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カジノリゾートの前に競輪リゾートが爆誕!!

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

以下の様な報道が行われました。以下、山陽新聞から。

玉野競輪場にホテル併設へ 市建て替え事業、訪日客需要狙う

https://www.sanyonews.jp/article/984945

玉野市が計画する玉野競輪場(同市築港)の建て替え事業で、競輪場としては全国で初めてホテルが併設されることが14日、分かった。同競輪場に近接する宇野港は、現代アートで世界的に注目を集める瀬戸内海の島々へ向かう観光客の発着港で、訪日客らの宿泊需要を取り込む狙い。

当該開発を玉野市から受託するのは、スマホゲーム大手・ミクシィの100%子会社であるチャリ・ロト社。チャリ・ロト社は、昨年3月にミクシィが買収し、グループ傘下に収めた競輪を中心とした公営競技系の事業会社であります。

本エントリの投稿に合わせて、私のyoutubeチャンネル側で近年の公営競技業界の状況を解説する動画をアップしておりますが、一般の多くの人がバブル崩壊後長らく続いた公営競技のイメージを引きずっている為、公営競技といえば赤字続きの「お荷物行政事業」というイメージで捉えていることが多いですが、実はここ数年、インターネットでの投票券販売の興隆に伴っていずれの公営競技業界も非常に好況です。

【専門解説】カジノリゾート開発の前に競輪リゾート開発!!

https://www.youtube.com/watch?v=1sDSST1LVDo

そのこともあってソフトバンク、楽天など伝統的に公営競技にコミットしてきたIT事業者は元より、近年ではミクシィ、サイバーエージェント、DMMなど新興のIT系企業の業界参入が続いているのが実態。今回の玉野市における構想は、その様な新興企業の積極的な投資計画の中で立ち上がり、「公営競技のリゾート化」が実現したわけで、殊にギャンブルを中心としたリゾート開発を専門とする私としてはその驚きと、喜びはひとしおといえます。スバラシイ計画を有難う。

そしてもう一点、今回の玉野競輪リゾートの開発が報じられるよりも遥か昔、実は2016年の段階から私はこんなコメントをツイッター側で残していました。

実は私自身は、日本三景のひとつ「安芸の宮島」に向かって「渡し」のフェリーが発着する街で生まれ育ち、同時に1954年開業の宮島ボートレース場を遊び場として育った人間です。そういう人間の立場として、年間500万人の観光客が往来するこの地域においてボートレース場が全く観光と連携せず、むしろ観光客に向かっては「存在しない施設」かのように扱われ続けてきたことに大きな違和感を持って来ました。

そういう意味で、今回玉野競輪で起こった公営競技場のリゾート化というコンセプトは心から歓迎したいし、宮島でも是非やりませんか?というか、僕にやらせて貰えるのならいつでも拠点を広島に移しますよ、と。我が国においてはIR整備法の成立によって、2025~26年を目途としてカジノを中心とした統合型リゾートが開業する予定となっていますが、その前に公営競技を中心とした公営競技リゾートのブームがあったって良いじゃないですか。特に私の地元である宮島ボートレース場のあの立地、正直、玉野競輪なんて目じゃないレベルで観光開発向きのものだと思いますよ!と声を大にして申し上げておきたいと思います。

ということで、玉野競輪でのリゾート開業は2022年とのこと。公営競技業界の新しい未来に向けた第一歩を引き続き注目してまいりたいと思います。

【合わせて参照】カジノリゾート開発の前に競輪リゾート開発!!

https://www.youtube.com/watch?v=1sDSST1LVDo

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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