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新潟県民から愛される、地域密着型アイドルNGT48 高まる個性派集団への期待 

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
ビジュアル、パフォーマンスのスペックが高いメンバーが揃う個性派集団、NGT48

デビューシングル「青春時計」がビルボード、オリコンのシングルランキングで1位を獲得

デビューシングル「青春時計」(4月12日発売)
デビューシングル「青春時計」(4月12日発売)

AKB48グループのCDデビューとしては、2013年3月のHKT48以来4年ぶりとなる、新潟県を拠点に活動している、国内5組目の姉妹グループ・NGT48。そのメジャーデビューシングル「青春時計」(4月12日発売)が、オリコン週間CDシングルランキング(約16万枚)、ビルボードジャパン週間シングル・セールス・チャートで初登場1位を獲得し、順調なスタートを切った。

NGT48は、AKB48、SKE48、Not yetを経て移籍してきたキャプテンの北原里英、NMB48、フレンチ・キスで活躍し、AKB48 Team B と兼任の柏木由紀という、経験豊富な人気メンバーと、第2回AKBドラフト会議で指名された、バイトAKB出身の荻野由佳、西潟茉莉奈の2名、そしてオーディションで新潟県内外からの5,850人の応募の中から激戦を勝ち抜いた22人の1期生によって結成され、現在(2017年4月現在)は、Team NIII16名と、研究生9名の25人が在籍している。

北原里英
北原里英

「青春時計」の1位を受けて、キャプテンの北原は「NGT48にとって、デビューシングル1位をいただけたということは、とても嬉しいです。グループ結成以来、地元・新潟のみなさんはもちろん、全国のみなさんから本当にあたたかい応援をしていただきました。心から御礼を申し上げます。「青春時計」がたくさんの方々に届き、長く愛していただけるように、がんばりたいと思います。本当にありがとうございます。」(北原里英)とコメント。同曲でセンターを務めた中井りかは、「本当に私にとっては夢のまた夢のようで、本当にCDデビューしたんだなぁと実感がわいています。たくさんの応援ありがとうございました!これからもがんばります!!」と喜びを爆発させている。

中井りか
中井りか

そんな彼女たちのライヴを初めて観たのは、3月18日に地元・新潟で行われたフリーイベント「祝・メジャーデビュー! NGT48ここからプレーボール!@HARD OFF ECOスタジアム新潟」でだった。この日は仕事の都合で欠席した柏木と長谷川玲奈を除く24人が参加し、2回公演で、新潟県内外から1万人を動員。寒風吹きすさぶ中、デビュー曲「青春時計」を地元で初披露した他、カップリング曲の「暗闇求む」「出陣」「純情よろしく」「下の名で呼べたのは…」やAKB48のナンバーを歌った。公演後の会見でセンターを務める中井は、センターに決まった時の感想を聞かれ「決まった時は最初は嬉しい気持ちと、本当に私でいいのか不安でした。他のメンバーの悔しい気持ちもわかるので、自信を持って頑張らないといけませんが、センターを素直に楽しみたい」と緊張の中にも笑顔を見せ、北原は「オリコランキングの1位を獲りたい」と語っていた。

曲も衣装も圧倒的なオリジナリティを感じさせてくれる。ビジュアル、パフォーマンスのスペックが高いメンバーが揃う個性派集団

3月18日 HARD OFF ECOスタジアム新潟
3月18日 HARD OFF ECOスタジアム新潟

「青春時計」はミディアムテンポで、頭からラップ調という意外な展開で、そしてどこかノスタルジックなフレーズが印象的だ。目を引いたのはその衣装だ。赤と白を基調にして、 ふわりとどこまでも広がっていきそうなエアリーな衣装は、これまでの48グループのそれにはなかったシルエットで、インパクトがある。この他の衣装も、NGT48独特の雰囲気を感じさせてくれ、目立つビジュアルが印象的だ。そしてその音楽も、全く違うタイプの、様々な表情をもった楽曲が揃っていて、そこも、ビジュアル、パフォーマンスのスペックが高く、キャラクターも含め個性派揃いとの呼び声高い彼女達らしい。CDのタイプ別の楽曲がMUSIC VIDEOともに収録されていて、各メンバーごとの特典映像も収録され、メンバーそれぞれの溢れる魅力を、26人のクリエイターが切り取り、見せてくれている。

”地域密着型”にこだわり、様々な面で新潟県をアピール

3月18日 HARD OFF ECOスタジアム新潟
3月18日 HARD OFF ECOスタジアム新潟

NGT48が他の姉妹グループと大きく違うのは、徹底した“地域密着型”というスタイルだ。デビューが決まって以来、彼女達は、新潟市の移住促進動画や地元企業とコラボしたメンバー考案商品の発売、新潟県産米のPR活動など、地域活性化のための活動に積極的に参画している。新潟県の人口は約230万人と、全国で15番目の規模で、HKT48 の本拠地・福岡県(福岡市)や、SKE48の愛知県(名古屋市栄)と比べると規模は小さいが、東北や北陸地域からの集客が見込め、また今回のイベントのような大きな催しがある時は、全国からファンが新潟まで足を運ぶ。それに伴う飲食店、商業施設などでの消費の増加、さらには交通機関、宿泊施設の利用による相乗効果も見込める。またこれからNGT48から、スターが誕生していき、さらに北原や柏木のように他の48グループからの移籍や兼任で新潟に人気メンバーがやってくる事で、その経済効果はさらに大きくなり、数字で見えない部分では、新潟の小学生、中学生、特に女のコ達に夢と元気を与えるという事にもつながる。NGT48メンバーを目指す子も増えてきそうだ。「青春時計」のMUSIC VIDEOも、NGT48劇場がある新潟市万代シティ周辺で撮影を敢行し、新潟県内外からファン約1,000人がエキストラとして参加している。

AKB48とその姉妹グループがいい意味で競い合い、またアイドルシーン新時代を切り拓いていっているが、そこにまた一組、圧倒的なオリジナリティを感じさせてくれるグループが、新潟から殴り込みをかける。層の厚い研究生も含めて、個性派集団は団結力も兼ね備えており、早くも“強さ”を感じさせてくれる。そんな彼女達の「出陣」という作品には、戦いの海原に漕ぎ出したその決意表明と、詞を手がける秋元康総合プロデューサーからのエールが込められている。「あの城を攻め落とさなきゃ てっぺん獲れない 僕らの領地を広げるんだ」と。

画像

<Profile>

NGT48(エヌジーティー・フォーティーエイト)。秋元康プロデュース、AKB48 5番目の国内姉妹グループとして、2015年8月21日にお披露目された新潟県発・初の日本海側グループ。キャプテンの北原里英、AKB48兼任の柏木由紀らの人気メンバー率いるチームNIII16名と、研究生10名の計26名からなるアイドルグループ。NGT48劇場での劇場公演や、数多くの新潟企業とのコラボレーションなど地域密着型の活動を中心に活動の場を広げる。2016年6月18日 新潟県 新潟市“HARD OFF ECOスタジアム新潟”にて開催された「AKB48 45th シングル 選抜総選挙~僕たちは誰について行けばいい?~」(第8回AKB選抜総選挙)にて、NGT48のメジャーデビューが発表される。

2017年1月20日 東京初単独公演「NGT48 1周年記念コンサートin TDC ~Maxときめかせちゃっていいですか?~」@TDCホールにて、デビューシングル発売日、表題曲の選抜メンバー、センターを中井りかが務めることが発表される。「AKB48グループ リクエストアワー セットリスト ベスト100 2017」にて、 969曲の中、NGT48「Maxとき315号」が1位を獲得するなど注目度が高まる中、2017年4月12日、アリオラジャパンよりメジャーデビューシングル「青春時計」をリリース。新潟の象徴でもある朱鷺のカラー“白と赤”のヴィジュアルを基調としている。

NGT48オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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