二軍で投手3部門1位、ホークス大竹耕太郎を倉野コーチは「推薦している」
8月9日、福岡ソフトバンクホークス二軍は、タマホームスタジアム筑後で行われたウエスタン・リーグ公式戦で中日ドラゴンズ二軍と対戦した。
1番谷川原が3出塁
【8月9日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 620人】
中日 000002000 2
ソフトバンク 100000000 1
<バッテリー>
【D】◯清水(2勝1敗)、橋本、浜田智、大蔵、S鈴木博(1セーブ)――郡司、石橋
【H】大竹、野澤、渡邉雄、古谷、●杉山(1勝3敗)、岩嵜、加治屋、松田遼――海野
<本塁打>
【D】郡司1号
<戦評>
ソフトバンクが小刻みな投手リレーを見せた。先発した大竹は予定だった2回を投げて1安打無失点。その後は7人の投手が1イニングずつをつないだ。5番手の杉山が、中日の郡司に156キロ直球を投げ込むもこれを打ち返されて2ラン本塁打。結果的にこれが決勝点となり今季3敗目を喫した。それ以外の投手は無失点と好投した。
打線は初回、1番・谷川原が四球で出塁しその後盗塁もして三塁に進み、4番・内川の右犠飛で先制点を挙げた。
谷川原は第2打席で遊撃内野安打、第3打席で四球を選び1安打2四球と1番打者の役割を果たした。しかし、この日のチーム安打はこの谷川原の1本のみと寂しい結果に終わった。(了)
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防御率は1点台に
大竹耕太郎投手がまたも好投した。
7月29日の阪神戦で4安打2失点の完投勝利を飾って以来となったこの日のマウンドは、2イニングだけの「ショートスターター」だったが、きっちりと2回1安打無失点に抑える好結果を残した。
今季防御率はこれで1.98となり、ウエスタン・リーグの1位をキープしている。さらに4勝0敗で、勝利数と勝率もトップで現在同リーグの投手三冠だ。
また、球数わずか18球で6つのアウトを取った。今年の大竹は制球力がバツグンだ。二軍公式戦では41投球回で9与四死球しかない。WHIP(1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値)も0.99と好数値を出している(1.2を切れば概ね優秀とされる)。
究極のポジティブ
大竹は「今は技術面をああだこうだと考えず、雑念を持たずに目の前の打者を抑えることに集中している」と好調の理由を明かす。そのポイントは究極のポジティブ思考だ。
「ネガティブな思考が入ってくると現実もそれに動きが合ってくる。だからポジティブな思考が出来る準備をしています。たとえば、内に入ったらホームラン打たれるなじゃなくて、内に入ったら詰まらせているイメージ。不得意が自分の脳内のフィルターに引っ掛からないように。だから日常の中でも嫌なことを気にしないようにしたり、それも練習の一つ。それがピッチングにも生きてくるんです。最近はランナー出ても焦らない」
倉野信次ファーム投手統括コーチも「今年はどの球種でも安定してストライクが取れる。去年は良い球があっても、何か悪いボールがあるという繰り返しだった」と成長を認めた。
一軍は先発のコマ不足
一軍は先週の楽天6連戦で、左腕の笠谷俊介が6日(木)と9日(日)と2度先発マウンドに上がり、いずれも「オープナー」としての役割を務めた。結果的にその2試合ともチームは勝利したが、台所事情は苦しい。
11日(火)からのオリックス戦。6試合目の日曜日には石川柊太が出場選手登録可能となるが、13日(木)を再び投手リレーで戦う選択をするのか、難しいところだ。
この日の大竹は先述したとおり、2回18球しか投げておらず、中3日だとしても先発することは十分可能だと考えられる。
「(一軍に)推薦はしています。あとは兼ね合いです。チャンスが来たら、思い切っていくだけ」(倉野コーチ)
背番号10の左腕が立つ次回のマウンドは果たしてPayPayドームになるのか。要注目だ。