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ホークス大関は現在、ファーム防御率0.71。「先発でも」無失点アピール

田尻耕太郎スポーツライター
今後もリリーフより先発で見てみたい(筆者撮影)

【4月23日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1028人】

オリックス  000000001 1

ソフトバンク 01120200× 6

<バッテリー>

【B】●山下(0勝2敗)、飯田、前、海田、中川颯――稲富

【H】大関、椎野、板東、奥村、川原、◯大竹(2勝1敗)――渡邉陸

<本塁打>

なし

アピール不発からの逆襲

 ソフトバンクの先発マウンドに上がったのは3日前の阪神戦でセーブを挙げたばかりの育成左腕・大関友久だった。

「先発は昨日言われました」

 試合前に藤本博史二軍監督が「今日はブルペンデー」と予告しており、当初から長いイニングは予定されていなかったが、それでも3回をしっかり投げきった。球数31球で被安打1、無四球、無失点という素晴らしい結果だった。

「去年三軍では先発していましたけど、二軍公式戦では初めてでした。だけど、先発でもリリーフで投げた時と同じように、1人1人を打ち取っていく気持ちで投げました」

 今季が入団2年目の大関は宮崎春季キャンプ途中にA組に昇格し、オープン戦もそのまま一軍に帯同。オープン戦はすべてリリーフで5試合に登板したが、防御率10.13とアピールできずに開幕一軍入りを逃し、現時点での支配下登録も果たせていない。

「あの時は気持ちが落ち込んだ。だけど、休日の1日で心を休めることが出来た。結果的に切り替えられました。一軍を経験して自信には正直ならなかった。だけど、何が足りないのか、ここがこうだから通用しなかったという自分に足りなかったことに気づくことが出来ました」

倉野コーチ「ゆくゆくはローテに」

 身長185cm、体重96kgの大型左腕は「どこでも任される投手になりたい。もちろん先発も」と意気込む。

 倉野信次ファーム投手統括コーチも「僕の中ではゆくゆくは先発ローテに入っていってほしいと思っている投手。そのための課題も今は与えています」と話す。

 現状ではぶ厚い先発陣を誇るソフトバンクだが、20代前半の将来の先発候補を探すと思いのほか多くはない。大関は打者の左右関係なく抑えられるし、変化球でもストライクが取れる。たしかな先発適性のある左腕として重宝される存在となるはずだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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