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「10年間全く飽きずにできた」 さまぁ~ず×あびる優が語る、配信バラエティ『トゥルさま☆』の魅力

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供:BeeTV

テレビでもネットでも愛されるさまぁ~ず

現在『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(テレビ朝日系)、『さまぁ~ず×さまぁ~ず』(同)、『世界さまぁ~リゾート』(TBS系)、『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)、そして『内村さまぁ~ずSECOND』(Amazonプライムビデオ)など、多くのレギュラー番組を持ち、そのどれもが長寿番組となっている、人気お笑いコンビ・さまぁ~ず。

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さまぁ~ずというと“テレビから愛されている二人”というイメージが強いが、それはネットシーンでも変わらない。2009年にdTVの前身、ケータイ向けの動画配信サービス「BeeTV」がスタートし、それと同時に配信を開始した『トゥルルさまぁ~ず』(以下『トゥルさま』)が10周年を迎える。開局からスタートした番組の中で、唯一続いている人気長寿番組で、配信回数は600回を超え、DVDは26巻まで発売されている。10周年イヤーに突入した今年、リニューアルを図り、番組名も『トゥルさま☆』に生まれ変わる。10年間、変わらず視聴者を笑わせ続けてきた、さまぁ~ずとあびる優に、10年を迎えての思いを聞いた。

「下ネタも、カミさんに発見されなきゃいいやって感じでやってます(笑)」(三村)

「とにかくカミさんに見つからなければ、全てのことはね(笑)」(大竹)

――『トゥルさま』が、5月についに10周年を迎えます。

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三村 自分達が全く飽きずに10年迎えることができました(笑)。収録が一週間とか二週間に一回ではなく、最初の頃は1か月に1回くらいで、最近は2~3か月に1回くらいという、このペースもいいんだと思う。

大竹 いまいちおもしろくない“谷間”みたいな時もありますけど(笑)、そういう時も文句を言いながらも、結局面白くなっていくんですけどね。

三村 スタッフに文句を言えるっていう関係性も、よかったのかもしれないですね。

あびる ある時期、下ネタに走って迷走している期間もあって(笑)、それを乗り越えて、スタジオでの実演やフリップネタとか、通常運転に戻ってきたと思います。私たちだけじゃなくて、視聴者の人もみんなができるネタが多くなっているのも、いいと思う。

三村 下ネタは、本能でカミさん観てないだろうなって、そういうイタズラ心が働くんだよね(笑)。子供には見つかるかもしれないけど、悪カミさんに発見されなきゃいいやって感じでやってます(笑)。

大竹 とにかくカミさんに見つからなければ、全てのことはね(笑)。

三村 それで余計なこと言ってるのかもしれないですね(笑)。

大竹 若い人たちは観るよね、子供たちは。

三村 最悪、子供はいい(笑)。一人にみつかるかどうかです(笑)。

あびる 世間にじゃないんだ、奥さんだけになんだ(笑)。

「DVDの特典映像の撮影で、必ずハプニングが起きる。誰かが何かをやらかしてしまう(笑)。それが毎回すごく楽しみ」(あびる)

10年間で600回を超えるエピソードを配信しているが、一番の思い出を聞いてみると――。

あびる 1番というと難しいのですが、毎回DVDの特典映像の撮影で、国内、海外も含め、色々な国や場所に行くのですが、必ずといっていいほど謎のハプニングが起こるんです。ドッキリを仕掛けていないのに、誰かが何かをやらかしてしまう(笑)。それがすごく楽しみでした。

大竹 だいたい珍道中です。夕陽バックでって言ってるのに、前から浴びてるとかね(笑)

あびる DVDを押し売りするつもりはないですけど(笑)、やっぱり観て欲しいですね。

三村 (配信したタイトルが書かれた資料を見ながら)俺は、2009年5月14日の「ヌーブラを噛む」ですかね (笑)。

一同 爆笑

大竹 ヌーブラって言いたいだけだろ?(笑)。

三村 なかなかヌーブラ噛む機会ないですから。記憶ないですもん、ヌーブラ噛んだっけなって(笑)。

大竹 俺は「ウインナーメーカーで、鼻の穴に肉を入れると象になれる」ですね(苦笑)。

三村 記憶にも記録にも残ってる?(笑)。

大竹 DVDにも残っていますし(笑)、司令された部下が、任務を遂行するためだけのロボットになり、こっちの思いとか気持ちは一切考えずにやらせるというね。あの恐怖感はないね。

一同 爆笑。

YouTuberの先駆者的存在!?

この番組は、さまぁ~ずとあびる優の二組が、ユーザーからの投稿を元に楽しいこと、気持ちいいことを検証。自分だけのコツなど、“真剣に”バカバカしさを追求、ひたすら快楽を追求する。いってみれば「YouTuber」の走り的な存在だった。

大竹 今YouTuberが色々なことにチャレンジしたり、検証したりしてるけど、それを10年前からやっていたのが、この番組(笑)。

三村 でも金持ちになってないバージョン(笑)。

大竹 YouTuberになれてないバージョン(笑)。

あびる いきなりYouTuberになってたら、どうなっていたんだろうね?(笑)。

三村 俺らはテレビに出ていたから、YouTuberになれないのよ。

「何も知らされずスタジオに“運ばれてくる”。だから3人の“素”が出て面白いんだと思う」(大竹)

収録当日。3人は当日まで何をやるのか一切知らされず、無防備な状態でスタジオにやってくる。予定調和は一切なし。その瞬間の反応、予想外の展開にスタッフも爆笑し、視聴者は引き込まれる。

あびる 無防備も何も、全く内容を知らされずに来ます。

大竹 スタジオまで“運ばれてくる”感じです(笑)。だから3人の“素”が出て面白いんだと思う。本当にゲストも誰だからわからないし(笑)。

三村 聞こうと思えば教えてくれますけど、敢えて聞かないようにしてます。

この番組は罰ゲーム、特に大竹が罰ゲームを受ける姿を楽しみにしている視聴者が多い。しかし罰ゲームが本気で嫌な大竹は、ゲームに真剣に取り組み、そこから予定調和ではない笑いが生まれる。

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大竹 罰ゲーム先行の時代もあったね。謎の「鼻」を使う期間ありましたね(笑)。

あびる それも結構長かった(笑)。

大竹 本編が雑で、罰ゲームに長い時間かけるっていう(笑)。

あびる 罰ゲームが本気だし、罰ゲームをやらせているときのスタッフさんの嬉しそうな顔は、やっている側は忘れられない(笑)。

大竹 基本的には罰ゲームを推してませんから。でもこの二人嫌がってないから(笑)。

あびる 嫌なのもあるよ。

三村 大竹さんに比べればまだ大丈夫かなくらいで、心の中では嫌と思っている(笑)。

あびる「ドローンで鼻フック」は三村さんじゃなかった?

三村 ああいうの平気なんですよね、俺Mなのかも(笑)。どれくらい痛いのかなって、試したくなっちゃう自分もいるんですよね。どれくらい嫌なんだろうとか、俺が罰ゲームくらっても、視聴者はあまり面白くないと思うんですよ、本気で嫌がってないから。だから罰ゲームはやめたほうがいいと思う(笑)。

大竹 そうやって余裕があるから、俺が負けちゃうんだよ、俺だけガチだから。エスカレートし過ぎて、危ないのあったよね。

三村 スタッフはシュミレーションを女性とかおじさんでやっているかなっていう(笑)。

大竹 やってないね(笑)。だって演者の顔から血が出てても大丈夫なスタッフだから(笑)。タイトルだけ見ても「鼻エアガン」って、バカでしょ(笑)。 我々は鼻から血が出たらダメですから(笑)。鼻にやるやつ、全部ダメ(笑)。

一同 爆笑。

「3人のうち一人が急に頭がよくなって『これはこうなるんだよ!』とか言い出したら、続いてなかったかもしれない(笑)」(三村)

「怒ったりこんなに色々なことを言う番組は、珍しい。他にないですね」と大竹が言うように、“素”で臨むことができるこの番組を、自分達も楽しんで作っている。もしかしたら作っているという感覚も感じないほど、“素”になっているのかもしれない。この10年間で一番

変わったことを、それぞれに聞いてみると――。

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大竹 俺も三村さんも変わってないですけど、あびるは太ったり痩せたり、結婚して子供産んだり色々あった。

あびる 大竹さんも結婚したり子供が生まれたり。

大竹 三村さんの体が弱ったり。

あびる 歯がきれいになったり、ホクロを取ったり(笑)。

大竹 昔のを観ると、誰なんだっていう、全員(笑)。それが今も観れちゃうじゃないですか、アーカイブで。

あびる 色々あったけど、根本的なところは3人共変わらないから、逆にマンネリ化しないでできているのだと思うし、私もいさせてもらえているんだと思う。見た目の変化や置かれた環境の変化はあったけど、結局現場に来ると、10年前と言っていることもやっていることも、変わってないと思うし、それがいいのだと思う。

三村 3人のうち、一人が急に頭がよくなって、「これはこうなるんだよ!」とか言い出しちゃったら、続いていなかったかもしれない(笑)。もう1度初回の#1からやり直しても、何も変わらないかもしれない。

あびる 私は結婚してママになって、世間から見られ方は変わったかもしれないけど、また一からできるかっていわれたら、周りが止めない限り、できるというスタンスでいるので(笑)。

大竹 ほぼNGなしですよね。逆に周りが止めたくらい(笑)。

あびる 初回から観てくださっている方は、私たちと同じように10歳を重ねているのでこの番組を見ると、「俺らまだまだ行けるじゃん!老けてないじゃん!」とか思ってもらえるような番組になっていけばいいな。誰がいつどのシーンで観ても、自分たちの気持ちを若く保っていられるような感覚で、観てもらえる番組。

三村 さっきも言ったけど、飽きないんだよね。忘れちゃうからですかね(笑)。たぶんバカ人間なんですよね(笑)。ど忘れ人間でもあり。

あびる それこそ初期にやったネタとかが、じゃあ今回はこの投稿きてますっていったら、何も気づかず3人でやっちゃうかも(笑)。

10周年を機に番組名を始め、リニューアル。さらにパワーアップを図る。「ここからまた10年目指して、シニア層向けの番組になると面白いかも(笑)」(あびる)

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昨年、公式YouTubeチャンネル「トゥルさまch」も開設され、スタッフおすすめ回のダイジェストが配信されている。さらに10周年を機に、2月11日配信分から、リニューアルされ、番組名も『トゥルさま☆』に変わり、番組セットや衣装なども全て一新。番組内容も、ユーザーから投稿されたネタをベースとした、スタジオでの実演やフリップネタなど、“らしさ”をさらにパワーアップさせ、ジャズの似合うネタを、ドラマ形式で紹介するという新企画なども登場する。今回のインタビューは、そのリニューアル初回分の収録を終えた直後に行った。

大竹 あれリニューアルなんだ(笑)。

あびる 9年間同じ衣装だったのが変わりました(笑)。

大竹 セットも変わったね。ちょっと豪華になって。

三村 タイトルも変わってますし。

あびる これから初めて観る方も、どんどんアイディアを送って欲しいです。これちょっと日本じゃできないなとか、スタジオだと難しいかなと思ったら、私たち海外でもどこでも行くので(笑)。

三村 こっちが前にやったことを、YouTubeでやっている人もいるかもしれないし、その逆もあるかもしれない。でもやる人が変わればみたいなところで、色々な投稿を寄せてほしいですね。

あびる これからまた10年目指したらすごいと思うんですけど、10年経ったら私は40を超えて、二人は60近くなり、でもそうしたらコンセプトを変えて、シニア層に向けた番組にしたら面白いかもしれないですし(笑)。

大竹 面白いね、それ。

三村 この薬飲み続けたら、一年後健康になる検証とか(笑)。

あびる ここ(ツボ)をずっと押し続けたら、首が凝らなくなるとか(笑)。

大竹 健康から一番かけ離れてる俺たちがやるから、面白いかもね。

『トゥルさま☆』 毎週月曜更新中

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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