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16歳未満は初期設定非公開へ、未成年の安全対策を徹底するTikTokで未成年と保護者はどうすべきか

高橋暁子成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
ティーン中心に人気のTikTokでは未成年の安全対策を急いでいる(写真:ロイター/アフロ)

TikTokが10代を中心に人気となっている。講演先の中学校では、全体の3分の1〜半分くらいがTikTokを利用するなど、ローティーンの間で特に人気が高い状態だ。

筆者の子どもが通う小学校では高学年女子の多くが利用しており、公園で三脚で立てたスマホで数名でダンス動画を自撮りしている姿を見かける。講演先の小学校でも、近年LINEに次いでTikTokの問題を相談されることが増えてきた。

一方TikTokは、2021年1月より16歳未満のアカウントは初期設定非公開とし、おすすめ表示もオフとするなど、未成年の安全対策を急いでいる。TikTokの未成年対策と、未成年や保護者がすべきことについて考えたい。

未成年者利用のリスクが課題に

TikTokはトレンドや音楽・書籍などのヒットも生み出し、若者層の強い支持を得ている。しかし影響力が強くなった分、TikTokへ向けられる目も厳しくなっている。TikTokの利用者が増えた分、トラブルも増えており、対策が求められているのだ。

TikTokでは炎上や誹謗中傷・いじめなども起きているが、中でも問題視されていることの一つが未成年によるトラブルだ。利用規約には「本サービスは、13歳以上の方のみが利用できるものとします」とある。しかし実態は大きく異なり、前述したように小学生の利用者も多い。

2020年8月には、愛知県の中1女生徒(12)がTikTokで知り合った男に誘拐される事件が起きた。同9月には、東京都で小5女児がTikTokで知り合った男に脅して呼び出され、わいせつ被害にあっている。

警察庁の発表で、近年は出会い系サイトではなくSNSで加害者と未成年被害者が知り合っていることがわかっている。TwitterやInstagram、LINEなどの若者に人気のSNSでの被害が目立ち、TikTokでも起きているというわけだ。

次々と対策も裏をかく子どもたち

TikTokはこれに対して、既に様々な対策を行っている。たとえば、2020年1月には新規登録時の年齢認証を導入している。新規にアカウントを登録する際に、自分の生年月日を登録する仕組みとなったのだ。13歳未満となる誕生日は選べず、設定した年齢も後から変更はできない。

13歳未満の子どもが正しい生年月日を登録しようとすると、『誠に残念ですが、あなたはTikTokのご利用条件を満たしていないようです。お試しいただきありがとうございます!』と表示されるようだ。しかしあくまで自己申告制なので、生年を偽れば登録可能だ。「登録できないが方法は」という質問に対して、Q&Aサイトで「誕生日を偽れば大丈夫」という回答がついているのを見かけた。

2020年4月には、16歳未満のユーザーはダイレクトメッセージの送受信も行えなくなっている。しかしこれに対しても、Q&Aサイトなどで「DMができなくなったが方法は」という未成年の質問に対して、「サブ垢を作ってそちらでDMを作ればいい」と回答しているユーザーがいた。TikTokは電話番号やメールアドレスの他に、LINEやInstagram、TwitterなどのSNSアカウント連携でアカウントが作成できるので、その仕組みを利用したようだ。

未成年に注意を促し、保護者は見守り必須とのメッセージ

TikTokではペアレンタルコントロール機能も用意されており、利用時間が制限できる他、未成年に不適切なコンテンツの表示を制限したり、子どもにダイレクトメッセージを送れる人の範囲も設定できるようになっている

しかも、今回新たに16歳未満のユーザーのアカウントが初期設定で「非公開」になる。ユーザーが承認したユーザーだけがフォローや動画の視聴ができるようになるのだ。おすすめ表示も初期設定では「オフ」となり、自分のアカウントが他のユーザーの「おすすめ表示」に表示されなくなる。さらに、自分の動画のダウンロードは「オフ」設定で変更できなくなり、動画へのコメントも初期設定では「友達のみ」で「オフ」には変更できるが「誰でも」にはできないようになった。

16歳以上18歳未満のユーザーについても、動画のダウンロードの初期設定が「オフ」になり、デュエットとリミックの初期設定が「友達のみ」になるという。

この通りに利用していれば、知らない相手と知り合ったり、悪口を書き込まれたり、炎上するなどのトラブルはかなり減少するだろう。

他のSNSではここまでの対応はされていない。SNSサービスの多くは利用を促進したいため、規約で禁止などはするものの、未成年に対してデフォルトでオフなどの対応はほとんど行われてこなかった。TikTokでは、未成年に対して最大限に配慮、対策されていることを感じる。

これは、TikTok側から未成年や保護者に対しての「安全に利用してほしい」という強いメッセージだ。小学生は利用規約で禁止されているので基本的に利用すべきではないし、13歳以上の生徒も保護者が見守りながら安全に注意して使ってほしいということだ。保護者が見守れないのであれば利用させるべきではないので、未成年が利用する場合は必ず保護者がしっかりと見守ってあげてほしい。

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。テレビ・ラジオ・雑誌等での解説等も行っている。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(日本実業出版社)等著作多数。教育出版令和3年度中学校国語の教科書にコラム掲載中。

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