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高校通算97発、ソフトバンク黒瀬健太が引退を表明。支配下復帰し、7年目で一軍デビュー飾るも

田尻耕太郎スポーツライター
現役引退を表明した黒瀬健太(今年6月撮影)

 今オフにソフトバンクを自由契約となっていた黒瀬健太内野手が26日、現役引退を表明した。

 自身のインスタグラムを更新。

 「この度、現役から退く事になりました。まだまだNPBで野球を続けたい気持ちがありましたが、どこからも連絡は無く 自分の実力不足を痛感しました 僕のことを応援してくださった皆様 7年間本当にありがとうございました ホークスには今まで選手としていろいろな経験をさせていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです チーム関係者の皆様 可愛がってくださった先輩方 慕ってくれた後輩達 本当にありがとうございました 野球人生は終わりましたが、第二の人生に向けて頑張って行きたいと思います。」(原文ママ)と綴った。

ひたむきに、めげずに、支配下復帰で一軍デビュー

長打が魅力のロマン砲だった(今年4月撮影)
長打が魅力のロマン砲だった(今年4月撮影)

 黒瀬は大阪府出身の25歳。初芝橋本高校(和歌山)時代に通算97本塁打をマークし、大砲候補と期待されて2015年ドラフト5位でソフトバンクに入団した。4年目から育成契約に。振るわぬシーズンが続いたが、球団は“ロマン”を諦めずに契約を結び続けてきた。

 7年目を迎えた今シーズン、ようやく才能の芽が膨らみ始め、シーズン中盤までウエスタン・リーグで打率3割台をキープしながら長打も放つようになった。

 そして、オールスターゲーム明け直前の7月28日に支配下復帰。同30日の西武戦(PayPayドーム)に代打出場して待望の一軍デビューを果たした。

和田毅と本拠地お立ち台に上がった

 翌31日の同戦にはプロ初スタメン出場し、第1打席に先制の左犠飛を放った。このプロ初打点が勝利に貢献する一打となり、本拠地お立ち台に勝利投手の和田毅と一緒に上がった。

 その後、8月3日の日本ハム戦(札幌ドーム)の五回に上原健太から左前打を放ってプロ初安打をマークしたが、自慢の長打がなかなか出ず、同19日の日本ハム戦(PayPayドーム)が一軍での最後の出場になった。

 一軍通算は7試合出場、12打数2安打、0本塁打、1打点。10月22日に球団から戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトに参加をしていた。

 明るい性格だけど、野球はとことん負けず嫌い。

 どんな状況でもひたむきに、めげずに努力を積み重ねる姿勢がずっと印象的だった。これから歩むネクストステージでもそんな日々の経験は必ず財産になるはずだ。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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