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『千鳥のクセがスゴいネタGP』で倖田來未が「ZAZY好き」告白、インタビューから紐解く両者の共通点

田辺ユウキ芸能ライター
(写真:PantherMedia/イメージマート)

倖田來未のインタビューから考察する「ZAZY」好きの理由

歌手の倖田來未が12月16日、バラエティ番組『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)に出演。『R-1グランプリ2021』(フジテレビ系)準優勝、『歌ネタ王決定戦2021』(毎日放送)優勝のZAZYの大ファンであることを明かした。

ZAZYは、フリップに描いた絵を使い、リズムに乗りながら独特の着眼点とワードセンスを操る芸風で知られている。『R-1グランプリ2021』では、フリップをまとめていたクリップを取り忘れてしまい、ファイナルステージの大舞台でオチのフリップをめくりそびれるミスをおかしたことも話題に。以降は、モニターを使用したデジタル紙芝居も取り入れ、その芸がさらなる進化を遂げた。

なぜ倖田は、ZAZYのことがお気に入りなのか。2019年、筆者は彼女をインタビューしたが、「ZAZY好き」を考察させる発言がいくつかあった。

千鳥・大悟が驚愕「何年先のお笑いやってんの?」

『千鳥のクセがスゴいネタGP』でZAZYが披露したのは、「松平健の顔面そっくりオーディション」に松平本人があらわれ、「健、健」と名前をリズミカルに連呼するなかで、檀れい、ホラン千秋らタレントの名前が紛れ込んでいくネタ。その過程で「めっちゃらっきょ持ったMatt」と語感を弾ませるなど、「ZAZYワールド」が炸裂。MCをつとめる千鳥・大悟も「未来から来たんか」「何年先のお笑いやってんの?」とそのセンスに脱帽した。

倖田はまず「ZAZYの見た目がタイプ」とコメント。ZAZYのビジュアルは、お腹あたりまで伸びたサラサラの金髪、ロングジャケット、厚底ブーツ、美脚を強調させるホットパンツで、色合いはピンクっぽく、全体的にギラギラとしている。

筆者は大阪・難波の街中で、ZAZYをよく見かけていたが、ブレイク前でありながら道ゆく人を振り向かせるほど存在感を放っていた。ルックス的に自分の道を突き進んできた。

倖田は、ZAZYが見た目の部分で自分のスタイルを貫いている部分が好みなのではないだろうか。

2000年代からギャル文化の象徴として活躍する倖田は、インタビューで「私は、自分の年齢や世代、流行りをあまり意識せず、好きなことをやっているだけです。ファッション面も『年甲斐もなく』とか、『もうちょっと落ちついた服を着た方がいい』と言われたりもするけど、根本的に好きなものは変わらず好き。いくつになっても、自分にとってかわいいものは、変わらずかわいい。500円、1000円のリーズナブルな服でも、自分が良いと感じたらそれを着たい」と語っていた。

ZAZYもジャンル的にはギャル系だ。かつては地味だったそうだが、おもしろさや目立つことを追求して現在の格好に。ネタの始まりに「見慣れていただく時間」を作るのも、見た目についていろんな言及をされてきた末にたどり着いたツカミなのだろう。そうやって自分流のスタイルを確立させた点は、倖田に通じるものがある。

否定を受けても貫く「自分が良いと信じているもの」

倖田は楽曲『DO ME』(2020年)で「王道が好きならそっちへGO」と歌っている。インタビューでも「自分は王道ポップスの方向性ではない」と語り、「人と違ったことをしようと意識している。『エロかっこいい』で否定を受けたりもしたけど、『私の好きな音楽を、みんなに聴いてもらえるきっかけになれたら』という気持ちでやってきた。どんなことを言われても、自分が作っているものに関しては『絶対に良い』と信じています」と気持ちを曲げずにここまでやってきた。

ZAZYのネタも、まさに彼にしか作り出せないものばかり。「どういう発想でそんなネタができあがるのか」と言われるほど奇想天外だ。だが、これまでそのネタを不可解に思われたり、意味を問われたりしたこともあったのではないか。それでもやり通してきた。その結果が前述した大悟の「何年先のお笑いなのか」という絶賛につながってくる。

ZAZYの理想のライブ「スーパーサーカスみたいなもの」

倖田は、公演の際には自分からどんどんアイデアを提案するという。「誰もやったことのないことに挑戦し続けたい。実現可能なこと、不可能なこと、どちらも引き出しの中にはたくさんある」と語っていた。

ZAZYは、YouTubeチャンネル『ZAZY official world』の2019年12月6日更新回「『THE Z』芸人ZAZY密着ショートドキュメンタリー」のなかで、理想のライブについて「スーパーサーカスみたいなところまで昇華させたい。今は、こういうことをやりたいと言っても『ダメです』と返される」とし、自分が本当にやりたことの範囲が現状は限られていると口にしていた。実現性は別として、アイデアが湧き出てくる点も倖田とZAZYの共通点だ。

倖田とZAZYには、まだまだ「話が合う」というところがたくさんあるかもしれない。ZAZYは「密着ショートドキュメンタリー」のなかで「いつか大物をライブに呼びたい」と答えていたが、ぜひ倖田との共演を希望したい。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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