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真のエースを勝ちとれ――ソフトバンクの東浜、千賀が充実の表情で宮崎入り

田尻耕太郎スポーツライター
今年1月の自主トレ中のソフトバンク千賀(筆者撮影)

東浜は12月に海外トレ

 昨季はそれぞれタイトルを獲得して先発投手陣の柱を担った東浜巨と千賀滉大。1月31日午後、空路でキャンプ地の宮崎入りした。

 背番号と同じ16勝を挙げて最多勝に輝いた東浜は「シーズンが終わってから十分休んだので」と12月のうちから本格的なトレーニングを開始。ハワイのV旅行を1日で切り上げて、現地のジムに通い、年末ぎりぎりまで居残って体力強化に時間を費やした。年明けは地元沖縄で自主トレ。日焼けした顔が逞しい。

「今年は今年。去年の成績が良かったからといって、今年も良いという保証はどこにもありません。一年一年が勝負です」

 過去3シーズンは1勝、9勝、16勝と飛躍的に成績を伸ばしているが、工藤公康監督は「彼の潜在能力を考えれば、もっと上のレベルに行ける」と大きな期待を寄せている。自覚も十分の右腕だけに、気を抜くことなく宮崎春季キャンプの日々も過ごしていくだろう。

千賀も刺激たっぷりの自主トレ「突き抜ける1年にしたい」

 千賀も「このオフはプロに入ってから一番充実していたといってもいい」と自信をのぞかせる。1月は毎オフ恒例の「鴻江スポーツアカデミー」のトレーニング合宿に参加。「自分のフォームを確認する場所」で捕手を座らせてのピッチングも行った。昨年までは中日の吉見一起と一緒に練習する機会が多かったが今年不参加だったため顔を合わせられずも、そのかわりに今年は楽天の美馬学やDeNAの今永昇太が初参加して新たな刺激をもらった。また、2年ぶりにソフトボール界のレジェンド上野由岐子とも一緒になり、充実の合宿を行った。

「キャンプは技術も大事だけど、まずはシーズンを戦える筋力や体力をつける期間。一番は怪我をしないこと。充実の1か月にしたい」

 2年連続で2桁勝利をマークして、防御率も2点台と一見文句なしの成績を収め続けているが、千賀はまったく満足していない。

「こんな言い方をしたら失礼かもしれないけど、中途半端な成績しか残せていないと感じています。今年の目標は最優秀防御率。1点台を目標にしています。突き抜ける1年にしたいです」

 昨年の日本一の原動力となった両右腕。「もう1頂!」で臨むソフトバンクの2018年も、この2人のピッチングがカギを握っているといっても過言ではない。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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