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AI 今伝えたい言葉、届けたい歌――「音楽をまた好きにさせてくれた」感動セッションの一部始終

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BS-TBS

“時を超えた、ここでしか聴くことができないサウンド”がコンセプトの音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)にAIが初出演し、今だからこそ伝えたい、歌いたい大切な曲を披露する。「こんな豪華な音のエキスパート達の中で歌えるなんて本当にありがたい」と、3人のアレンジャーと豪華ミュージシャンとのセッションを心から楽しみながら、今多くの人に伝えたい言葉を、丁寧に届けてくれている。

河野圭
河野圭

名曲「Story」を河野圭アレンジのこの日限りのアレンジで披露

AIといえばの名曲「Story」(2005年)を、河野圭が手がけたこの日限りのアレンジで披露。音合わせでは、コーラスとの掛け合いを何度も確認。これまで数えきれないほど歌ってきたであろうこの曲を、細部に至るまで丁寧にこだわり“この日の歌”に仕上げていく。分厚いストリングスが美しいアンサンブルを作り上げ、ギターの音色が重なり「みんな一人じゃない、あきらめないで」という思いを、まるで聴き手の肩を抱きながら、届けるように歌う。改めてこの曲が持つ強さと優しさがまっすぐ伝わってくる。

冨田恵一
冨田恵一

聴いた人に希望を与える「HOPE」

2曲目は2月24日に発売されたミニアルバム『IT’S ALL ME -Vol.2』に収録され、1月に配信リリースされた「HOPE」を披露。アレンジを手がけるのは冨田恵一。AI自身が歌詞を書き「今、希望を持てていない人が多い気がする」というその言葉通り、今世の中で起きていることをストレートに表した歌詞が印象的だ。その思いを感じ、冨田も「聴いた人が希望を持てるようなアレンジにしました」と、管楽器をフィーチャーし、クワイアのような厚いコーラスが高揚感を感じさせてくれるアレンジで、AIの歌にさらに光を当てる。高校3年間ゴスペルクワイアに入っていたというAIは「それが自分の歌のベースになっている」と言い、彼女は歌を通して感謝と希望を伝えている。

齊藤ネコ
齊藤ネコ

木梨憲武
木梨憲武

「『Music Is My Life』をこの音で歌えるのが幸せすぎる」

ラストはAIが“最も大切にしている曲”だという「Music Is My Life」(2017年)を披露。この曲は、彼女が2年間音楽活動を休止し、妊活をしている時に作った作品で、改めて音楽と向き合い、その大切さに気づき紡いだ楽曲だ。音楽への感謝と、歌い続けていくんだという強い意志が込められている大切な曲を、斎藤ネコがこの日限りのアレンジ。斎藤とは初共演というAIは、ピアノとヴァイオリンが織り重なっていくイントロから引き込まれる、壮大なストリングスアレンジが展開されていく美しいサウンドに「この音で歌えるのが幸せすぎる」と感激し、涙ぐむ場面も。歌を、言葉を、聴き手の心の奥深くまで届けてくれるアレンジだ。バックバンドを映し出すと、カメラがドレッドヘアのギタリストを捉える。“あの人”だ。前回のこの番組で、出演予定ではなかったAIをスタジオに“連行”し、コラボした木梨憲武だ。今回は、そのお礼として木梨がAIのバックを務めた。

「音楽の素晴らしさを改めて教えてくれた」

全てのセッションを終えたAIは「音楽をまた好きにさせてくれた。音楽の素晴らしさを改めて教えてくれた。またすごい曲を作って、この番組で腕利きのミュージシャンとセッションを楽しみたい」と興奮した様子で語っていた。

AIが出演する『Sound Inn S』(BS-TBS)は、3月21日(土)18時30分からオンエアされる。なお、番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。

BS-TBS『Sound Inn S』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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