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モーニング娘。OGの高橋愛が「リーダーをやってるかも?」、あべこうじプロデュースで作った「居場所」

田辺ユウキ芸能ライター
左から、藤井早希子、高橋愛、中西悠綺、槙田紗子/写真:アップフロントクリエイト

「GOKI-GENsのリーダーをやってるかもしれません、高橋愛です!」

3月下旬、大阪市内で開催された音楽イベントのステージ上でこのように自己紹介したのは、モーニング娘。のOGである高橋愛だ。

約10年間在籍し、6代目リーダーもつとめたモーニング娘。を卒業したのが2011年9月。その後は女優・モデル業だけではなく、ファッションブランドのディレクターなど多岐の分野で活躍。そんな高橋愛が、夫であるお笑い芸人・あべこうじのプロデュースのもと、2021年春に結成したダンス&ボーカルグループがGOKI-GENs(ゴキゲンズ)である。

高橋愛とともに同グループの立ち上げにかかわったメンバー、藤井早希子はアパレルや雑貨を販売するセレクトショップ、BEAMSに勤務しながらステージに上がっている。2024年1月に加入した振付師の槙田紗子は、TikTokで話題となったアイドルグループのFRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」(2023年)、超ときめき宣伝部(※註1)の「すきっ!」(2018年)の振付を担当。また自身も2015年までPASSPO☆の一員としてアイドル活動をおこなっていた。2023年12月には、女優の中西悠綺がグループに加入。中西悠綺もかつてアイドルグループのメンバーを経験している。

(※註1)超ときめき宣伝部の正式名称は「き」と「宣」の間にハートマーク

高橋愛「モーニング娘。時代は自分で自分を苦しめていた」

写真提供:アップフロントクリエイト
写真提供:アップフロントクリエイト

各自が“拠点”を持っているGOKI-GENsのメンバーたち。それぞれにとって「GOKI-GENsはどんな存在なのか」とインタビューをしたところ、高橋愛から「ありのままでいさせてくれて、自分らしさを表現できる場所」との答えが返ってきた。

「私はもともと自由になんでもやるタイプ。だからこそ、モーニング娘。時代は自分で自分を苦しめていたところがありました。『こういう風にしなければいけない』と考えすぎていたんです。だけど今は『自分たちにとってご機嫌じゃない選択はしない』と思えるんです。現体制になってまだ日は浅いから、いろんな壁にぶつかることも出てくるでしょうが、そんなのは壊せばいい。こえられない壁なんてないんです」

モーニング娘。時代からの高橋愛のファンだと公言するのが、藤井早希子だ。「私はモーニング娘。が好きすぎて、みんなで話をしていてもその話題ばかり。たまに『愛ちゃん、嫌じゃないかな。オタクがすぐそばにいて迷惑じゃないかな』と心配になるんです」と高橋愛の顔をのぞきこむ。

しかし、藤井早希子は「『とにかく好きなことを発信するし、実践してみる』がモットー。GOKI-GENsの楽曲『好きを言葉に変えて』の歌詞<出身や年齢や職業は関係ない>(※註2)にもある通り、私は会社員ですけど、こうしてGOKI-GENsとして活動させていただけて、有りがたさとやりがいを噛み締めています」と話す。たしかにGOKI-GENsは、ライブでもオリジナル曲はもちろんのこと、モーニング娘。の代表曲「恋愛レボリューション21」(2000年)も披露されるが、そのときの藤井早希子の生きいきとしたパフォーマンスからは、自分が好きなものへの愛情があふれ出ている。

(註2:「好きを言葉に変えて」作詞:春海茜(GOKI-GENs)/作曲:柿澤秀吉)

振付作品が話題の槙田紗子「大人が好きなことをして遊んでいるグループ」

それでも、前述したようにメンバーそれぞれが“本業”を抱えている。槙田紗子は振付師として引っ張りだこで、大忙しなはず。ただ槙田紗子は「振付だけやることに飽き始めてきて」と笑う。

「加入前にGOKI-GENsのライブを見に行ったとき『私がここに入らない人生ってないんじゃないか』と思ったんです。もちろん振付師として忙しくさせていただいていますが、誤解を恐れずに言えば、GOKI-GENsは『大人が好きなことをして遊んでいる』という気持ちなので仕事感がないんです。だから苦になる瞬間が一つもない。むしろなにかを一つだけやる方がしんどい。あと、自分が実際にまたステージに立つことで、振付師として教えられるものが増えると考えています」

高橋愛が「いい意味ですごくおバカなんです」とそのキャラクターを褒めるのが、中西悠綺だ。中国語や英語が得意で、中華圏のSNSの総フォロワー数はなんと60万人。一方で高橋愛が「一緒に旅行へ行ったときも、ずっと鼻歌で歌っていて。『その曲はなに?』と尋ねたら、即興で作った悠綺のオリジナルソングらしくて」と振り返る。中西悠綺は「自由でいても大丈夫だよ、というグループのコンセプトに甘えさせてもらっています」と声を弾ませる。

「とにかく3人の圧がすごいので、私はいつも圧倒されます。でもアイドル活動時代は目の前のことを一つひとつこなすのに精一杯だったけど、GOKI-GENsはそんなに気負う必要はない。家族がライブを見に来てくれたとき『楽しそうにやっているね』と言ってくれたのがすごく嬉しくて。自分を飾らなくていい場所です」

あべこうじはダンサー?「才能がすごくあります」

個性的なメンバーをプロデューサーとして取りまとめるのが、お笑い芸人のあべこうじだ。藤井早希子は「あべさん自身、芸人として舞台に上がらなきゃいけないのに、私たちのためにちゃんと時間を作ってくれて。スタジオ練習にも立ち会ってくれるし、いつの間にかカメラをまわしていて、曲もできていて、レコーディングもセッティングしてくださって」と“敏腕”ぶりに目を丸くする。

私生活でもパートナーである高橋愛が「あべプロはなんでも次に進むのが早いタイプ。『楽しかったね』と噛み締めている間もなく、次の手を考えている」とグループにスピード感をもたらしてくれると話せば、中西悠綺は「あべさんはいつも私たちをハッピーマインドに変えてくれるんです。物事を明るい方向へ進めてくれます」と芸人らしいポジティブさがあるという。

一方、槙田紗子は「あべさんは……ダンサーですね」と踊りの面に着目。「あべさんのダンスをもっと見たいです。私はGOKI-GENsでも1曲だけ振付を手掛けたのですが、あべさんはそれを一瞬で覚えて。楽曲のなかにはあべさんのアイデアから生まれた振付もあるし、ダンサーとしての才能がすごくあります」と一目を置く。

そんなGOKI-GENsの大目標は「武道館に立つこと」だ。しかしそれは日本武道館に限ってはいない。高橋愛は「結成当初『武道館に立ちたい』と言った手前、引くに引けなくなったところもあるんですけど(笑)。でも“武道館”の名がつく会場って日本全国、世界各国にたくさんあるんです。だから世界中の武道館を制覇していきたいですね」と広い視野で活動したいという。

最後に高橋愛は「ヨーロッパでも、アメリカでもどこでも行けますから。私たちに壁なんてなにもないです」とゴキゲンなテンションで語ってくれた。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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