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「鷹の村神様」が「ギータ2世」に!?ホークス2軍のルーキー4番・生海、豪快弾含む3安打

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンク・生海

 6月27日、ウエスタン・リーグ公式戦で福岡ソフトバンクホークスはタマホームスタジアム筑後で中日ドラゴンズと対戦した。

育成ルーキー木村光が公式戦初白星

【6月27日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 947人】

中日     `000200000 2

ソフトバンク `11001100× 4

<バッテリー>

【D】●梅津(1勝3敗)、福島、砂田、岡野――山浅、加藤匠

【H】○木村光(1勝4敗)、ガンケル、嘉弥真、S椎野(3セーブ)――渡邉陸

<本塁打>

【H】生海4号

<スタメン>

【D】7ブライト 5樋口 8三好 9鵜飼 3堂上 4石垣 Dアキーノ 6濱 2山浅

【H】4西尾 5ガルビス 3リチャード 7生海 9増田 Dアストゥディーヨ 2渡邉陸 8笹川 6仲田

<得点経過>

1回裏【H】生海の右前適時打で先制(H1-0D)

2回裏【H】ガルビスの中前適時打で追加点(H2-0D)

4回表【D】アキーノの2点左二塁打で同点(H2-2D)

5回裏【H】渡邉陸、二塁手のグラブを強襲してセンターへ抜ける勝ち越し打(H3-2D)

6回裏【H】生海、右越えソロ本塁打(H4-2D)

<トピックス>

・木村光が5回3安打2失点で公式戦初勝利

初勝利のボールを手に笑顔の木村光
初勝利のボールを手に笑顔の木村光

・決勝打の渡邉陸、3打数2安打1打点

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生海が豪快4号弾「あそこは変化球」

 ドラフト3位ルーキーの4番・生海が4号ソロを含む4打数3安打2打点と活躍した。

 初回の第1打席は先制の右前適時打。第2打席は2死満塁のチャンスで左邪飛に倒れたが、第3打席は再びライト前ヒット。そして6回の第4打席で左腕の福島から右越えのアーチを架けた。

 小久保裕紀2軍監督は「2ボール0ストライクから変化球を待って打った。大したもの」と頷いた。

 生海も「あそこは変化球やなと思っていました」と自信ありげに振り返った。「初球と2球目の直球がどちらも外に大きく外れていたので、変化球で間違いないと狙っていました」とスライダーを見事にとらえた。

「でも、普段は配球をそこまで考えない。テキトーです(笑)。僕、あまり考えすぎると良くないタイプなんです」

キャラが柳田悠岐っぽい

 いかにも人のよさそうな笑顔を浮かべて、冗談とも本気ともとれるコメントを残す。時折見せるそんな姿が、チームの先輩である柳田悠岐外野手を連想させる。

 ただ、打撃フォームは入団当初、ギータよりも「村神様」こと村上宗隆に似ていると感じていた。

 しかし、そのフォームが徐々に変わってきた。大きく構えていたバットの位置がどんどん顔に近づいてきた。

「大学時代からずっと、村上選手を意識して真似していたんですけど、トップを作る動きが上手くできなかったので、最初からトップに近いところで構えようと思って今の打ち方になりました」

1軍帯同で感じたこと

 先日、1軍交流戦終盤の神宮~甲子園の遠征に帯同した。出場選手登録はされなかったが、1軍公式戦の緊張感を肌で感じた。

「1軍のバッターは内角の厳しい球をファウルにできる。インサイドアウトでバットが出ているからだと思います。僕はフェアゾーンに飛んでしまう。その違いを感じました」

 1軍体験を終えて以降のファーム戦は6試合で2本塁打7打点と持ち味を発揮している。

 7月には故郷の北九州市民球場で「鷹の祭典」が行われる。「あと2週間くらいですよね。そこで1軍にいたい」。長所のバッティングでアピールしていくのみだ。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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