、プレッシャーが少ない分、今度はクラゲみたいにフニャフニャな人間になってしまいそうな気もするので(笑)、交互にやっていくのが一番いいのかもしれません。それとバラエティをやってドラマにも出て、という人がこの世代にはそんなにいないと思うので、そこは自分でも守りたい“場所”という感じは正直あります」。

「コロナ禍で感じたことは、人生ってもっと色々な楽しみ方があるということ」

一昨年30代に突入し、去年が女優デビュー15周年という記念すべき年で、しかも結婚というおめでたいニュースもあった。しかしコロナに包まれてしまい、ステイホーム期間中は「一日10時間くらい好きなネットゲームにやっている時もありました」という彼女だが、改めて自分自身と向き合う時間ができたと思うが、表現者として一番感じたこと、変わった部分はあったのだろうか。

「色々ことに気づいたというか、働き方って、色々な働き方があっていいんだなって思いました。世の中が暗くなっていくのを感じて、芸術やエンタテインメントは発信し続けるべきだと思いましたが、でも色々な発信方法があると思いました。コロナによってオンラインでできることが多いことにみんな気づいて、必ずしもみんなが仕事で現場に行かなくてもいいということがわかったと思います。日本人ってめちゃめちゃ働くじゃないですか。でももう少し生活の中で余裕を作って、そこに仕事があればいいという考え方に変わりました。人生ってもっと色々な楽しみ方ってあると思います。30代になって、結婚をして、そしてこんな時代になって、確かに大きなことが続いている感じがしますが、私的にはこの数年が一番落ち着いていたというか。今もそれは続いていますが、それは20代後半までが嵐のような毎日だったので、今はすごく落ち着いて、穏やかな時を過ごせている中での結婚だったので、すごくよかったなって思います」。

現在彼女はYouTubeで、チャンネル登録者数18万人を超える人気チャンネル『なつなかん -夏菜YouTubeチャンネル-』で、ファンからの質問にざっくばらんに答えたり、ゲームネタで盛り上がったり、“素の夏菜”にファンは盛り上がっている。

「YouTubeも比較的早くに始めたのですが、いかんせん飽き性と面倒くさがり屋が同居している性格なので、なかなか更新できなくて(笑)。今それが一番の悩みです。頑張って撮影して、近々アップします!」。

『スイートリベンジ』オフィシャルサイト

夏菜 オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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