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『キングオブコント2023』データとジンクス、「前年決勝最下位の巻き返し」「“2連勝中”前回3位」

田辺ユウキ芸能ライター
(写真:アフロ)

コントのナンバーワンを決める『キングオブコント2023』のファイナリストが9月27日に発表され、蛙亭、カゲヤマ、サルゴリラ、ジグザグジギー、ゼンモンキー、ニッポンの社長、ファイヤーサンダー、や団、ラブレターズ、隣人の10組が決勝進出を果たした。

前年決勝最下位のニッポンの社長は初の「巻き返し優勝」に期待

特に目を引くのが、ニッポンの社長の4年連続決勝進出という偉業だろう。同コンビは2022年大会も優勝候補の一角だったが決勝最下位の10位に。ただ、コント中の暗転演出が物議を醸すなどして話題となった。

『キングオブコント』の決勝へ4年以上連続で進出したのは、さらば青春の光(5年連続)、GAG(4年連続)の2組のみ。ちなみに両組の4年目の成績は、さらば青春の光が10組中10位、GAGが10組中8位(滝音と同点)だった。

前年の決勝最下位からの「巻き返し優勝」は過去に例がない。前年最下位からのファイナルステージ(最終決戦)進出も2020年大会の空気階段のみ(2019年大会9位(わらふぢなるおと同点)→2020年大会3位)。決勝最下位経験者の優勝はジャルジャルのみ(2009年大会8位→2020年大会優勝)である。

ラブレターズ、ジグザグジギーが勝てば「最長ブランク」の記録更新

7年ぶりにファイナリストとなったラブレターズは、ニッポンの社長と並んで今大会最多の4度目の決勝進出。またジグザグジギーも7年ぶり3度目の決勝進出となった。

「7年ぶり決勝進出」のブランクは、ジャルジャルの「9年ぶり」に次いで史上2番目の長さ(2015年大会のザ・ギースと同年数)。何年かのブランクがあって決勝へ進出し、優勝したのは2011年大会のロバート、2022年大会のビスケットブラザーズの「3年ぶり」が最長。ラブレターズかジグザグジギーが戴冠を飾れば「ブランク優勝」の記録を更新する。

またラブレターズも2016年大会で決勝最下位を経験。ニッポンの社長同様、史上2組目の決勝最下位経験者の優勝に臨む。

隣人にかかる「西」の期待、大阪拠点で唯一のファイナリスト

初の決勝進出はカゲヤマ、サルゴリラ、ゼンモンキー、ファイヤーサンダー、隣人の5組。『キングオブコント』の優勝者は第1回大会を除いて、初進出8組、決勝経験6組と初進出組がややリード。ただ、ここ3年はジャルジャル、空気階段、ビスケットブラザーズと決勝経験者が優勝している。そろそろ初進出組の一発があってもおかしくない時期だ。

「東京拠点」「大阪拠点」という部分では、東京拠点の勝率の方が高い。過去15回の優勝者で、決勝進出当時に大阪を拠点に活動していたのは2008年大会のバッファロー吾郎、2015年大会のコロコロチキチキペッパーズ、2017年大会のかまいたち、2022年大会のビスケットブラザーズの4組。今大会のファイナリストでは、2023年9月の時点で大阪を拠点とするのは隣人のみ。『キングオブコント』の決勝進出者の割合は毎年「東高西低」の傾向が強い。ホームグラウンドのよしもと漫才劇場でウケまくっている隣人にかかる「西」の期待は大きい。

「前回3位」は現在“2連勝中”、「生き物」は周期的に優勝タイミング

や団は2022年大会で3位となった。審査員の秋山竜次が「途中で(舞台袖へ)ハケてから、(ロングサイズ伊藤が)パーカーのフードをかぶって、タバコをくわえて出てきたのがヤバかった」と話すなどサスペンス的なストーリー展開が絶賛された。前年3位からの優勝は意外と多く、2013年大会のかもめんたる、2017年大会のかまいたち、2020年大会のジャルジャル、2021年大会の空気階段の4組が該当する。ちなみに2021年大会はザ・マミィ、男性ブランコが同点2位だったため3位が存在しなかった。そのため2022年大会は「前年3位」が不在に。つまり「前回3位」という点では現在“2連勝中”である。

あと遊びみたいな話だが、「人間以外の生き物の名前が入っているファイナリスト」が多いのも2023年大会の特徴。蛙亭、サルゴリラ、ゼンモンキーが決勝へ進んだ。過去「人間以外の生き物の名前が入っているファイナリスト」で優勝したのは、2008年大会のバッファロー吾郎、2013年大会のかもめんたる、2017年大会のかまいたちの3組。これまで4、5年おきに「人間以外の生き物の名前が入っているファイナリスト」が優勝を飾ってきているので、前述の3組は周期的にそろそろタイミングかもしれない(ちなみに2022年大会の「人間以外生き物」の枠だったいぬは9位)。

お笑いの賞レースは「そのとき、おもしろかった芸人」が勝つ。こういったデータやジンクスは実際「なんの役にも立たない」のだが、一つの楽しみ方としてほんの少しだけ気にかけてみてはどうだろうか。『キングオブコント2023』は10月21日にTBS系にて放送される。

※記事初出時の内容でラブレターズの2011年大会の順位を最下位と表記しておりましたが、正しくは8組中7位の誤りでした

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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