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2021年度予算で、問われる政策方針:財政制度等審議会建議を読む

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
麻生太郎財務大臣に、来年度予算に向けた財政制度等審議会の建議を11月25日に手交(写真:ロイター/アフロ)

財政制度等審議会財政制度分科会(財務大臣の諮問機関)では、2021年度予算編成の過程で、「令和3年度予算の編成等に関する建議」を11月25日に取りまとめて、麻生太郎財務大臣に手交した。

財政制度等審議会は、毎年、来年度予算案を編成する過程で、重要な焦点となる項目について、委員の意見を取りまとめて「建議」を財務大臣に提出することが慣行となっている。これを踏まえて、各政策分野の予算査定が進められ、年末に2021年度予算政府案の閣議決定を目指す。

建議では冒頭、2021年度予算が置かれている状況として、新型コロナ感染拡大防止、経済回復に加え財政健全化という三兎を追い、そのいずれも実現しなければならないという厳しい戦いを強いられるとの認識を示した。

新型コロナ対応については、引き続き万全を期す必要がある。その上で、感染状況や経済の動向も十分に踏まえつつ、社会経済活動のレベルが上がる中で、ウィズコロナ・ポストコロナを見据えた政策に軸足を移してゆくことが、2021年度において求められる。ウィズコロナ・ポストコロナの日本経済を意識した建議の内容となっている。

未来に向けた日本経済の成長力の強化につなげるためには、 労働生産性を高める努力が不可欠であることを、建議では強く意識している。デジタル化・DXや設備投資の推進、価値に見合う価格設定による労働生産性・賃金の上昇、産業構造への転換などが求められる状況を踏まえた政策方針が必要である。そのためには、経済の構造変化への対応や生産性の向上に前向きに取り組む主体の支援が重要で、タイミングを的確に見極めながら

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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