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違法賭博問題:今度は町役場の職員

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(提供:アフロ)

以下毎日新聞からの転載。

課長職の異動先予想で賭博 「人事ロト」1口500円 福島・鏡石町が職員11人処分

https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/040/290000c

福島県鏡石町は21日、町の人事異動の内容を予想する賭博行為をしたとして20~50代の男女職員計11人を減給10分の1(2カ月)~戒告とする懲戒処分を20日付で行ったと発表した。

人事の内容を予想して賭博の開催とか、我が国はナントモ豊かな賭博文化を持ってる国ですね、という感想しかないのですが、世間を騒がせた黒川・前検事長による麻雀賭博、前回エントリでご紹介した富山県警の警察官による麻雀賭博に引き続き、今度は町役場の職員による賭博行為が問題化したということになります。

【参照】今度は警察:賭け麻雀で口頭注意のみ

http://www.takashikiso.com/archives/10261783.html

ただ、一連の賭博事犯に関して我々国民にとって混乱を生んでいるのが、各事犯における処分の内容であります。国民的議論を読んだ黒川・前検事長によるテンピン麻雀(一晩で2万円前後のやり取り)に対する法務省の処分は「必ずしも高額とはいえない」として訓告、前回エントリでご紹介した富山県警の警察官によるテンゴ麻雀(一晩で1万円前後のやり取り)に対する処分は「レートは低く、娯楽性が高い」として更にそれよりも軽微な口頭注意のみの処分となりました。

対して今回、役所人事で一口500円のくじを作って遊んだとされる福島・鏡石町が職員11人は、黒川・前検事長に処された法務省による処分よりも遥かに高い減給処分から戒告までが処されており、前検事長や警察官に対して行われた処分と比べてあまりにもバランスを欠き過ぎていませんかね? こういうバランスを欠いた不可解な処分が行われている様に見えるからこそ、前回エントリでご紹介した通り国民は黒川氏の麻雀賭博に対する処分に関して、86%という大きな比率が「不当だ」と感じているワケです。

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検事長、警察官があの程度の処分でお茶を濁して済んでいるのに、役所職員にはそれよりも厳格な処分、ましてや我々一般国民に関しては更に厳しい罪が問われる様な事はありませんよね?と。この辺りは、ことの発端となった法務省がキッチリと責任をもって明確化して頂かなければならないと思います。その辺の話も含めて、私のYouTubeチャンネル側でもより詳細に解説を行っておりますので、もしご興味のある方は併せてご覧頂ければ幸いです。

【参照】「大人の遊び」研究所/木曽崇

https://www.youtube.com/channel/UC0UueKrYPGueHItKNUthRWw?view_as=subscriber?sub_confirmation=1

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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