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これがトランプ前大統領の確定申告書だ 納税実績ゼロ

竹内幹経済学者。一橋大学経済学研究科・准教授。
トランプ前大統領は税金を払っていなかった。(写真:ロイター/アフロ)

米国の下院歳入委員会(Ways and Means Committee)が、トランプ前大統領の納税申告書(2015年-2020年分)をさきほど公開した。委員会のウェブサイトからダウンロードできる。

在任期間の最終年度の2020年の納税額はゼロであった。2016年と2017年もほぼ同様で、課税所得はゼロとなっており、納税額はわずかに$750だけ。大層な資産家なのに。

歴代の大統領や大統領選候補者の多くは、慣習として納税申告書を公開している(それらは、たとえばここで一覧することもできる)。トランプは大富豪であるにもかかわらず、納税申告書を公開しなかったため批判がたえなかった。法の網の目をくぐって節税していることがばれるとイメージに傷がつくからだろう。やはり予想通りで、「MAKE AMERICA GREAT AGAIN (アメリカを再び偉大な国に)」という彼のキャンペーンが白々しく聞こえるような納税実績であった。2018年と2019年には数千万円相当の納税をしているのも、どうせ2020年の大統領選出馬を意識してのことだろうとも思えてくる。

1月6日の議会襲撃事件の立件に向けて、こうして、すこしずつ外堀がうまっているのだろうか。

トランプ前大統領の納税申告書。最下部の課税所得は「$0」となっている。
トランプ前大統領の納税申告書。最下部の課税所得は「$0」となっている。

経済学者。一橋大学経済学研究科・准教授。

1974年生まれ。一橋大学経済学部卒、ミシガン大学Ph.D.(経済学博士)。カリフォルニア工科大学研究員などを経て現職。専門は実験経済学と行動経済学。文部科学省学術調査官、法務省司法試験予備試験考査委員などもしました。1男1女の父。

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