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タカ2軍も優勝諦めんバイ! “ミギータ”真砂4の4、3二塁打

田尻耕太郎スポーツライター
4打席目にこの日3本目の二塁打を放った真砂外野手

攝津が7回1失点

8月30日、福岡ソフトバンクホークスの2軍はウエスタン・リーグでオリックスバファローズ2軍と対戦した。

【8月30日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,402人】

オリックス  001000000 1

ソフトバンク 10000003× 4

<バッテリー>

【BS】松葉、鈴木優、金田、吉田一、●岩本(2勝1敗)、齋藤――高城

【H】攝津、○高橋礼(5勝0敗)――市川、張本

<本塁打>

なし

先発した攝津
先発した攝津

<戦評>

 ソフトバンクが8回に勝ち越した。先頭の真砂の右越え二塁打から1死一、二塁とチャンスを広げると4番・江川がタイムリーを放ってリードを奪うと、さらに城所が2点適時打をセンターへ弾き返して突き放した。江川は初回にも先制適時打を放っており、4番の貫録を見せつけた。

 先発の攝津は7回まで投げて1失点。直球に力があり、久保2軍投手コーチは「左足を上げた時のバランスが良くなったことがポイントだった」と振り返った。勝ち投手は2番手の高橋礼で5勝目。

オリックスは先発の松葉が4回1失点。小刻みに投手をつないだが、5番手の岩本が崩れた。(了)

直接対決は残り5試合

 1軍よりもシーズン終了の早いウエスタン・リーグは佳境に入っている。

 現在の首位は阪神。2位のソフトバンクは5ゲーム差で追いかける。この上位2チームが勝率6割以上で、3位以下を大きく引き離しており、優勝争いはこの2チームに絞られている。阪神はここ10試合で8勝1敗1分と逃げ切り体制を加速しているが、ソフトバンクは直接対決を5試合残しており、さらに残り試合数も9試合多いことから自力Vの可能性をまだ残している。2年ぶりのウエスタン優勝へ、楽しみな戦いがまだ続いていきそうだ。(了)

真砂勇介「突然ネックレスが…(笑)」

踏み込みが強くなった
踏み込みが強くなった

 1番センターで出場した真砂勇介が快音を連発させた。

 初回先頭でオリックス松葉から右中間二塁打を放つと、3回は同じ左腕からセンター前ヒット。5回の第3打席は右腕の鈴木優から左二塁打、8回はやはり右の岩本からこの日3本目となる右越え二塁打をマークしてみせた。

「今年は左投手と右投手の対戦成績が極端。左の時は自分の中でしっかりラインが作れているけど、右の時はそれができていなかった。今日は打てたけど、まだまだ」

右にしっかり乗せて、左足を強く踏み込む

 また、8月はここまで絶不調だった。試合前まで47打数9安打、打率.191。長打は1本もなかった。

 試合後の若鷹スピーチで「今日の練習中に突然ネックレスが切れました。これは何かあるなと思っていたら打てました(笑)」と冗談を飛ばしたが、じつは前日の試合から打撃にひと工夫を加えていた。

「右足に体重が乗る感じがなかったので、早めに準備をするようにしました。僕の中ではそこから左足を踏み込んでいく時間が大切。慌てて打ちにいくのではなくグーッと踏み込んでいく。今の打撃を試すようになってから踏み込む力も強くなったように感じます」

ミギータ、巻き返しだ!

 プロでもトップレベルの身体能力から繰り出す力強い打球が持ち味。柳田悠岐クラスの打球も飛ばせることから、「ミギータ」(右打ちのギータ)の愛称が定着した時期もあった。しかし、今季は打撃で苦しみせっかくの呼び名が霞みつつある。

「全然持ち味を発揮できていなかった。ここからです」

 期待だけで終わってしまうにはあまりに勿体ない素質の持ち主。この1試合を浮上のきっかけにしたい。

※写真はすべて筆者撮影

 

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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