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ホークス今宮健太、今季復調の秘訣「松田式」トレとは一体何か!?<5年ぶりベストナイン>

田尻耕太郎スポーツライター
契約更改後に会見を行った今宮内野手(代表撮影)

 今季はリーグ4位の打率.296をマークし、5年ぶりのベストナインにも返り咲いたソフトバンク・今宮健太内野手。

 2018年オフに4年契約を結んで以降は故障に泣かされること多かったが、今季は見事に復活を果たしたシーズンとなった。12月21日に臨んだ契約更改では、今季で4年契約が満了したことに伴い、新たに年俸3億円プラス出来高の2年契約でサインをした。また、一定の条件を満たせば自動的に1年延長されるオプションがついている。

最初は松田のマネ「絶対やり続けろ」

 今季の打撃好調については、藤本博史監督から「振りすぎない」と度々指摘をされたことで、ムチャ振りをやめてコンパクトなスイングを貫いたことが確実性向上につながったとシーズン中から話していた。

 それだけではなかった。

 「僕の勝手なアレなんですけど…」と切り出すと、このように続けた。

 「今シーズンは『松田式』っていうトレーニングをずっとやってて。松田(宣浩)さんは試合前に球場に来たら、ウエイトトレーニングの最低限のものをバババっとやって、それからグラウンドに出ていくんです。それを真似させてもらいました」

今オフに野球教室に参加した時の様子(筆者撮影)
今オフに野球教室に参加した時の様子(筆者撮影)

 今宮いわく、体に刺激を入れることで最初の動き出しが変わったと実感。さらに継続したトレーニングによって、例年ならば夏場にかけて筋力や体重が落ちるところが、今シーズンはデータ上で変わることなく戦い抜けたという。

 結果的にパフォーマンスの意地に繋がり、大きな怪我をすることもなかった。

 「やり始めた理由。松田さんってあれだけ怪我をしない人ですからね。まずは真似をしようと。そうしたら『絶対やり続けろ』と言われたので」

熱男のいないホークスをどう引っ張るか

 シーズン終盤、今宮はチームを鼓舞するように何度も「熱男魂」という言葉を口にした。来年からは別々のチームで戦うことになるが、リスペクトする気持ちはずっと変わらない。

 「これからも、ああいう方は現れないんじゃないかと思うくらい、チームに良いプラスをたくさん持ってくれた大先輩。教えていただいたことも多々あります。ああいう形でチームを引っ張れと言われると『頑張ります』とは言えない。正直、無理。これからのホークスがどんな形で向かっていくのか分からないところはあるけど、自分はしっかりと引っ張っていくポジション。野球のところは(キャプテンの)柳田(悠岐)さんに任せながら、どうすればいい方向に持っていけるのかキャンプからしっかりやっていきたい」

 ホークス新時代のリーダーは強い決意を胸に次なるシーズンへ臨んでいく。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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