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「枠」が悩ましい…。7回零封13K、ソフトバンク“助っ投”が激熱アピール!

田尻耕太郎スポーツライター

16K完封リレーで4連勝

3月31日(火)、ウエスタン・リーグの「ソフトバンク×中日」はヤフオクドームで開催された。

中日     000000000 0

ソフトバンク 00030000× 3

<バッテリー>

【D】伊藤、●岸本(0勝1敗)、メジャ、金子、山本雅――桂

【H】◯バンデンハーク(1勝0敗)、五十嵐、S星野(2セーブ)――高谷、細山田

<本塁打>なし

【戦評】

ホークスが完封リレーで勝利。バンデンハークが7回13奪三振、五十嵐が1回3者連続三振を奪う快投でチーム計16奪三振と若竜打線を全く寄せつけなかった。得点シーンは4回裏。まずは先頭打者の6番・江川が中越え二塁打を放つと、その後はドラゴンズ投手陣が自滅した。岸本が2四球で満塁のピンチを背負うとメジャに交代。しかし、その左腕も2連続押し出し四球と暴投で、気づけばホークスに3点が入った。ホークスは開幕2連敗スタートだったが、その後4連勝(2引き分けを挟む)と好調だ。

2軍では次元が違うバンデンハークだが…

【雑感】

<ファームで投げる投手ではない>。バンデンハークの投球は次元が違っていた。7回で95球、被安打2、奪三振13、与四死球2の無失点。直球は常時140キロ台後半をマークし、最速は151キロ。スライダーやカーブ、チェンジアップも申し分なく、21アウトで13奪三振もお見事だったが、外野に飛んだのはレフト前安打とセンターフライの2本のみ。球の威力と低めへの制球力も証明した形だ。

昨年は韓国・サムスンでプレーし、最優秀防御率と最多奪三振のリーグ投手2冠に輝いた実績そのままの投球内容だ。キャンプ紅白戦で内転筋を痛めた影響で開幕ローテ入りを逃したが、3月中旬の実戦復帰以降は3試合、計14回3分の2を投げて無失点ピッチングを続けている。いつ1軍に上がっても好投できるはずだ。

だが、ソフトバンク1軍には先発ローテのスタンリッジ、守護神のサファテに加え、セットアッパーとして8回を任せるまでに成長したバリオスの助っ人3投手がいる。打者には李大浩がいるのはもちろん、そもそも「投手か野手のみに、外国人4人」が許されないため、現状では入り込む余地がないのだ。

試合後、「前回よりも投球動作のバランスが良かった」と笑顔で振り返ったバンデンハーク。今は我慢の時。この調子を維持してチャンスを待つしかない。

五十嵐、高谷は昇格間近か

2番手では五十嵐亮太が登板。1回を投げて3者連続三振に仕留める完璧な投球を見せた。ウエスタン・リーグではすでに5試合目の登板。先週は課題に挙げていた「連投」も済ませており、1軍昇格は間近なところまできている。

インフルエンザで離脱していた高谷裕亮が復帰後初実戦。7番捕手でスタメン出場し、5回までマスクを被った。打席は2打数無安打1四球の結果だった。29日のロッテ戦(ヤフオクドーム)でスタメン出場した斐紹が左膝の靭帯損傷で全治5~6週間の怪我を負ったため、「捕手3人制」を維持する場合は昇格の1番手候補に挙がる。

※追記:高谷は同日のオリックス戦(ヤフオクドーム)から1軍登録された。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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