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インディアンス「新ネタを考え始めた」、ランジャタイ「来年も同じネタやる」『M-1』決勝翌日に6組語る

田辺ユウキ芸能ライター
撮影:田辺ユウキ

『M-1グランプリ2021』で準優勝を果たしたインディアンス、6位・ゆにばーす、8位・モグライダー、10位・ランジャタイ、そして敗者復活戦4位・見取り図、同戦8位・ニューヨークが12月20日、ABCテレビのトークバラエティ番組『やすとものいたって真剣です』の収録に参加。その模様を取材したほか、同日に開かれた記者会見で『M-1グランプリ2021』について話を訊いた。

モグライダーが証言「トルネードのせり上がりは“野田クリスタル対策”」

番組収録であがった話題のなかで興味深かったのは、ステージへせり上がるエレベーターが“トルネード”していた演出のこと。

モグライダー・ともしげは「昨年、(マヂカルラブリーの)野田クリスタルさんが土下座して出てきたけど、今回はそれをやらせないようにしたそうなんです」と“史上最速のつかみ”の防止が目的だったと明かした。

インディアンス「2019年の嫌な記憶が…」

決勝戦に流れる緊張感。準優勝のインディアンスは、あえて「勝ちにいかないようにしよう」と話し合ったという。

きむは「2019年の『M-1』でかまいたちさん、ミルクボーイさんがいかつい点数をとった。あの嫌な記憶がフラッシュバックしないように、待っている間は(他9組の)ネタは聞かないようにしていた。ウケを比べてしまうので点数だけ見ていた」と自分たちの漫才に集中したという。

ゆにばーす「決勝はシモネタの予定だった」

ゆにばーすは決勝進出用のネタを用意していたそうで、はらは「女芸人も乳首を出しても良い時代やろ、というネタをやるつもりだった。前日までそのネタをやるかどうか、(相方の)川瀬とケンカをしていた」と勝負に打って出るつもりだったが、川瀬名人は「はらは『上沼さんの心に響く』とか言っていたけど…」と呆れていた。

ネタ中に上沼恵美子と目が合ったランジャタイ

最下位ながら爪痕をのこしたのが、ランジャタイだ。やりたい放題の漫才を展開し、審査員で事務所先輩のサンドウィッチマン・富澤たけしは「おい、決勝だぞ!」と一喝。同じく審査員の上沼恵美子も「(ネタ中は)気絶していた」と呆気にとられた。

国崎和也はネタ中「ムーンウォークをしているときに上沼さんと目が合って、見たことがない顔をしていた。この世のものじゃない顔でした」と振り返った。

見取り図「漫才に向き合った」、ニューヨーク「守りに入った」

敗者復活戦で散った見取り図は、「テレビの仕事が増えて漫才に向き合えなかったのではないか」との意見が出ていることに対し、盛山晋太郎が「僕らは今年、(劇場などで)450本以上の漫才をしている。めちゃくちゃ漫才に向き合っていた」と反論。

同じく敗者復活戦で敗れたニューヨークは、屋敷裕政が「初めて決勝に出たときが一番楽しかった。今はディフェンシブになっている。今の地位を守るために『M-1』へ出ている気がする」と葛藤を話した。「好きな芸人ランキング2021」で1位になりながら、叩かれることも多いニューヨーク。今回も決勝へ進めなかったことに対して批判的な意見が出ているそうで、嶋佐和也は「正直、だるいっすね」と本音をこぼした。

『M-1グランプリ2022』は各コンビに温度差

決勝戦翌日とあって、余韻たっぷりの収録内容だった。その後、インディアンス、ゆにばーす、ランジャタイ、見取り図の4組による記者会見がおこなわれ、各コンビが2022年大会への意気込みを語ったが、若干の温度差が感じられた。

インディアンスは早速「今日、新しいネタを考えました」(きむ)と1年後に向けて始動。一方、見取り図は「4年ぶりに視聴者として『M-1』を観て、やっぱり格好良いなと思った」(リリー)としながらも、「日々の漫才をがんばっていきたい」(盛山)と来年のエントリーについて明言しなかった。ゆにばーすは「あと7回出られるけど、6年休んで、ラストイヤーで爆発します」(はら)と冗談まじりで、2028年大会での優勝を目標に掲げた。

撮影:田辺ユウキ
撮影:田辺ユウキ

ランジャタイは「来年も同じネタで」

記者会見でも印象的なコメントを連発したのが、ランジャタイである。この日、ランジャタイは東京から大阪へ新幹線で移動。駅の改札口には、3人ほどのファンが待ち受けていたという。国崎は「そのなかに初老の方がいて『写真を撮ってください』とお願いされたんですけど、うまく撮れていなかったみたいで。で、そのあと遠くから『撮れていない』と全力ダッシュで来た。決勝に出ていなかったらあの人の全力ダッシュはなかった」と、たった一夜で取り巻く環境が変わったことを実感。

オール巨人の「漫才を変えた方が良い」という審査コメントの真相については、国崎が「楽屋に来られたときに聞いたのですが、僕らのネタをほとんど見ていらっしゃって。だから『もっと良いネタがあったのに』という意味だったんです」と説明。そして「だから来年、もし決勝に出られたら同じネタをやりたいですね」と挑発した。

ネタ中は「気絶していた」と発言した上沼にも、伊藤が「気絶していたそうですから、どこかで待ち伏せしてネタを見せたい」と奇襲宣言。ランジャタイらしい受け答えで笑わせた。

2022年で結成15年目を迎え、次の大会が『M-1』挑戦のラストイヤーとなるランジャタイ。国崎は「見取り図が同期なので一緒に決勝に出たい。リリーだけ出てほしい」と見取り図を話へ巻き込み、盛山から「リリーだけ出たら『R-1』になるやろ」とツッコまれていた。

笑い飯・西田「オズワルドの1本目が一番だった」

ちなみにこの日の『やすとものいたって真剣です』の収録回で進行役をつとめた、『M-1グランプリ2010』王者・笑い飯の西田幸治も記者会見に同席。

2021年大会でもっともおもしろかったコンビについて尋ねられ、「オズワルドの1本目が一番おもしろかった。仕上がりが飛び抜けていた」とファーストラウンドを1位で通過したネタを称えた。

『やすとものいたって真剣です』は12月23日、ABCテレビで放送。TVerなどでも見逃し配信される。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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