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ムネリンが守る前で、大隣憲司が好投。課題克服に大きな光!

田尻耕太郎スポーツライター
勝ち負けつかずも7回1失点と好投したソフトバンク大隣

「1番遊撃」の川崎は2打数1安打

4月4日、ソフトバンクはウエスタン・リーグでオリックスと対戦した。

【4月4日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 3,113人】

オリックス  001000000 1

ソフトバンク 00000011× 2

<バッテリー>

【BS】岸田、小林、●大山(0勝1敗)――山崎勝

【H】大隣、○笠原(1勝0敗)、S加治屋(2セーブ)――栗原

<本塁打>

なし

<戦評>

川崎宗則初出場で満員となったスタンドを、若鷹たちが逆転勝利で沸かせた。

7回、四球で出塁した真砂がこの日3つ目の二盗でチャンスを広げ、1死三塁となったところで5番・斐紹が犠牲フライを放って同点に追いついた。

8回、釜元のヒットと栗原の送りバントで1アウト二塁として9番の曽根が左中間に勝ち越し三塁打を放った。

先発マウンドに立った大隣は7回1失点と好投。2番手の笠原が1勝目を挙げた。(了)

大隣、フォーム改良が奏功か

大隣憲司投手の球威が確実に上がっていた。

ここ最近は130キロ台前半にとどまっていた直球が140キロ近くを連発した。工藤公康監督からは球威不足を指摘されてファーム調整となっており、今後に大きくつながる光の射す7回1失点の好投だった。

「軸足の乗りもそうですけど、オープン戦で(ヤフオクドームで)中日相手に投げたときも体重移動があまり出来ていなかった。右足の乗りもしっかりと」

投球フォームが変わっていた。右足を上げた時の姿勢だ。これまでは軸の左足に体重が大きくかかり、体がセカンド方向へ傾いていた。しかし、この日は立ち姿が真っ直ぐだった。右半身に意識を置いた投げ方を意識していたようだった。

ムネさんの声掛けが懐かしかった

「145キロを出したいとか、そこまでは考えていない。スピードガンの数字が出るのは嬉しいですが、球のキレ味が自分のバロメーターです」

ストレートでしっかり押せたのが収穫と振り返ったこの日の登板で、今後大隣は上昇気流に乗っていけるだろうか。

また、3回まではショートに川崎宗則が守る中でマウンドに立った。

「久しぶりでした。いつも声をかけてくれる。あ、こんな感じだったなと思いながら投げました。若い選手もムネさんみたいにどんどん声掛けをしてほしい。グラウンドに立てば年齢は関係ない。ピッチャーとしては声をかけてもらえると余裕が出る。ぜひ見習ってほしいですね」

ベテランらしく若鷹への提言も忘れなかった。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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