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ソフトバンクはなぜ15歳ドミニカ人外野手を獲得したのか。球界初の4軍制「ホークスの土壌で育てていく」

田尻耕太郎スポーツライター

 ソフトバンクは24日、ドミニカ共和国出身の15歳、ホセ・オスーナ外野手を育成枠で獲得したと発表した。背番号は173。

 オスーナは2007年3月27日生まれで右投右打。日本でいえば高校1年生世代になるが、身長185cm、体重82kgと恵まれた体格を誇る。

15歳でソフトバンク入りしたオスーナ外野手(球団提供)
15歳でソフトバンク入りしたオスーナ外野手(球団提供)

 球団は長打力とコンタクト能力を併せ持った若手長距離砲。15歳ながら150キロ後半の速球にも打ち負けないバットスピードがあり、スイングもコンパクトで柔らかく、将来のホークス打線のクリーンナップを打てるポテンシャルを秘めた選手と紹介した。

昨オフから今季も中南米から若手5名が入団

 ソフトバンクは来季から球界初の4軍制を導入。その準備として今季の3軍拡張に伴い、昨オフから今季にかけても中南米から計5名の若手有望株を入団させた。

球団の三笠杉彦GMはかねてより「我々は世界中から有望な選手を集めて、強いチームを作りたいというコンセプトのもとでやっています」とし、若手外国人選手の獲得についても「ホークスの土壌の上で若く有望な選手を育てていくという新たなチャレンジ」と話していた。

 今年、22歳で来日したフェリックスは3軍戦で160キロ超をマークし、チーム内では「将来の守護神候補になれる」と評価が高まっている。17歳で入団した外野手のマルコ・シモンは3軍戦で打率.202ながらシーズン後半の活躍が目立ち4本塁打、11盗塁と才能の片りんを感じさせた。特にシモンをはじめ10代で入団した選手たちは体つきがたくましくなり、今後さらに大きな成長曲線を描くことが期待できる。

日本での生活サポートも充実

 15歳の若さで入団するオスーナもソフトバンク球団の育成メソッドの中で、潜在能力がどこまで引き出されていくのか非常に注目したいところ。

 また、若い外国人選手の生活サポートなども充実させており、今季の例を挙げれば、週に2回、夜に1時間程度のオンラインでの日本語授業を受け、かつ球団が日本人の新人選手に行う講習(トレーニング学や栄養講習をはじめ、社会人としての一般教育など)も定期的に受講できる体制が整えられている。15歳育成外国人選手の獲得にはこういった背景もある。

オスーナ外野手の打撃フォーム(球団提供)
オスーナ外野手の打撃フォーム(球団提供)

ホセ・オスーナ外野手のコメント

「福岡ソフトバンクホークスに入団が決まり、すごく嬉しい気持ちです。日本でプレーする機会を与えてくれたソフバンクにとても感 謝しています。自分のセールスポイントはパワーです。将来一軍でたくさんホームランを打てるよう、しっかり練習をしていきます。日 本の練習は厳しいと聞いていますので、まずは体力をつけていきたいです。ホークスファンの皆さん、これからよろしくお願いします」

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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