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男性美容ブームは一過性か定着か 当事者は「性別による区別がなくなる時代の必然の流れ」

武井保之ライター, 編集者
美容を発信する男性ボーカル&ダンスグループ・BBM 画像提供:BRUTUS

 近年右肩上がりで成長を遂げている男性向け化粧品マーケット。化粧やスキンケアといった男性美容は、オシャレや流行に敏感なビジュアル志向の一部若年層における一過性のブームではなく、中高生など10代から20〜30代までを巻き込むライフスタイルの一部として定着しつつある。そんな社会の流れを、ジェンダーを超えた美容を発信する男性ボーカル&ダンスグループ・BBMはどう見るのか。メンバーそれぞれの意識を聞いた。

美意識は相手への気遣いや思いやりにつながる

――この5〜6年ほどで化粧やスキンケアなどの美容は男性の間でも一般的になっています。みなさんはいつ頃からどんなきっかけで美容を心がけるようになりましたか?

【Jun】きっかけは中学生のときです。高校生の兄がヘアセットやスキンケアをするようになってから見違えるように容姿が変わり、自分も自信を持ちたいと思って美容を心がけるようになりました。野球をやっていたので、日焼けに対するケアを自分で調べて実践したのもきっかけです。

――美容や化粧は「男性らしくない」と考える人もいるかもしれません。「女性らしさ」「男性らしさ」についてどう考えますか?

【Jun】相手を不快にさせないような気遣いや、相手にどう思われたいかなどもひとつの思いやりにつながるのではないでしょうか。身なりを整え、自分なりの美しい状態でいるためにスキンケアやメイクをきちんとやるという考えを常に持つことは、「女性らしさ」「男性らしさ」とは別の部分でとても大切だと思います。

“美容は女性がするもの”という概念はなくなりつつある

――男性美容はひとつのライフスタイルとして定着しつつありますが、一方で「流行り・廃り」という時代の流れに取り込まれるブームの側面もあるかもしれません。現状をどう見ていますか?

【Keiju】すごくポジティブに捉えています。少し前までは、美容は女性がするもの、という概念がありましたが、性別による区別の仕方がなくなりつつあるいまの時代に合った自然な流れのムーブメントのように感じます。

――一過性のブームで終わる危機感はありませんか?

【Keiju】正直ありません。むしろ男性美容も安定した文化になって、性別年代関係なく誰もが気にするのが当たり前の時代になる気がしています。

――ライススタイルや文化として定着させるために必要なことはどう考えますか?

【Keiju】「男性美容」そのものに抵抗をなくしていくこと、ハードルを下げることが大事だと思います。ハードルが高いままだと意識を高く持っている人たち止まりになってしまうので、男性にとってもっと美容が身近なものになるように、僕たちが先駆けて広めていきたいです。

美容で自信が持てるようになり行動や言動が変化

――男性が美容を意識することのメリットをどう考えますか?

【Keiju】自分に自信を持てるようになるのが何よりも大きいです。美容を意識することで見た目に磨きがかかるのはもちろんですが、その自信がきっかけになって日頃の行動や言動に変化が出て、モチベーションが上がり日常生活の質が高くなります。

 男性美容がまだ完全に普及しているわけではないからこそ、いま意識することでまわりとの差をつけるチャンスだと思うので、少しでも美容に興味のある方はスキンケアから始めてみるなど自分なりの一歩を踏み出してチャレンジしてみることが大事だと思います。

――ふだん心がけている美容について教えてください。

【Taiyo】やはり「乾燥をさせないこと」を第一に毎日、日焼け止めを塗って紫外線を極力浴びないように気をつけています。

――美容をしていて「よかったこと」や「嫌な思いをしたこと」はありますか?

【Taiyo】よかったのは、自分がスキンケアやメイクをしているので、いままで美容に関心がなかった友人が興味を持ち始めてくれたことです。嫌な思いをしたことはとくにありません。

美容トレンドを率先して伝えていくことがグループの武器

――BBM~Beauty By Men~は、美容に特化した男性ボーカル&ダンスグループとして9月に結成しています。この4ヵ月間の活動について教えてください。

【Kousei】12月14日にデビューデジタルシングル「Butterfly」をリリースしましたが、レコーディングや振り付けのレッスン、MVやSNSコンテンツの撮影など、デビューに向けた準備を中心に進めてきました。

 結成からデビューまでの時間が短いこともあり、地方在住のメンバーもいるので個々でできる練習をしっかりとやるようにし、4人が集合できる際には細かい調整などを行うようにしていました。

――美容をテーマにしていくうえで目標しているタレントやアーティストはいますか?

【Taiyo】メイクやヘアセットなどをしっかりして、ダンスや歌などを完璧にパフォーマンスしている韓国アイドルは素敵だなと思い、目標にしています。

――競争の厳しい芸能界で勝ち残っていくためのBBMの武器を教えてください。

【Kousei】美容に特化したボーカル&ダンスグループだからこそできる発信をしていくべきと考えています。「美容と言えばBBM」とひとりでも多くの方に認知してもらえるよう、おすすめのスキンケアや新しいコスメなど、美容トレンドを率先して伝えていくことが、グループとしての武器になると思います。

――「Butterfly」から伝えたいメッセージを教えてください

【Kousei】蝶のように自由にきらびやかに立ち振る舞う女性を温かく見守りながらも、できることなら独り占めしたいと願う男心を歌った曲です。恋をしているときの複雑な男心が伝わるといいなと思います(笑)。

知名度ゼロからのスタートで唯一無二のポジションを確立したい

――グループと個人、それぞれの目標を教えてください。

【Jun】デビュー曲「Butterfly」をひとりでも多くの方に聴いていただいて、まずは僕たちBBMを認知していただくことです。個人としては「サインください」と早く言われたいです(笑)。

【Keiju】知名度ゼロからスタートすることになるので、さまざまな媒体やSNSなどを通して、BBMというグループを広めていくことが目標です。個人としては、グループのリーダーとして僕自身がメンバーの誰よりも熱量を持つこと。そしてその熱量を伝え、みんながそれを持ち続けられるようにすることを第一に考えて過ごしていきたいです。

【Kousei】まずはBBMでライブをすること。個人の目標としては、BBMの楽曲の作詞をできたらと思っています。

【Taiyo】BBMとしてファーストライブをすることです。

――BBMの将来像や芸能界で目指すポジションを教えてください。

【Jun】毎年全国ツアーができるグループになれたらと思っています。ビューティーとボーカル&ダンスグループの両方の強みを全面に出して、唯一無二のポジションを確立したいです。

【Keiju】「美容と言えばBBM」というフレーズを定着させたい。僕たちは他にはいない美容という武器を持ち合わせたボーカル&ダンスグループという感覚でいるので、この強みを活かして活動していきたいです。いますでに活躍されているアイドルグループのみなさんと肩を並べられるように、1日1日を全力で過ごして、常に成長していきたいと思っています。

【Kousei】「美容系=BBM」という認識をみなさんに持っていただけるようなグループになりたいです。

【Taiyo】どのグループにも負けないぐらい美容知識に長けたグループになります。

■BBM公式サイト

12月14日にリリースしたデビューデジタルシングル「Butterfly」 画像提供:BRUTUS
12月14日にリリースしたデビューデジタルシングル「Butterfly」 画像提供:BRUTUS

ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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