ソロデビュー30周年 ”表現者”玉置浩二の、底知れぬ才能

オーケストラとの共演で改めて感じた、その強靭な歌唱力と圧倒的な表現力

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5月16日、東京文化会館で、玉置浩二ソロデビュー30周年記念公演「KOJI TAMAKI PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2017-THE GRAND RENAISSANCE-」の初日を観た。あれから2か月が経とうとしているが、あの日感じた深い感動、衝撃といった方がいいかもしれない魂の震えは、今も耳と心と肌に鮮やかに残っている。日本を代表するコンダクター・大友直人のタクトに呼応し、力強く、優雅で繊細な音で、圧巻の“響き”を聴かせてくれた東京フィルハーモニー交響楽団。その音と玉置の迫力ある強靭な歌唱力、圧倒的な表現力の歌とがひとつになると、感動の波が生まれ、ホール全体を包み込んだ。

安全地帯35周年、玉置ソロ30周年で『ALL TIME BEST』を同発。その豊かな感受性が、一曲一曲に鮮やかに映し出されている

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今年は安全地帯がデビュー35年、玉置がソロデビューして30年というアニバーサリーイヤーだ。5月31日には安全地帯の『ALL TIME BEST』がユニバーサルミュージックから、玉置のキャリア初の『ALL TIME BEST』がソニー・ミュージックダイレクトから同時発売され、どちらも順調に売上げを伸ばしている。シンガーとして、そしてソングライター、メロディメーカーとしての玉置浩二という表現者の、底知れない才能には改めて驚かされる。玉置の1987年から2013年までのシングル表題曲25曲が、レーベルの垣根を越えて収録された『ALL TME BEST』は、まさに珠玉の名曲集だ。ソロでの歩みが年代順に並んでいるので、声質や曲調、詞の視線の変化、アレンジの変遷を感じる事ができる。移ろう時代、時間の中で、その豊かな感受性が鮮やかに一曲一曲に映し出されていて興味深い。

大きな「包容力」で聴き手を包む

’87年8月にリリースしたソロ1stアルバムのタイトル曲で、デビューシングルの「All I Do」は、ブラックソウル調で、多くのリスナーが持つ安全地帯のイメージとは全く違う色合いだ。安全地帯のボーカリストとは違う、ソロシンガーとしての存在意義を示したかのような、強さを感じる一曲。初のミリオンセールスになった「田園」は、その土着的なメロディから日本の風景が浮かんできて、“生きていくんだ それでいいんだ”というシンプルで根源的なメッセージが、深く伝わってくる。玉置が作る音楽は、この曲のように、どこか民謡的な大衆性と、「氷点」など童謡のような郷愁感を感じさせてくれるところが大きな特徴だ。メロディがシンプルなところも共通している。多くのアーティストがカバーし、ファンの間でも絶大な人気を誇る不朽の名曲「メロディー」もそうだ。歌の表現力がより必要になる。体全体、躯幹を使ったその歌唱法は、声を共鳴させる声楽家のそれのようで、さらにファルセット、ウィスパーボイス、シャウトまでも自在に使いこなす事ができる超絶テクを持ち合わせている。太くて、しかし多分に空気感を含んだ繊細さも感じさせてくれる声は、大げさではなく日本の音楽シーンの宝だ。

美しく強いファルセットが堪能できるバラード「行かないで」、ひたむきで優しい歌詞が、聴き手の肩を抱き、背中を押してくれる「MR. LONELY」は、ファンから支持の高い作品。色々なものを削ぎ落したシンプルなロック、ブルースで構成され、“本当に大切なものはなにか”という事を、情緒豊かなボーカルで歌う「このリズムで」コブクロがカバーした事でも知られる「しあわせのランプ」、母親への万感の想いを込めたラブレターでもある「純情」など、時に強く、時に優しく、温かく抱きしめてくれるように歌ってくれている。その「包容力」には胸を打たれる人が多い。

安全地帯は4年ぶりのツアー、玉置ソロ30周年記念全国ツアーが決定

安全地帯
安全地帯

6月25日にオンエアされた第8回目の「玉置浩二ショー」(NHK BS プレミアム)でも、小野リサ、沖仁、村松崇継をゲストに迎え、まさに成熟の時を迎えた、表情豊かな、圧巻の歌を聴かせてくれた。そして安全地帯とは「ワインレッドの心」のアコースティックバージョン、安全地帯結成のきっかけにもなった、リスペクトしているドゥービーブラーザーズの「Listen To The Music」、さらに「夢のつづき」などを披露し、歌う事を心から楽しんでいる様子が伝わってきた。その姿を、次はソロデビュー30周年記念したツアー『玉置浩二 ALL TIME BEST「30」~30th Anniversary Tour 2017~』(全29公演)で見せてくれる。さらに安全地帯も4年ぶりのツアー『安全地帯 ALL TIME BEST「35」~35th Anniversary Tour 2017~』を、11月23・24日の日本武道館と12月9日香港・アジアワールド・エキスポで行う事が発表されている。

まだ一度も玉置の歌を生で聴いた事がないという人は、是非この機会に体感し、深い感動を味わって欲しい。

「OTONANO」玉置浩二『ALL TIME BEST』特設ページ