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GLAY 新作は『劇場版 FFXIV 光のお父さん』主題歌 父子の絆を描いた感動ソングが話題

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
左からTAKURO(G)、TERU(Vo)、JIRO(B)、HISASHI(G)

デビュー25周年イヤーのスタートを飾る、令和最初のニューシングル「G4・V-Democracy 2019-」

「G4・V-Democracy 2019-」(7月2日発売)
「G4・V-Democracy 2019-」(7月2日発売)

GLAYのデビュー25周年イヤーのスタートを飾る、令和最初のニューシングル「G4・V-Democracy 2019-」が7月2日に発売された。収録曲全てがリード曲となるG4 シリーズ第5弾の今回の作品は、『セブン-イレブンフェアタイアップ』曲で、これぞGLAY王道のロックナンバーといえる「JUST FINE」(作詞・曲/TAKURO)は、高校野球をテーマにしたTVアニメ「ダイヤのA actII」のオープニングテーマとしてすでにオンエアされている「はじまりのうた」(作詞・曲/TERU)、『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』の主題歌「COLORS」(作詞・曲/TERU)は珠玉のミディアムバラード、そして56thシングルのリード曲だったTERU作詞・作曲の「YOUR SONG』 の、MISIAをフィーチャリングした新バージョンと、強力な4曲を持って、25周年を突き進んでいくという狼煙を上げた。

父子の絆を描いた歌詞が感動を呼ぶ、TERU作詞・曲の「COLORS」

結果的にTERU作品が多くなっている今回のシングルの中で、『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』を観て、「COLORS」を聴いて号泣したという声が、SNS上で多く飛び交っている。映画で描かれる父と子の関係性をTERUが見事に歌詞に昇華させ、「親子関係の複雑な感情をテーマにしてます。もし、同じ環境にいる方がいたら是非、この映画を見て、この曲に寄り添ってみてください」(TERU)と語っている。映画で父親役を演じた吉田鋼太郎も「ここまで映画に寄り添った楽曲を聴いたことがありません。映画で描かれる父と息子の姿が、曲を聴くと自然と浮かんできて、思わず目頭が熱くなりました」とコメント。同じく息子役の坂口健太郎も「作品の中で、父親との関係を再構築していくアキオの心に寄り添い、力を与えてくれるような曲です」と絶賛している。

TERU自身がFFXIVプレイヤーとして見てきた景色、原作への強いリスペクトがあるからこそ生まれた楽曲

ずっとすれ違ってきた父と子が、オンラインゲームの世界を共に旅する物語で、ゲームの世界と実写パートが交差するこの映画ならではの演出、そして実写パートでの、登場人物の幾重にも重なる人間ドラマが印象的だが、TERU自身がFFXIVプレイヤーとして見てきた景色があるからこそ、そして原作への強いリスペクトがあるからこそこの曲、この歌詞が生まれた。<目を合わす事は、あまりないけど 心通い、笑い合えた時は 誰よりも一番感謝してる>と、子から親への思い、親から子への思い、親子だけが持つ絆をこのフレーズで見事に描き切っている。

「優しさと力強さと切なさと儚さ…まさにGLAY」など、リリックビデオ、MVには多くのコメントが寄せられる

この作品はミュージックビデオと共に、リリックビデオも公開されていて、「何度聴いても涙が流れます...家族を大切にしなきゃと思いました」「優しさと力強さと切なさと儚さ……まさにGLAY。そして、父親の背中のような」「GLAYさんの歌詞はいつも私に人としての愛し方や、愛される事の素晴らしさを教えてくれます」「優しくて柔らかくて率直な歌詞で、とてもTERUの人柄が表れてる歌だなと思いました」と、たくさんのコメントが寄せられている。イントロ、間奏、アウトロで効果的に響くストリングス、そしてピアノの静かで美しい音色、JIROの歌うようなベース、TAKUROの存在感のある正確なストローク、HISASHIの力強くも繊細なギター、そしてTERUの表情豊かな歌、GLAYと音楽プロデューサー/アレンジャーの亀田誠治とで作り上げたサウンドが、心の深いところまでスッと入ってきて、感動を与えてくれる。

今のGLAYだからこそ歌える、等身大の“名曲”

写真提供/ポニーキャニオン
写真提供/ポニーキャニオン

GLAYのメンバーも親世代になり、以前TAKUROにインタビューした時に「“今”のGLAYを歌っていきたい」と語ってくれたが、この曲、そして<愛する人の、愛し方を ずっと側で、見てきた 愛する人が生まれてきた事に 誰よりも一番感謝してる>という歌詞は、まさに今のGLAYだからこそ歌える、強い説得力を纏って聴き手に伝わる。不安ばかりが募る世の中、確かなものが見えにくい社会の中では、親子の絆さえも、もしかしたら「幻想」、「不確かなもの」と感じている人もいるかもしれない。でもこの曲の歌詞、歌から感じるものは信じたい――そう思わずにはいられない。ラストの<ありがとう>という叫びが胸に響く。またひとつGLAYの名曲が生まれた。

GLAY オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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