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HiHi Jetsがテレビ、映画で快進撃 作間龍斗出演のドラマプロデューサーが明かす「業界内注目度」

田辺ユウキ芸能ライター
作間龍斗(左)、門脇麦(右)/画像提供:WOWOW

2015年10月に結成され、ローラースケートを使ったパフォーマンスなどで人気をあつめているジャニーズJr.の5人組アイドルグループ、HiHi Jetsが勢いに乗っている。

橋本涼は4月6日より放送の連続ドラマ『墜落JKと廃人教師』(MBS)で単独主演に抜てきされた。橋本涼は、失恋を苦に命を絶とうとしていた女子高校生(高石あかり)に、「死ぬ前に俺と恋愛しない?」と持ちかけるクズ教師役。彼女を救うための嘘なのか、それとも欲望に身を任せているだけなのか。そのミステリアスなキャラクターは、橋本涼の雰囲気にもぴったりと合っている。

(※高石あかりの「高」は正式には「はしごだか」)

井上瑞稀は5月12日より全国公開の映画『おとななじみ』で主演を担当。同じく主演の久間田琳加が演じる女性との20年に及ぶ恋愛模様を描いた同作で、井上瑞稀は恋愛に鈍感な男性に扮している。幼馴染の間柄がどのように変化していくのか、甘酸っぱくて切ない心情を表現している。

ほかにも、4月から『超多様性トークショー!なれそめ』(NHK)で週替わりのレギュラーをつとめ、また3月22日放送の音楽特番『Premium Music 2023』(日本テレビ系)、同日放送の情報バラエティ『よるのブランチ』(TBS系)に高橋優斗、橋本涼、猪狩蒼弥、3月29日放送『謎解き!伝説のミステリー』(テレビ朝日系)に高橋優斗、4月13日より放送のドラマ『勝利の法廷式』(日本テレビ系)にも高橋優斗が出演するなど、メンバーそれぞれが各局のバラエティ番組、ドラマ、そして映画に引っ張りだこな状況になっている。

(※高橋優斗の「高」は正式には「はしごだか」)

門脇麦が絶賛「作間龍斗さんは作品に愛されている人」

画像提供:WOWOW
画像提供:WOWOW

そんなHiHi Jetsのメンバーのなかでも、俳優として評価を高めているのが作間龍斗だ。テレビドラマは『DIVE!!』(2021年/テレビ東京系)、『全力!クリーナーズ』(2022年/ABCテレビ)、映画は『ひらいて』(2021年)、『ヴィレッジ』(2023年4月21日公開)など、出演作はまだそれほど多くない。

しかし、3月24日よりスタートしたドラマ『ながたんと青と-いちかの料理帖-』(WOWOW)での演技が実に見ごたえがある。戦後間もない京都を舞台とする同作で、作間は、15歳年上の女性料理人・いち日(門脇麦)と結婚する男性・周に扮している。周は19歳の大学生で、大阪で老舗ホテルを経営する有力者の三男。いち日の実家である老舗料亭は経営再建のために、いち日と周の政略結婚を推し進める。ビジネスパートナーという間柄がどのように変化していくのかが、物語のポイントだ。

「作間さんは俳優として素晴らしい才能の持ち主。門脇麦さんが、『作品に愛されている人』と称したほどでした」と明かすのは、『ながたんと青と』の森田大児プロデューサーだ。

周は言葉数がそれほど多くない。そのため、雰囲気で感情をあらわす演技が求められる。森田大児プロデューサーは「周は表情にもそれほど気持ちを出さないので、ものすごく難しい役なんです。作間さんも、悩みながら、そして探りながら、『声のトーン、喋るテンポなど、ちゃんと役をつかめているでしょうか』と監督だけではなく私にまで何度も尋ねてくれて。そこでのアドバイスもどんどん取り入れるなど、撮影現場では、一つひとつ、丁寧にアプローチをしていたのが印象的でした」と熱心な姿に心を打たれたと話す。

「作間さんの佇まいがぴったりなんじゃないか」

画像提供:WOWOW
画像提供:WOWOW

同作の成り立ちは、原作漫画に惚れ込んだWOWOWの小高史織プロデューサーと脚本の弓削勇がドラマを企画したこと。「原作の舞台であり、時代劇の本場でもある京都撮影所で撮りたい」と、映画やドラマなどを制作している東映に企画が持ち込まれた。そこで、京都での制作に造詣の深い森田大児プロデューサーが携わることになった。

(※小高史織の「高」は正式には「はしごだか」)

いち日役は真っ先に門脇麦が決定したのだという。ただ、今や日本を代表する若手俳優である門脇麦の相手ということで、周役を決めるのは容易ではなかった。森田大児プロデューサーは周役のキャスティングについてこのように語る。

「原作でも大切な要素である『年の差』を演出するため、門脇さんと10歳以上の差を実際につけようとすると、キャスティングの選択肢は狭まります。20代半ばくらいの俳優さんに19歳を演じてもらうケースの方が圧倒的に多いですからね。でも監督も『できれば年齢差のリアルは追求したい』と言っていましたし、原作は『身長差』も大事に描かれていました。そのすべてをクリアできる人なんているのか、と思いました」

ただ、WOWOWのプロデューサーがドラマ『DIVE!!』、『恋の病と野郎組』(2019年/BS日テレ)で作間の演技を観ており、その話を伝え聞いた森田大児プロデューサーが「映画『ひらいて』を劇場で観たんです。そこで、作間さんの佇まいがぴったりなんじゃないかと感じました。監督もちょうど同作を鑑賞していましたし、原作者の磯谷友紀先生もすぐ賛同してくれました。当時、原作のキャラクター設定と同じ19歳という点も決定打で、すぐさまオファーすることになりました」と振り返る。

「ただお会いしたことがなかったんです。プロデューサーの立場として『生意気だったらどうしよう』と心配もしていました(笑)。だけど初めて会ったとき、物腰が柔らかく、だけど芯があってしっかりしていた。一方で喋ると19歳くらいの若者らしい純粋さも感じられた。キャスティング決定後、撮影前に衣装合わせをするんですけど、劇中の衣装を着用してもらったら原作の周と見た目もそっくり。『これはバッチリだ』と嬉しくなったのを覚えています」

「作間さんとの仕事はどうだったか、聞かれることが増えた」

森田大児プロデューサー/写真提供:本人
森田大児プロデューサー/写真提供:本人

作間はカメラがまわっていないところでも、熱心に原作漫画を読むなどし、役のイメージをつかもうとしていたという。

「なんといっても共演者が門脇麦さんですし、スタッフも第一線で活躍するベテランの方が多かった。そういう現場なので、作間さんは吸収するものも多かったようです。プロデューサーである私から見ていてもどんどんステップアップしているのが分かりました。ご本人も『じっくり考えることもできて、演技をするのが楽しいです』とおっしゃっていました」と充実した時間を過ごしていたそうだ。

一方で「作間さんは写真がお好きで、一眼レフのカメラを持参していろんな風景を撮影していらっしゃいました。オフィシャルのスチールカメラマンがふたりいるみたいな感覚でした。現場では動画も撮っていらっしゃって、パソコンを開いて、そこで撮った写真をその場で編集もしたりして。カメラマンにも機材について質問をしていて。いろんなことに興味があって、好奇心旺盛な方なのだと思います」と裏話も話してくれた。

今後、さらに映画、ドラマなどでの活躍が予想されるHiHi Jetsのメンバーたち。森田大児プロデューサーのもとにも「知り合いのプロデューサーの方たちからも『作間さんとの仕事はどうだったか』と聞かれることが明らかに増えました。みなさん『ながたんと青と』を観て、作間さんの演技に魅了されたようです。HiHi Jetsがグループとしてこれからどうなっていくのかは私は分からないですが、ただ作間さんを見ていると、間違いなくもっと注目されていくんだろうなって思います。それくらい、作間さんの作品への取り組み方がすばらしかったです」

連続ドラマW-30『ながたんと青と』はWOWOWプライム・オンデマンドにて全10話が順次放送・配信。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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