Yahoo!ニュース

カラフルスクリームが大手メディアから「NMB48を追走」と評価される理由、音楽とオモロさで頂点目指す

田辺ユウキ芸能ライター
左から、あみ、かれん、ゆうか、みくる、みゆ、なこ、みなみ/写真:ノースサウンド

ラジオブースからにぎやかなトークが聞こえる。台本、7人分のマイク、音声のオン・オフを操作するカフとともに机の上に広げられた、たくさんのお菓子。それをつまみながら「好きなおにぎりの具材はなんなのか」「最近どういうものを捨てたか」など、日常会話が繰り広げられていた。

4月5日よりスタートした、大阪の大手ラジオ局であるABCラジオが手掛けるポッドキャスト番組『カラフルスクリームのうちら彩叫(さいきょう)やねん』。同番組は、大阪を拠点に活動するアイドルグループ、カラフルスクリームの“リアルな声”を完全再現する内容。リスナーからの質問にこたえるほか、吉本新喜劇の放送作家が執筆した台本をもとにしたラジオコントもオンエアされる。

ABCラジオのプロデューサー「NMB48の次に名前が挙がるのは、間違いなくカラスク」

『カラフルスクリームのうちら彩叫やねん』初回収録の模様/写真:筆者撮影
『カラフルスクリームのうちら彩叫やねん』初回収録の模様/写真:筆者撮影

カラフルスクリームは2017年1月にデビュー。さまざまなアイドルグループへの楽曲提供ほか商業音楽の制作もおこなう正垣和則さんがプロデューサーをつとめる同グループは、かわいらしさと激しさを融合させたライブパフォーマンス、エモーショナルなナンバーの数々、一体感を生み出す振付などでファン数を年々増やしている。約7年の活動のなかで何度かメンバーチェンジがおこなわれ、現在は、なこさん、ゆうかさん、かれんさん、あみさん、みくるさん、みゆさん、みなみさんの7人で構成。日本最大級のアイドルイベント『TOKYO IDOL FESTIVAL』には2020年から連続で出場(2021年は新型コロナで開催中止)。また、BIG CAT、なんばHatch、大阪城野外音楽堂といった大阪の大規模会場でのワンマンライブも満席にするほど、高い人気と実力を誇る。

『うちら彩叫やねん』を担当するABCラジオのプロデューサー、亀井信男さんは「放送局に勤める者の実感として、大阪のアイドルシーンはNMB48が飛び抜けている」と“一強状態”を認めながら、「『じゃあその次は?』と聞かれたら、間違いなくカラフルスクリームの名前が挙がります」と説明する。

「カラスク(グループの愛称)は、一人ひとりがキャラ立ちしている。プロのラジオ制作者として『このおもしろさをうまく料理したい』と思えるほど、逸材揃い。まだインディーズのグループですが、ライブパフォーマンス、メンバーの個性、いずれもメジャーであるNMB48を追走する一番手。僕は全国のアイドルを見ていますが、『大阪だから』という贔屓目なしで可能性をもっとも感じています」

たしかに2023年11月に滋賀県で開催された大規模イベント『SHIGA IDOL COLLECTION』でも、#ババババンビ、ハロプロ研修生ユニット’23、STU48、GANG PARADEら全国で知られるグループが揃うなか、カラフルスクリームは関西勢で唯一選出された。同イベントの関係者と話をしたときも、“関西代表”を任せられるのはカラスクだと即決だったそうだ。

「もっとおもしろい人間になりたい、ポッドキャストでも上を」

2回分の収録がおこなわれ、約3時間喋り続けた/写真:筆者撮影
2回分の収録がおこなわれ、約3時間喋り続けた/写真:筆者撮影

予定を大幅に越えて3時間近く喋り続け、初めての番組収録を終えたカラフルスクリームのメンバー。

みゆさんは「ラジオ番組はずっとやりたかったことなのですごく嬉しい。私は『話しているときの声がいい』と言っていただけることがあるので、そういうお仕事につながってほしい」と充実した表情を浮かべると、あみさんは「私はほかのメンバーほど喋るのがうまくないので、みんなに助けられました」と仲間たちのトーク力の高さに脱帽。みくるさんは「メンバーのかれんのジングル(短い番組紹介)がとにかくおもしろい。ポッドキャストなので何度も聴くことができるし、私ももう一回聴きたいです」とオススメした。

ちなみにポッドキャストは、数ある音声コンテンツのなかで今もっとも注目されているものである。Spotify、Amazon Musicほかで聴取でき、就寝前、移動時などさまざまなシーンで手軽に利用されている。特に、お笑いコンビのマユリカの『うなげろりん!!』(ラジオ関西)などバラエティ系の番組が脚光を浴びている。『うちら彩叫やねん』プロデューサーの亀井さんは「ラジオ番組は聴き逃したら終わり。でもポッドキャストはネット環境さえあればいつでも、どこでも聴くことができる。ABCラジオとしても、『うちら彩叫やねん』を全国のアイドルのポッドキャスト番組のトップランナーにしていきたい」とかなり力を入れている。

メンバーのかれんさんも「おもしろいことをやるのが好き。私自身、もっとおもしろい人間になりたいので、ポッドキャストでも上を目指したい」と息巻く。一方、ゆうかさんは「冠番組ですが、自然な感じで、いつも通りのテンションでやっていきたい。それがこの番組の良さだと思います」と“カラスクらしさ”を大切にしながら番組を長く続けたいと話す。

メンバーチェンジのたびに反発心「心の奥底で『見ておいてください』という気持ち」

2024年1月に開催された大阪でのワンマンライブの模様/写真提供:ノースサウンド
2024年1月に開催された大阪でのワンマンライブの模様/写真提供:ノースサウンド

全国有数のアイドル激戦区でありながら、NMB48に続く存在がなかなか現れないとされていた大阪。しかし今回のABCラジオ然り、いろんなシーンでカラフルスクリームを抜てきする関西のメディアが増加してもおかしくない。そのムーブメントがゆくゆくは東京ほか全国各地へ広がる可能性もある。

そんなカラフルスクリームの一番の“売り”は、やはり楽曲だ。4月16日にリリースされるトリプルA面のシングル「彩叫幸福論-さいきょうこうふくろん-/青春マグナム/感情はラブ!」は、すでにライブでも披露されている人気楽曲。リード曲「彩叫幸福論」は、いろんな困難を乗り越えて未来へ突き進んでいく大切さが歌われている。

メンバーのなこさんは「メンバーが入れ替わるたびに『あのメンバーが辞めたからパワーが落ちるんじゃないか』という風に言われ続けてきました。でも私たちは、それで自信を失うことは決してありませんでした。良い意味でそういった声への反発心があり、いつも心の奥底で『見ておいてください』という気持ちだったんです」と手をキュッと握る。だからこそ「この『彩叫幸福論』はそんなカラスクのことをあらわしているような、メッセージ性の強い楽曲になっています。こんなに『私たちの歌と歌詞を聴いてください』と言いたくなる曲は、初めてかもしれません」と自信をみせる。

また、みなみさんも「毎回、カラフルスクリームのメンバーとしての責任を感じながらライブに臨んでいます。イベントでは、共演するアイドルグループが私たちのパフォーマンスを見てくださることが多い。お客様、共演者さん、関係者さんなど、誰が見ても『カラスクが一番良かった』と言わせたい。だから常に気合いを入れてパフォーマンスをしています」と、自分たちに向けられる視線の数が増えていることを実感しているという。

5月1日には、東京のLIQUIDROOMにてワンマンライブ『彩叫楽舞〜誰もが幸せになるライブ〜EAST』を開催する。カラフルスクリームにとって、東京でのワンマンライブとしては過去最大規模となる。ただ、もちろんこれがゴールではない。

なこさんは「大阪で一番のアイドルグループになって、東京でも知名度をもっと上げ、最終的には世界中を幸せにできるアイドルグループになりたい。LIQUIDROOMでのワンマンライブを大成功させるのはもちろんですし、いずれはこの7人で大阪城ホール、日本武道館に立ちたい。今はまだ“夢”だけど、でもカラフルスクリームなら実現できると思います」と力強く語ってくれた。

音楽性はもちろんのこと、ポッドキャスト番組でコントの腕も磨いて、全国の頂点を目指す。

公式サイト:https://ntrecords.com
公式X:https://x.com/colorful_scream
『カラフルスクリームのうちら彩叫やねん』公式X:https://twitter.com/c_s_abc1008

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

田辺ユウキの最近の記事