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正月休みに見ておきたい配信ドラマ『ザ・ボーイズ』『ファーゴ』『地獄が呼んでいる』『マインドハンター』

武井保之ライター, 編集者
ファイアクラッカー『ザ・ボーイズ』シーズン4(C)Amazon Studios

 年末年始の休みに見るテレビ番組といえば、『NHK紅白歌合戦』『孤独のグルメ 大晦日スペシャル』『久保みねヒャダ明けましてこじらせナイト寿SP』から、『第100回箱根駅伝』『義母と娘のブルース FINAL』といったところか。それでもまだ時間はあるだろう。そんな休みに見ておきたい、シリアスサスペンス好きに紹介したい配信ドラマが、アマゾンプライム『ザ・ボーイズ』『FARGO/ファーゴ』と、Netflix『地獄が呼んでいる』『マインドハンター』だ。

■ブラックユーモアが効いた俗物スーパーヒーローの物語

 イチオシがアマゾンプライムの『ザ・ボーイズ』。特殊能力を持つ、私利私欲にまみれた俗物のスーパーヒーローたちの悪事を暴き、その姿を白日のもとに晒そうとする特殊能力を持たない人間のチーム“ザ・ボーイズ”の戦いを描く、ブラックユーモアとバイオレンスにあふれる人間ドラマ。

 これまでにシーズン3まで配信されており、シーズン4が2024年に配信予定。シーズン4では、圧倒的なパワーを誇る極悪スーパーヒーロー・ホームランダーの息がかかる副大統領候補がいよいよ米国権力の座に近づき、危機に瀕する世界を舞台にする。

 続いて『FARGO/ファーゴ』。実在の連続殺人事件をもとにするフィクションであり、ブラックコメディ要素も入れて描かれるクライムサスペンス。現在シーズン5が配信中だが、シーズンごとに物語は変わり、どこから見ても楽しめる。

 ただ、シーズン1がとにかくインパクトがある。犯罪に巻き込まれた一般市民がどんどん泥沼にハマっていき、引き返せなくなる様には、怖さとおもしろさが潜む。シーズン1〜2を見れば、破滅的なパラドックスに陥る人たちの物語に引き込まれることだろう。

■SFっぽいシリアス韓国ドラマとフィンチャーのサスペンスドラマ

 Netflixでは、まず韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』。この世のものではない“何か”が突然現れ、予告を受けた何の罪もない一般人が地獄へ突き落とされる事象が起こる現代が舞台のシリアスサスペンス。人々が恐怖におののくなか、この現象を神の裁きと主張する宗教団体が台頭する。

 SFっぽいストーリーに見えるが、超常現象を利用した人の欲望や業が絡み合う、リアリティあふれる人間ドラマ。物語がどこに進むのかわからないまま、ぐいぐい引き込まれていく。シーズン2は、主演俳優だったユ・アインが降板した影響で制作が送れたが、2024年に配信予定。

 もうひとつはデビッド・フィンチャー監督の『マインドハンター』。1970年代後半を舞台に、シリアルキラーの心理を研究して犯罪科学の幅を広げようとするFBI捜査官2人が、研究を進めるうちにリアルな怪物に危ういほど近づいていく姿を描くサスペンスドラマ。

 シーズン2まで配信されており、シーズン3が期待されているが、フィンチャーは制作を否定していることが伝えられている。Netflixでは、昨年11月からフィンチャーの新作映画『The Killer』が配信されている。こちらも名作だが、あわせて『マインドハンター』も見てほしい。きっと続編が待ち遠しくなるだろう。

ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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