俳優・松重豊さんがTwitterで認証がとれなかった理由は影響力のせいではない

(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

『孤独のグルメ』主演で知られる人気俳優の松重豊さんが、TwitterとInstagramの認証マークがとれなかったことを理由に、更新を停止すると発表して話題となっている。認証マークとは、アカウント名の隣についた青いチェックマークのこと。本人確認が取れた影響力があるアカウントにつくとされており、SNSを運営するならぜひほしいものの一つ。

Instagramでも同様の理由で更新中止を決定した

松重豊さんといえば、言わずとしれた著名俳優だ。フォロワーも現状Twitterで6.5万人、Instagramで6万2千人おり、しっかり運営もされている。

それにもかかわらずなぜ認証マークが取れなかったのか。理由と背景について解説したい。

過去には自己申請できた認証マーク

Twitterの認証マークは、当初は本人確認が取れたアカウントのうち、Twitter社から認証されたアカウントにつくのみだった。

ところが2016年からは「アカウントの認証リクエスト」機能が追加され、自分で申請できるようになっていた。認証リクエストにあたって必要なものは、

・ 認証済みの電話番号

・ 確認済みのメールアドレス

・ 自己紹介

・ プロフィール画像

・ 誕生日

・ ホームページ

・ ツイートのプライバシー設定で公開になっていること

をそろえること。

加えて、自分のアカウントが認証されるべき理由と影響力などについて伝える必要がある。この後、身分証明書の提出を求められることもあったが、基本的に「著名かどうか」「影響力があるか」ではじかれることが多く、著名人にとっては認証マークがつくことは認められた証となっていた。

認証がTwitter社の支持ととらえられて破綻

ところが現在Twitterでは、認証マーク申請は受付を停止している。「認証済みアカウントプログラムは現在、保留中です。新規のリクエストは受け付けておりません」と表示されている。

2017年11月に白人至上主義ジャーナリストのジェイソン・ケスラー氏のTwitterアカウントを認証済みとしたことで、メディアやユーザーからTwitter社に非難が殺到したためだ。

Twitter社は、元々認証マークは本人確認が取れたアカウントという意味だったが、近年はTwitter社の支持または影響力があることの指標として解釈されるようになっていたこと。混乱を引き起こしたため、この問題を解決するまで認証を停止する旨ツイートしていた。

同社CEOジャック・ドーシーも、担当者は自社の認証ポリシーに従って認証したが、認証システム自体が破綻していることに以前から気づいていたのに何もしなかったため失敗した旨ツイートしている。

なお、ジェイソン・ケスラー氏は、「ヘイトスピーチや個人攻撃、嫌がらせなどのTwitterルールに反する行為」を理由に認証マークを取り消されている。

その後、いまだに認証が再開されていない状態だ。認証マーク=Twitter社支持ととらえられてしまう以上、問題が起きないような認証ポリシーを新たに練り直さねばならないのだが、考えただけでもかなり難易度が高い。ヘイトスピーチなどをするユーザーではないかどうか確認するすべをどうするのか。そもそも認証の意味自体を変えるのかなど、考えが定まらない状態なのだろう。

最近認証されたのは、カルロス・ゴーン氏だ。なんと認証は2019年4月のことだ。認証は停止しているものの、社会的に関心の高いアカウントは、パートナーからの依頼で特別に認証しているためだ。ゴーン氏の2018年11月よりの金融商品取引法違反での逮捕劇は記憶に新しい。

松重さんは免許証のコピーなども提出したというので、本人確認はとれている。しかしそもそも認証自体をストップしている状態のため、著名か否かに関わらず、認証できない状態だったと考えられるのだ。

Instagramの独自判断でつく認証バッジ

Instagramの認証バッジは申請可能だが、次のような要件が必要とされている。

・ 本物である

・ 独自性がある

・ 完全である(アカウントが公開されており、自己紹介・プロフィール写真・一つ以上の投稿があること)

・有名である(広く知られており、よく検索される個人、ブランド、団体を表すアカウントであること)

Instagramでは、なりすまし対策で認証バッジをつけているといわれている。なりすましアカウントがあるようなアカウントが優先されると考えられるため、基準にはかなり偏りがある。

Instagram独自の基準でつけているので、10代女子に人気の読者モデルには認証バッジがついているのに、松重豊さんやムロツヨシさんのアカウントにはついていないという事態が起きる。社会的な知名度ではまったく逆なのにもかかわらずだ。

つまり、認証バッジがつかないことはイコール著名ではないという意味ではないというわけだ。認証バッジがつくのは、あくまでInstagram内での基準に合致するかどうかという意味でしかないので、気にする必要はまったくないと考える。

認証マークは本人のアカウントと確認できる便利なものではあるが、現状、認証システムが機能しているとは言いづらい。振り回される必要はまったくないものだととらえてほしい。