統合型リゾート導入の是非が争われている横浜市長選に現職・林文子市長が4選目の出馬表明を行いました。以下、それを報じた神奈川新聞からの転載。

林市長が4選出馬を正式表明 IR横浜誘致「活性化に重要」

https://www.kanaloco.jp/news/government/electiondata/article-576224.html

任期満了に伴う横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)を巡り、現職の林文子市長(75)が15日、市役所で会見し、4選に向けて無所属で出馬すると正式に表明した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致と新型コロナウイルス対策の推進を軸に市政継続を訴えた。同市長選に立候補の意向を示したのは9人目。林氏の態度表明で戦いの構図がほぼ固まった。[…]

IR誘致を「経済活性化の一つの核」と位置付け、ギャンブル依存症対策の法制化など対策を講じることで「ラスベガスではベビーカーとともにスロットマシンを楽しむ風景がある。家族で楽しめる観光都市を実現していく」と強調した。

現職・林氏はIR誘致に関して「『ラスベガスではベビーカーとともにスロットマシンを楽しむ風景がある。家族で楽しめる観光都市を実現していくと』強調」したと報道されたワケですが、この初期報道に関して私は以下のようにコメント致しました。

事実、ラスベガスのカジノ事業者は未成年にギャンブルをさせることはおろか、その顧客に未成年を同伴してギャンブルを行わせることを厳しく規制されており、その違反に対しては罰則による厳しい制裁措置が法律によって定められています。ラスベガスには「ベビーカーとともにスロットマシンを楽しむ風景」なるものは原則的にありません。

何でこんなおかしな事を林文子市長は言ってるのかなと思うわけですが、実は同じ記者会見を記事にしたAERAではこれを以下のように報じているんですね。

菅首相のおひざ元・横浜市長選 現職ら9人 乱立の構図とは 保守分裂で吹く意外な“風”

https://dot.asahi.com/dot/2021071500123.html?page=1

市民のカジノに対するアレルギーを意識してか、出馬会見では林氏からこんな発言も飛び出した。

「(IRは)家族でみんなで楽しめる場所。ラスベガスに行かれるとわかると思いますけど、すてきなショッピングセンターで買い物していますし、スロットマシーンのあるところもベビーカーを押した人も一緒に楽しんでいます。私は安全な街にしたい。観光都市にするのなら、横浜市に行けば夜も安心して過ごせると」

要は上記は、林氏自身は「スロットマシンがあるカジノエリアも、ショッピングセンターのようなベビーカーを押した人が居るようなエリアも、一緒に安心して共存ができるラスベガスのようなIRのある街造りをしたい」という決意表明をしているコメントであるわけです。

一方で神奈川新聞は、この林氏の決意を表明したコメント部分を「ラスベガスではベビーカーとともにスロットマシンを楽しむ風景がある。家族で楽しめる観光都市を実現していく」という風に、あたかも親が子連れでスロットマシンを遊ぶようなIR施設を林氏が志向しているかのような表現で報じているわけで、コメントの「切り取り」どころか、パッチワークした挙句、全く別の意味に作り変えてしまっている。これを「悪質」と言わざるして、何というべきかと私としては思うわけです。