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新庄BIGBOSSは改名したけど「PIGBOSS」はなぜ続投!?本人を直撃取材=火の国サラマンダーズ

田尻耕太郎スポーツライター
火の国の首脳陣。左からPIGBOSSコーチ、馬原監督、藤岡コーチ、西コーチ

 PIGBOSSは、来季も続けます。

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」の火の国サラマンダーズは11月19日、熊本市内で2023シーズンの新入団発表ならびにシーズン首脳陣の発表会見を行った。

馬原監督、藤岡兼任コーチも続投

来季への抱負を語る馬原監督(右)
来季への抱負を語る馬原監督(右)

 今季のチームは九州アジアリーグで創設初年度からの2連覇を果たし、独立リーグ日本一をかけた「独立リーググランドチャンピオンシップ」でも初頂点に立ったこともあり、首脳陣は基本的に続投となった。

 かつてソフトバンクで守護神も務め、オリックスでもプレーした馬原孝浩監督が2年目となる来季もチームを率いる。

 コーチ陣も藤岡好明投手兼投手コーチが留任。西寿哉コーチ、PIGBOSSコーチは今季選手兼任だったが、来季はコーチ専任となる。また、今季は選手兼任外野守備・走塁コーチを務めた瀬戸口樹は任意引退し、コーチも退任した。

”本家”改名も、PIGBOSSを続ける理由

PIGBOSSポーズをおねだりすると、変幻自在に対応
PIGBOSSポーズをおねだりすると、変幻自在に対応

 ところで、やはり異彩を放つのがPIGBOSSコーチだろう。

 昨季のコーチ就任と同時に誕生。「好きな食べ物は豚丼です。一生懸命、元気出して頑張っていきますので宜しくお願いします」と意気込んで今季に臨んでいた。

 しかしこの秋、“本家” の新庄剛志監督(北海道日本ハムファイターズ)が自チームの今季最終戦で「BIGBOSS」のユニフォームを脱ぎ、「SHINJO」で登場して改名を明らかにした。つまり球界からBIGBOSSはいなくなってしまった。

 だがそれでも、PIGBOSSは来季も続投する。

「僕は今年、このチームでリーグ優勝もして、日本一にもなれました。PIGBOSSという名前に運があるのではと思っていますので、継続してやっていきたいです」

 ところで、昨年は少し小さめのサングラスをいそいそと装着していたが、1年経つと貫禄も出てきたのか、サングラスも見るからにおしゃれになって、より磨きがかかった感がある。

「(球団の神田)代表にプレゼントしていただきました。イタリア製の高級サングラスです。サッカーの本田圭佑さんも愛用するブランドのものだと聞きました!」

リーグ、球団の知名度アップが主目的

 PIGBOSSは熊本生まれ、熊本育ちの26歳。

 東海大星翔高校から東海大九州キャンパスを経て社会人・熊本ゴールデンラークスに入社。そして、火の国サラマンダーズ創設と同時に独立リーガーへと転身した。

 じつは、根はマジメな好青年なのだが、愛嬌ある見た目とともにサラマンダーズの盛り上げ隊長となって存在感を放っていたことで、PIGBOSSを名乗るようになった。本名は猪口雄大という。

「今年、PIGBOSSとなってから反響もたくさんいただいたり、初めて会った人にも『え、あのPIGBOSS!?』と言ってもらえて嬉しかったです。ただ、九州アジアリーグや火の国サラマンダーズのことを知ってもらうために名乗るようにしたのに、SNSの活用などPIGBOSSらしさを発揮できませんでした。選手兼任コーチはたしかに大変だったけど、それは言い訳です。来季はもっと、皆さんに喜んでもらえるような活動にも力を入れたい。もちろん、コーチ専任になったので、選手たちのために力を尽くして、みんなの持っている素晴らしい能力を引き出してNPBへ1人でも多く送り出したいです」

 ちなみに、新庄監督にPIGBOSSの存在を認識してもらえているかは不明だ。しかし――。

「あ、先日夢の中で新庄さんと喋ったんですよ。おー、PIGBOSSかって肩を叩かれて。優しい人でした」

 やはり一度は本人と対面してみたいようで、いつか正夢となるだろうか。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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