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大怪我からスピード復帰! ホークス次世代の正捕手候補、栗原陵矢が帰ってきた!

田尻耕太郎スポーツライター
実戦復帰した栗原捕手

川原が不運な黒星も、好アピール続ける

6月22日、ソフトバンクはウエスタン・リーグで中日と対戦した。

【6月22日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,488人】

中日     000000020 2

ソフトバンク 000000001 1

<バッテリー>

【D】○佐藤(3勝1敗3セーブ)――A.マルティネス

【H】田中、高橋礼、●川原(0勝1敗1セーブ)、野澤、長谷川宙――谷川原

<本塁打>

なし

<戦評>

 ソフトバンクは終盤に手痛い守備のミスが出て競り負けた。両チーム無得点で迎えた8回表、先頭の遊ゴロを茶谷が悪送球をして出塁を許した。その後1死二塁となり、3番手の野澤がA・マルティネスに適時三塁打を浴びて均衡が破れると、続く伊藤康にはスクイズを決められて痛恨の2点目も失った。

 最終回に1番・城所のヒットと2番・三森の二塁打で1死二、三塁と同点機を演出。しかし、この日4番三塁でスタメン出場した西田の振り逃げのあいだに1点を返しただけで、決定打が出ずに中日佐藤に完投を許した。

 負け投手は8回から2番手で投げた川原。自責点0ながら不運な黒星となったが、今季12試合登板で失点はまだ2度目と好アピールは続けている。(了)

栗原陵矢、キャンプで全治6か月も「約4か月」で試合に

練習中から表情は明るかった
練習中から表情は明るかった

 期待の若鷹捕手が大怪我からスピード復帰を果たした。

 栗原陵矢が9回の守備から出場し、守りでは長谷川宙輝をきっちりリードして1回を無失点。その裏には先頭で打席にも立った。結果はレフトフライだったが、いい当たりに一塁ベースコーチの大道典良2軍打撃コーチも納得の表情を見せて頷いていた。

 栗原は今季4年目。昨年1軍デビューを果たし、今春の宮崎キャンプではA組に抜擢されるなど、今季の大きな飛躍が期待された若手の1人だった。

 しかし、キャンプ終盤の2月20日、全体練習後の特守でノックの打球に飛び込んだ際に左肩を負傷。関節前方脱臼と診断されてチームを離脱した。3月8日に同箇所の手術を受け、入院に2~3週間、全治までは6カ月を要する見込みだと球団からは発表されていた。

「色々な思いがこみ上げてきた」

 シーズンが開幕し、4月に入った頃までは患部を固定した状態で、やはり復帰には相当な時間がかかると思われていた。しかし、栗原自身は「1日も早く」と懸命にリハビリメニューやトレーニングに励み、「22歳の誕生日の7月4日には試合に出る」と意気込んでいた。

 この日は悪夢の大怪我からまだ約4か月。驚異のスピード復帰だった。

「まずは支えてくれたトレーナーやスタッフの方に感謝です。今日は本当に緊張しました。プレー自体は久しぶりだったのでまだまだだなと思いましたが、色々な思いがこみ上げてきた。素直に嬉しい気持ちでグラウンドに立ちました」

 長期離脱のあいだに同学年捕手の堀内汰門が支配下枠に昇格し、開幕一軍入りも果たした。さらに4月には日本ハムから市川友也がトレードで加入し、ここ最近はベテランらしい存在感を発揮している。

「今は2軍でも3番目。まずここで競争に勝たないと」

若手捕手は九鬼も復帰。競争激化へ

 ライバルは増えた。ただ、それも「刺激になります」と言葉に力を込めた。

 ようやく迎えたプロ4年目の“開幕”。「遅めのダッシュを決めます」と巻き返しを誓ってみせた。

 また、3軍では、4月に右手親指を骨折し離脱していた九鬼隆平も実戦復帰を果たしており、ソフトバンクの次世代正捕手争いが、本格的な夏の到来に先駆けて熱を帯びてきた。

※写真は筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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